今回は植物の「大麻」にまつわることです。大麻が違法薬物であることは広く知られているが、その実である「麻の実」が近ごろ健康食材として注目されている。かたや違法でかたや健康品とは、どういうことでしょうか?学芸員ライターkuroakaと一緒に解説していきます。

ライター/kuroaka

博物館・美術館好きで学芸員の資格を持つWebライター。好奇心旺盛で、雑学好き。たくさん仕入れた雑学をわかりやすく伝えられるよう日々鍛錬している。

「麻の実」と「大麻」のざっくりした違いは?

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「麻の実」と「大麻」の違いは植物の部位です。どちらも同じ大麻草から採取できます。それぞれ詳しくみていきましょう。

麻の実:七味唐辛子にも含まれる健康食材

「麻の実」は名前の通り種子を含んだ実の部分のことです。もともと「麻」は大麻を指す言葉でしたが、時代を経て植物から採れる繊維を総称した言葉になります。現在世界で言われる麻は亜麻(リネン)、黄麻(ジュート)、苧麻(ラミー)、ヘンプ(大麻)、マニラ麻(アバカ)、サイザル麻などです。これらの実すべて「麻の実」と言いますが、一般的には大麻草の実を指します。その理由は大麻草の実は世界的に食用として広く流通し、他の麻と比べ手に入りやすいためです。

その証拠に七味唐辛子に入っている実のひとつには大麻がよく使われています。胡椒の実より大きく直径3~5ミリの硬い実が入っていた場合、それが大麻の実である可能性が高いです。

大麻の「実」自体には違法性はなく、亜鉛やたんぱく質などの栄養素を多く含むため健康食材として注目されています。

大麻:日本では違法薬物

「大麻」は大麻草の葉・穂そのものや加工製品のことを指す言葉です。摂取すると精神障害を招いたり依存症になったりする可能性があるため、日本では法律で規制されています。しかし大麻は世界で最も使用されおり、私たちのすぐ身近にある薬物です。多くの俗称があり、ハッパ・マリファナ・ガンジャなどとも呼ばれています。

「麻の実」を詳しく解説

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「麻の実」と「大麻」の違いが分かったところで、それぞれの特徴をもっと詳しくみていきましょう。麻の実は古くから食用・薬用に用いられてきました。「麻子仁(ましにん)」とも呼ばれ、古来より漢方薬に使われています。また現在においてはそのバランスのいい栄養素が見直され「ヘンプシード」の名で欧米を中心にスーパーフードとして注目されている食材です。

効果・効用

麻の実には様々な栄養素が豊富にバランスよく含まれています。主な栄養素と効果・効用は以下の通りです。

1.食物繊維・マグネシウム…便秘の予防・解消、整腸効果が期待できる
2.ミネラル(鉄・銅・亜鉛・マグネシウム)…マグネシウムは骨や歯の形成に欠かせない。鉄分は女性に不足しがちな栄養素
3.必須脂肪酸(オメガ3、オメガ6)…体内では作ることのできない必須栄養素
4.タンパク質…3大栄養素の1つ。麻の実のタンパク質は消化に優れた良質なもの
5.必須アミノ酸…体内では作ることができない。タンパク質の材料となる

おすすめの食べ方

スーパーフードとして販売されている麻の実は、ヘンプシードナッツと呼ばれ粉末タイプのものが多いです。クセがなくナッツのような香ばしさがあり、柔らかくそのまま食べても消化しやすいのがメリット。ナッツや胡麻の代わりとして使うと取り入れやすいでしょう。きんぴらやほうれん草に胡麻の代わりにあえたり、サラダにそのままふりかけたりするのがおすすめです。

\次のページで「栽培は違法」を解説!/

栽培は違法

麻の実は人間用だけでなく、インコやハムスターなど小動物のペット用餌としても販売されています。市販されている麻の実は加熱処理されていますが、加熱処理が不十分な場合発芽する可能性があり、注意が必要です。

なぜなら麻の実が発芽したら故意でなくても栽培と見なされ、大麻取締法に抵触するためです。大麻の栽培は免許を持つ大麻取扱者だけしか行えません。鳥の餌である麻の実を庭に撒いたら発芽した、なんてことが起きないように取り扱いには気をつけてください。

「大麻」を詳しく解説

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次に大麻についてみていきましょう。大麻が違法薬物にも関わらず多く乱用されているのは、吸った時に幸福感を味わえる、陽気な気分になるためなどと言われます。では、大麻を使用するとどのような有害性があるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

有害性

大麻を使用すると、まず知覚変化(常に酔っているような状態になったり、時間の感覚が狂う)や学習能力の低下が起こります。次に長く使い続けることで発症するのは、何もやる気になれない「無動機症候群」や、統合失調症や鬱病などの「精神障害」などです。最終的には大麻への欲求が抑えられない「薬物依存」になります。

「麻の実」と「大麻」の違いは植物の部位!しかし効果には大きな違いがある

「麻の実」と「大麻」、違いは大麻草の「実」と「葉・穂」の違いであることがわかりました。麻の実はスーパーフードとして注目されており、バランスよく栄養素がとれるのが魅力。一方大麻は依存性のある危険なものです。「毒薬変じて薬となる」ということわざがありますが、大麻に関しては適用できません。同じ植物からここまで違う効果になるなんて不思議なものですね。

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雑学

3分で簡単にわかる!「麻の実」と「大麻」の違いとは?麻の実の活用法や大麻の有害性まで学芸員ライターがわかりやすく解説

今回は植物の「大麻」にまつわることです。大麻が違法薬物であることは広く知られているが、その実である「麻の実」が近ごろ健康食材として注目されている。かたや違法でかたや健康品とは、どういうことでしょうか?学芸員ライターkuroakaと一緒に解説していきます。

ライター/kuroaka

博物館・美術館好きで学芸員の資格を持つWebライター。好奇心旺盛で、雑学好き。たくさん仕入れた雑学をわかりやすく伝えられるよう日々鍛錬している。

「麻の実」と「大麻」のざっくりした違いは?

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「麻の実」と「大麻」の違いは植物の部位です。どちらも同じ大麻草から採取できます。それぞれ詳しくみていきましょう。

麻の実:七味唐辛子にも含まれる健康食材

「麻の実」は名前の通り種子を含んだ実の部分のことです。もともと「麻」は大麻を指す言葉でしたが、時代を経て植物から採れる繊維を総称した言葉になります。現在世界で言われる麻は亜麻(リネン)、黄麻(ジュート)、苧麻(ラミー)、ヘンプ(大麻)、マニラ麻(アバカ)、サイザル麻などです。これらの実すべて「麻の実」と言いますが、一般的には大麻草の実を指します。その理由は大麻草の実は世界的に食用として広く流通し、他の麻と比べ手に入りやすいためです。

その証拠に七味唐辛子に入っている実のひとつには大麻がよく使われています。胡椒の実より大きく直径3~5ミリの硬い実が入っていた場合、それが大麻の実である可能性が高いです。

大麻の「実」自体には違法性はなく、亜鉛やたんぱく質などの栄養素を多く含むため健康食材として注目されています。

大麻:日本では違法薬物

「大麻」は大麻草の葉・穂そのものや加工製品のことを指す言葉です。摂取すると精神障害を招いたり依存症になったりする可能性があるため、日本では法律で規制されています。しかし大麻は世界で最も使用されおり、私たちのすぐ身近にある薬物です。多くの俗称があり、ハッパ・マリファナ・ガンジャなどとも呼ばれています。

「麻の実」を詳しく解説

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「麻の実」と「大麻」の違いが分かったところで、それぞれの特徴をもっと詳しくみていきましょう。麻の実は古くから食用・薬用に用いられてきました。「麻子仁(ましにん)」とも呼ばれ、古来より漢方薬に使われています。また現在においてはそのバランスのいい栄養素が見直され「ヘンプシード」の名で欧米を中心にスーパーフードとして注目されている食材です。

効果・効用

麻の実には様々な栄養素が豊富にバランスよく含まれています。主な栄養素と効果・効用は以下の通りです。

1.食物繊維・マグネシウム…便秘の予防・解消、整腸効果が期待できる
2.ミネラル(鉄・銅・亜鉛・マグネシウム)…マグネシウムは骨や歯の形成に欠かせない。鉄分は女性に不足しがちな栄養素
3.必須脂肪酸(オメガ3、オメガ6)…体内では作ることのできない必須栄養素
4.タンパク質…3大栄養素の1つ。麻の実のタンパク質は消化に優れた良質なもの
5.必須アミノ酸…体内では作ることができない。タンパク質の材料となる

おすすめの食べ方

スーパーフードとして販売されている麻の実は、ヘンプシードナッツと呼ばれ粉末タイプのものが多いです。クセがなくナッツのような香ばしさがあり、柔らかくそのまま食べても消化しやすいのがメリット。ナッツや胡麻の代わりとして使うと取り入れやすいでしょう。きんぴらやほうれん草に胡麻の代わりにあえたり、サラダにそのままふりかけたりするのがおすすめです。

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