首都圏や京阪神に行くと本当にたくさんの電車の路線があるよな。初めて来た人はアプリなどを見ないとどれに乗ればいいか分からなくなってしまう。そして、路線が分かっても次に困るのは列車の種別です。「普通」とか「急行」とか「特急」っていうやつです。

鉄道好きな人ならこの違いを説明するのは簡単かもしれないが、そうでない人にとっては意外と難しのです。

そこで、今回は「特急」と「急行」の違いについて、鉄道大好きな日本語教師"むかいひろき"と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で働く日本語教師。かつては関東や関西の鉄道を頻繁に利用していた鉄道ファンの一面もあり。それらの経験と趣味を活かし、「特急」と「急行」の違いについて分かりやすく解説していく。

「特急」と「急行」の違いとは?

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電車に乗ったことがある人なら誰でも必ず見聞きしたことがある「特急」や「急行」という言葉。その違いについて質問されたとき、あなたならどう答えますか?ここでは、「特急」と「急行」についてそれぞれ解説します。

「特急」:停車駅が特に少ない列車

「特急」は停車駅が特に少ない列車の種別を表す言葉です。「特別急行」の略語ですね。路線内の主要な駅だけに停車し、それ以外の駅は通過します。JRの特急は必ず通常の運賃以外に特急料金がかかりますが、私鉄(JR以外の鉄道会社)の特急では、特急料金が別にかかるものと通常の運賃だけで乗車できるものの2つに分かれますね。

「急行」:停車駅が少ない列車

「急行」は停車駅が少ない列車の種別を表す言葉です。「特急」と同様に路線内の主要な駅にしか停車しませんが、「特急」より停車駅が多いのが特徴ですね。

現在JRでは「急行」は定期運行しておらず、臨時の「急行」が運行されるのみとなっています。JRの「急行」は通常の運賃の他に急行料金が必要なのが特徴です。私鉄の「急行」の場合はごく一部の例外を除いて、通常の運賃だけで乗車できます。

他にはどんな種別がある?「急行」より停車駅が多い種別

「特急」と「急行」の違いは分かっても、ほかの「快速」や「準急」などとの違いがよく分からない…という人も多いかもしれません。まずは「急行」より停車駅が多い種別を見ていきましょう。遠くの目的地に急いでいきたいときは、乗らない方が良い種別かもしれませんね。

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「普通」「各駅停車」:すべての駅に止まる種別

「普通」と「各駅停車」は路線内の全ての駅に止まる種別です。「各駅停車」は「各停」と省略されることも多いですね。どの列車の路線にも必ず存在するのが「普通」か「各駅停車」で、黒色で表示されることが多いです。

「準急」「区間急行」:急行より停車駅が多い

「準急」と「区間急行」は路線内の一部の駅を通過する種別で、「急行」より停車駅が多いです。路線にもよりますが、「準急」はある区間までは各駅停車で、ある区間からは一部の駅を通過するという形で運行されているものが多いですね。「区間急行」はその名前の通り、ある区間は各駅停車ですが、ある区間は「急行」と同じ停車駅にしか止まらないという形で運行されているものが多いです。

「快速」:急行とよく似た種別ですが…

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「急行」との違いで一番ややこしいのが、この「快速」ですね。

JRの場合は、通常の運賃だけで乗車できる一部の駅を通過する種別を「快速」と名付けています。「快速」より停車駅が少ない通常運賃のみで乗車できる種別である「新快速」や「特快」は、この「快速」から派生したものであるため「快速」の仲間だと考えればわかりやすいでしょう。

私鉄の場合は、鉄道会社によって「急行」と「快速」のどちらが停車駅が少ないかは異なります。また、「急行」と「快速」のどちらか片方しか路線内に存在しない場合も多いですね。たとえば京王線では「急行」の方が「快速」より停車駅が少ないですが、東武東上線は「快速」の方が「急行」より停車駅が少ないです。そして2023年1月11日現在、西日本の私鉄で「快速」を運行している路線はありません。

他にはどんな種別がある?「急行」より停車駅が少ない種別

ここまで列車の種別をたくさん紹介してきましたが、これで全てではありません。「急行」より停車駅が少なく「特急」より停車駅が多い種別や、「特急」より停車駅が少ない種別が存在します。そのような種別を見ていきましょう。

「快速急行」「準特急」:急行以上特急未満

Rapid Express of Odakyu Electric Railway.JPG
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「快速急行」や「準特急」は路線内の一部の駅を通過する種別で、「急行」より停車駅が少なく「特急」より停車駅が多いです。JRには存在せず私鉄のみに存在します。「快速急行」は「快急」と省略され、「準特急」は「準特」と省略されることもありますね。どちらも原則通常運賃のみで乗車できます。

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「快速特急」:特急よりも停車駅が少ない

「快速特急」は路線内の多くの駅を通過する種別で、「特急」よりも停車駅が少ないです。こちらもJRには存在せず私鉄のみに存在します。路線によっては「快特」と略されることもありますね。路線や車両によって通常運賃のみで乗車できる場合と、座席指定料金や特急料金が必要になる場合の2つがありますが、通常運賃のみで乗車できる場合の方が多いです。

ここまで紹介した以外にも「通勤快速」や「通勤特快」などの「通勤○○」といった種別や、「空港急行」や「エアポート急行」などの種別も存在します。これらの種別は路線によって停車駅の扱いや運行の形態が異なるので、詳しく知りたい場合は停車駅案内を確認しましょう。

「普通」<「急行」<「特急」

今回は「特急」と「急行」の違いについて、「快速」や「準急」などとの違いを含めて解説しました。「特急」も「急行」も路線内の一部の駅を通過しますが、「特急」の方が停車駅が少ないです。そしてJRには現在「急行」は通常の定期運行では存在しません。その他の種別については鉄道会社や路線によって様々です。初めてある路線を利用するときは停車駅案内を確認しましょう。

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雑学

3分で簡単に分かる!「特急」と「急行」の違いとは?「快速」などとの違いも鉄道好き日本語教師が分かりやすく解説

「普通」「各駅停車」:すべての駅に止まる種別

「普通」と「各駅停車」は路線内の全ての駅に止まる種別です。「各駅停車」は「各停」と省略されることも多いですね。どの列車の路線にも必ず存在するのが「普通」か「各駅停車」で、黒色で表示されることが多いです。

「準急」「区間急行」:急行より停車駅が多い

「準急」と「区間急行」は路線内の一部の駅を通過する種別で、「急行」より停車駅が多いです。路線にもよりますが、「準急」はある区間までは各駅停車で、ある区間からは一部の駅を通過するという形で運行されているものが多いですね。「区間急行」はその名前の通り、ある区間は各駅停車ですが、ある区間は「急行」と同じ停車駅にしか止まらないという形で運行されているものが多いです。

「快速」:急行とよく似た種別ですが…

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「急行」との違いで一番ややこしいのが、この「快速」ですね。

JRの場合は、通常の運賃だけで乗車できる一部の駅を通過する種別を「快速」と名付けています。「快速」より停車駅が少ない通常運賃のみで乗車できる種別である「新快速」や「特快」は、この「快速」から派生したものであるため「快速」の仲間だと考えればわかりやすいでしょう。

私鉄の場合は、鉄道会社によって「急行」と「快速」のどちらが停車駅が少ないかは異なります。また、「急行」と「快速」のどちらか片方しか路線内に存在しない場合も多いですね。たとえば京王線では「急行」の方が「快速」より停車駅が少ないですが、東武東上線は「快速」の方が「急行」より停車駅が少ないです。そして2023年1月11日現在、西日本の私鉄で「快速」を運行している路線はありません。

他にはどんな種別がある?「急行」より停車駅が少ない種別

ここまで列車の種別をたくさん紹介してきましたが、これで全てではありません。「急行」より停車駅が少なく「特急」より停車駅が多い種別や、「特急」より停車駅が少ない種別が存在します。そのような種別を見ていきましょう。

「快速急行」「準特急」:急行以上特急未満

「快速急行」や「準特急」は路線内の一部の駅を通過する種別で、「急行」より停車駅が少なく「特急」より停車駅が多いです。JRには存在せず私鉄のみに存在します。「快速急行」は「快急」と省略され、「準特急」は「準特」と省略されることもありますね。どちらも原則通常運賃のみで乗車できます。

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