3分で簡単にわかる!「麻の実」と「大麻」の違いとは?麻の実の活用法や大麻の有害性まで学芸員ライターがわかりやすく解説
ライター/kuroaka
博物館・美術館好きで学芸員の資格を持つWebライター。好奇心旺盛で、雑学好き。たくさん仕入れた雑学をわかりやすく伝えられるよう日々鍛錬している。
麻の実:七味唐辛子にも含まれる健康食材
「麻の実」は名前の通り種子を含んだ実の部分のことです。もともと「麻」は大麻を指す言葉でしたが、時代を経て植物から採れる繊維を総称した言葉になります。現在世界で言われる麻は亜麻(リネン)、黄麻(ジュート)、苧麻(ラミー)、ヘンプ(大麻)、マニラ麻(アバカ)、サイザル麻などです。これらの実すべて「麻の実」と言いますが、一般的には大麻草の実を指します。その理由は大麻草の実は世界的に食用として広く流通し、他の麻と比べ手に入りやすいためです。
その証拠に七味唐辛子に入っている実のひとつには大麻がよく使われています。胡椒の実より大きく直径3~5ミリの硬い実が入っていた場合、それが大麻の実である可能性が高いです。
大麻の「実」自体には違法性はなく、亜鉛やたんぱく質などの栄養素を多く含むため健康食材として注目されています。
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大麻:日本では違法薬物
「大麻」は大麻草の葉・穂そのものや加工製品のことを指す言葉です。摂取すると精神障害を招いたり依存症になったりする可能性があるため、日本では法律で規制されています。しかし大麻は世界で最も使用されおり、私たちのすぐ身近にある薬物です。多くの俗称があり、ハッパ・マリファナ・ガンジャなどとも呼ばれています。
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「麻の実」を詳しく解説
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「麻の実」と「大麻」の違いが分かったところで、それぞれの特徴をもっと詳しくみていきましょう。麻の実は古くから食用・薬用に用いられてきました。「麻子仁(ましにん)」とも呼ばれ、古来より漢方薬に使われています。また現在においてはそのバランスのいい栄養素が見直され「ヘンプシード」の名で欧米を中心にスーパーフードとして注目されている食材です。
効果・効用
麻の実には様々な栄養素が豊富にバランスよく含まれています。主な栄養素と効果・効用は以下の通りです。
1.食物繊維・マグネシウム…便秘の予防・解消、整腸効果が期待できる
2.ミネラル(鉄・銅・亜鉛・マグネシウム)…マグネシウムは骨や歯の形成に欠かせない。鉄分は女性に不足しがちな栄養素
3.必須脂肪酸(オメガ3、オメガ6)…体内では作ることのできない必須栄養素
4.タンパク質…3大栄養素の1つ。麻の実のタンパク質は消化に優れた良質なもの
5.必須アミノ酸…体内では作ることができない。タンパク質の材料となる
おすすめの食べ方
スーパーフードとして販売されている麻の実は、ヘンプシードナッツと呼ばれ粉末タイプのものが多いです。クセがなくナッツのような香ばしさがあり、柔らかくそのまま食べても消化しやすいのがメリット。ナッツや胡麻の代わりとして使うと取り入れやすいでしょう。きんぴらやほうれん草に胡麻の代わりにあえたり、サラダにそのままふりかけたりするのがおすすめです。
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