簡単にわかるDVD-RとDVD-RWの違い!ファイナライズとは?録画用とデータ用の違いについても工学系院卒ライターがわかりやすく解説!
半透明の記録層はレーザー光の読み取り精度が落ちます。2層のデータ容量(8.5GB)が1層(4.7GB)の2倍にならないのはこのためです。
DVDの名称
DVDは映像作品用に開発されたため、登場当初は「Digital Video Disc」の略とされていました。しかしその後、コンピュータのデータ記憶など用途が広がったことから、DVDの規格制定や普及促進を目的とする業界団体DVDフォーラムは「多目的、多用途」の意味を持つ単語versatileを用い、「Digital Versatile Disc」としたのです。
DVD-RとDVD-RWの違い
DVDは読み取り専用型と記録型に分けられます。読み取り専用型はいわゆるDVD-ROMで、ROMはRead Only Memoryの略です。工場で専用の機械を用いてピットを形成するため、データの書き込みや削除は一切できません。
記録型も1回しか書き込みできない「ライトワンス型」と、何度も書き換えができる「リライタブル型」の2つに分けられ、前者の代表例がDVD-R、後者の代表がDVD-RWです。
DVD-R:ライトワンス型
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DVD-R(R:Recordable)はライトワンス型に分類され、後述のファイナライズをしていなければ空き容量がある限り追記できることから、追記型とも呼ばれます。片面2層のDVD-RはDVD-R DL(Dual Layer,デュアルレイヤー)です。
DVD-Rにはピットがない代わりに、グルーブと呼ばれる案内溝と有機色素でできた薄い記録層があります。グルーブに沿って強いレーザー光を照射し有機色素を分解させることで、ピットの凹凸と同じような反射率の違いを作り、データを書き込むのです。一度分解された有機色素は元には戻らないため、書き込みは1回きりとなります。
書き換えできない上、後述するDVD-RWと比べて熱に強いので、長期保存向きです。しかし記録層の有機色素が光に反応しやすいため、保存環境によってはデータが消えてしまう場合があります。
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DVD-RW:リライタブル型
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DVD-RW(RW:ReWritable)はリライタブル型の1つです。書き換え可能回数は1000回ほどですが、書き換えるにはすべてのデータをいったん削除する必要があります。また、DVD-RWは片面1層のみで、片面2層のものはありません。
DVD-RWの記録層に使われるのは、アモルファス金属という材料です。アモルファスとは結晶化していない物質のことで、レーザー光でアモルファス金属を加熱して結晶化させ、反射率を変化させることでデータを書き込んでいます。また、結晶化した場所を再度レーザー光で加熱し急激に冷やすと再び非結晶化するため、データ消去および書き換えが可能になるのです。
記録層が熱に敏感なので、長期保存には向いていません。繰り返し録画やデータの一時的な保管に使われます。
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