この記事では「一級河川」と「二級河川」の違いについてみていく。川の等級ですが、一級と二級の差は何なのか。大きさや長さじゃない、実は分かりやすい違いがあるんです。一級二級以外の川を何と呼ぶのか、そもそも「河」と「川」の違いは何なのか。
今回は身近だけれど意外と知らない河川のあれこれを、河川モニターの経験もある語学系主婦ライター小島ヨウと一緒に解説していきます。

ライター/小島 ヨウ

ドイツ語学科卒、英語劇や市民劇団に所属した語学系おばさんライター。自宅が河口にあり、近所に海が広がっている。河川モニターとして日々川を見つめ続けた経験から、深ぼりして解説する。

「一級河川」と「二級河川」の違いとは?

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小さく細い生活用水路から橋が掛かる大きな川まで、私たちの家の近くにあって、生活に重要必須な「川」ですが。「一級河川」「二級河川」という表現は聞いたことあるようなないような、どういう区分けなのか不確かな方がほとんどではないでしょうか。簡単にわかりやすく説明していきますね。

「一級河川」は国が管理

「川」とは一般的に、自然に発した水が山から海にそそぐまでの細長い地形のこと。この水源(山)から河口(海)までに至る本流と集まる支流をまとめて「水系」といいます。数ある水系の中で、私たちの生活に特に重要で「河川法」で管理が必要とされ、国土交通大臣が指定した川が「一級河川」です。

「二級河川」は都道府県が管理

「二級河川」は「一級河川」以外の川で、重要性が高く「河川法」で管理が必要、都道府県知事が指定した川です。国土交通省のHPによると「一級水系」は109で「一級河川」は13994ありますが、「二級河川」は7090。二級の方が少ないのは意外ですね。

三級・四級はない!一級・二級以外の川は何という?

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では一級二級以外の川は何というのでしょうか。大きさや長さではなく重要度と管理者で区分されている「河川」に、三級四級といった等級はありません。国・都道府県ときたら次の単位は市町村ですね。どう呼ぶのか確認しましょう。

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「準用河川」は市町村長が管理

「準用河川」は一級・二級河川以外の川で、「河川法」で管理が必要とされ市町村長が指定したものです。全国で14314河川あります(国土交通省HPより)。一級二級準用と合わせると35000超の河川。「川」がいかに私たちの生活に密着したものか、実感しますね。

「普通河川」は地方公共団体が管理

一級二級準用以外の小さな川を「普通河川」といいます。こちらは「河川法」の適用外、公共下水道や農業用水路以外の川で、管理者は市町村長。「地方公共団体」とは法律用語で一般的には「地方自治体」、区・市町村と同じような意味ですよ。

「川」にまつわるあれこれ

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日本一長い川は言わずと知れた「信濃川」367キロ、ついで「利根川」、3位は「石狩川」でいずれも一級河川です。日本一短い一級河川は「菊川」(静岡)と「本明川」(長野県)で長さは28キロほど。こうして見ると一級河川の「一級」は長さ基準ではないことが良く分かりますね。そんな川のあれこれをいくつかお伝えしましょう。

「河」と「川」との違いは?

水の流れを表現した象形文字の「川」の字がもっとも一般的、大小関係なく使われます。「河」は中国で「黄河」のこと、日本では川より大きな川の表現として使われ、「大河」「運河」「銀河」などが例です。ちなみに、中国では「河」よりも大きい水の流れは「江」。「長江」は中国最大、長さ6380キロ、世界3位の大河です。日本で「江」は、海や湖などで陸地に水が入り込んだ場所の意味で主に使われます。

「河川」は大小の川をすべて含めた総称です。

「流域面積」は「水面」でなく「水を集める土地」の広さ

日本一長い川は信濃川ですが、「流域面積」が日本一大きい川は「利根川」です。この「流域面積」、川の流れる幅や全水面の広さではありません。川の水を集めるための土地の広さで「集水面積」ともいいます。利根川の流域面積は東京都・埼玉県・群馬県を足した面積よりも広大!川の水は思った以上に広く遠い場所から集まってくるのですね。

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川の災害「洪水」「氾濫」「水害」の違い

次に紹介するのは、全国で頻発する水に係る災害に関する言葉です。「洪水」は大量の雨や雪解け水によって川の水位や流量が異常に増大し、河原など河川敷地内いっぱいになること。そしていっぱいになった川から水があふれ流れることを「氾濫(はんらん)」といいます。

「水害」は水による災害の総称で、洪水や高潮・浸水・冠水・土石流・山崩れなどです。

生活に欠かせない川を大事にしよう

この記事では「一級河川」と「二級河川」の違いを説明しました。「河川法」で管理が必要とされ、管理者が国と都道府県で違うことがわかりましたね。日本に数多くある「川」、私たちが生きていく上でなくてはならない存在です。水質を保てるよう、大事にしていきたいですね。

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雑学

3分で簡単にわかる一級河川と二級河川の違い!どっちが多い?「河」と「川」の違いも語学系主婦ライターが詳しく解説

この記事では「一級河川」と「二級河川」の違いについてみていく。川の等級ですが、一級と二級の差は何なのか。大きさや長さじゃない、実は分かりやすい違いがあるんです。一級二級以外の川を何と呼ぶのか、そもそも「河」と「川」の違いは何なのか。
今回は身近だけれど意外と知らない河川のあれこれを、河川モニターの経験もある語学系主婦ライター小島ヨウと一緒に解説していきます。

ライター/小島 ヨウ

ドイツ語学科卒、英語劇や市民劇団に所属した語学系おばさんライター。自宅が河口にあり、近所に海が広がっている。河川モニターとして日々川を見つめ続けた経験から、深ぼりして解説する。

「一級河川」と「二級河川」の違いとは?

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小さく細い生活用水路から橋が掛かる大きな川まで、私たちの家の近くにあって、生活に重要必須な「川」ですが。「一級河川」「二級河川」という表現は聞いたことあるようなないような、どういう区分けなのか不確かな方がほとんどではないでしょうか。簡単にわかりやすく説明していきますね。

「一級河川」は国が管理

「川」とは一般的に、自然に発した水が山から海にそそぐまでの細長い地形のこと。この水源(山)から河口(海)までに至る本流と集まる支流をまとめて「水系」といいます。数ある水系の中で、私たちの生活に特に重要で「河川法」で管理が必要とされ、国土交通大臣が指定した川が「一級河川」です。

「二級河川」は都道府県が管理

「二級河川」は「一級河川」以外の川で、重要性が高く「河川法」で管理が必要、都道府県知事が指定した川です。国土交通省のHPによると「一級水系」は109で「一級河川」は13994ありますが、「二級河川」は7090。二級の方が少ないのは意外ですね。

三級・四級はない!一級・二級以外の川は何という?

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では一級二級以外の川は何というのでしょうか。大きさや長さではなく重要度と管理者で区分されている「河川」に、三級四級といった等級はありません。国・都道府県ときたら次の単位は市町村ですね。どう呼ぶのか確認しましょう。

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