今回はテニスの硬式と軟式の違いについて解説していきます。テニスも野球と同じように硬式と軟式がある。テニスと聞くと、テレビの試合中継でもよく見る硬式テニスの方をイメージする人は多いと思うが、中高生の部活では軟式テニス(ソフトテニス)も人気の競技です。ボールやラケット以外もたくさん違いのあるこの2つの競技。今回はルールや打ち方も確認しつつ、両方のテニスを経験したことのある篠崎まおと一緒に解説していきます。

ライター/篠崎まお

テニス経験者の文学部卒ライター。部活動で中学時代は軟式テニス、高校時代は硬式テニスを経験した。この経験をもとに硬式・軟式テニスの違いをわかりやすく解説していく。

違いその1.ラケット・ボール

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硬式テニスと軟式テニスの違いとして真っ先に挙げられるのが、ラケットとボールの違いでしょう。どれぐらいの重さで、どれぐらいの大きさなのでしょうか。ここからはそれぞれに使用するラケットとボールの違いを解説していきます。

硬式:硬いボールで重みのあるラケット

硬式テニスのボールは黄色で硬いボールです。よく弾んで反発も良く、スピードとスピンに優れています。軟式テニスのボールとは違い空気が抜けづらい構造にはなっていますが、一度空気が抜けてしまうと捨てるしかありません。空気を注入する穴がないためです。重量は56.0g〜59.4g、直径は6.54cm〜6.86cmと規定されています。

ラケットは面が広めに作られていて、重さは300〜350gほどです。硬いボールを打ち返すときの強い衝撃に負けないよう、丈夫に作られています。

軟式:柔らかいボールで軽いラケット

軟式テニスのボールは、白色で空気の入ったゴム製のボールです。重量は30〜31gと非常に軽くなっており、柔らかくてふにゃふにゃとしています。空気を入れて繰り返し使うことができるので、経済的であるのも特徴です。軽いので風に影響されやすく、打った初速はスピードがありますがバウンド後は急激にスピードが落ちます。

ラケットは軽くて薄い作りになっていて、硬式テニスのラケットと大きく違う点はシャフト部分です。シャフトとはボールを打つ面の部分と、グリップの部分の間にある「首」の部分で、ここが硬式テニスのラケットよりも長くなっています。長さがあると打つときにパワーが出しやすくなるためです。

違いその2.ネットの高さ

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ここまでラケットとボールの違いについて解説してきましたが、ネットの高さにも違いがあります。硬式テニスの方がネットの高さは低くなっていますが、使用するネットは同じです。ここからは詳しく解説していきます。

硬式:中央が0.914m

硬式テニスのネットは中央に「ネットストラップ」というベルトがついており、中央だけ高さが低くなっています。「センターベルト」とよく言われますが、正式名称は「ネットストラップ」です。この中央の部分が0.914mで、両端は軟式テニスと同じ1.06mとなっています。

ネットストラップがある理由は、歴史的背景による影響です。テニスが始まった当時はネットを真っ直ぐに張る技術がなく、中央がネットの重心で下がったままプレイしていました。ですので今も同じ条件でプレイするためにネットストラップを使用するようになったそうです。

\次のページで「軟式:1.06m」を解説!/

軟式:1.06m

軟式テニスのネットは一直線で、ネットストラップはついていません。ネットの高さは硬式テニスの両端と同じ高さの、1.06mとなっています。ですので軟式テニスをする際に、硬式テニスのコートを使うことは全く問題ありません。ネットストラップを外して使用すればいいためです。

違いその3.スコアの数え方

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硬式テニス、軟式テニスともに1ゲームが4ポイント先取であるのは同じです。しかしスコアの数え方が大きく違ってくるので、ここからはスコアの数え方について詳しく解説していきます。

硬式:0,15,30,40の4ポイント先取

硬式テニスのスコアの数え方は難しいので、慣れていないとわかりづらいかもしれません。「0(ラブ)」から試合が始まり、1ポイント取るたびに「15(フィフティーン)」「30(サーティー)」「40(フォーティー)」「ゲーム」と数えていきます。4ポイント取った時点で1ゲーム終了です。

軟式:0,1,2,3の4ポイント先取

軟式テニスのスコアの数え方は簡単です。「0(ラブ)」から試合が始まり、「1(ワン)」「2(ツー)」「3(スリー)」「ゲーム」と数えていきます。4ポイント先取した時点で1ゲーム終了です。

\次のページで「打ち方にも大きな違いが!」を解説!/

打ち方にも大きな違いが!

軟式テニスの経験者が硬式テニスを始めてから特に苦戦するのが、バックハンド(右利きの場合、自分の左側のボールを打つときのフォーム)の打ち方の違いです。違いを一言でいうと、打つ面が違います。

軟式テニスではバックハンドを打つ場合、フォアハンド(右利きの場合、自分の右側のボールを打つときのフォーム)と同じ握り(手のひら側で同じ面)です。対して硬式テニスは、両手打ちで握りを変えて(手の甲側の反対の面)で打ちます。

どっちが難しい?

ここまで違いをみてきましたが、プレイをする際どちらが難しいのでしょうか。結論、どちらも突き詰めれば難しく、それぞれに特徴があって似て非なるスポーツといえます。

硬式テニスは重いラケットとボールを使用するため、体力や筋力が必要です。軟式テニスはラケットとボールは軽いものの、ボールの速度が早いため瞬発力が必要になってきます。どちらが難しいかは一概にはいえませんが、どちらか始めたいと迷っている方は一度両方プレイしてみるのはいかがでしょうか。

魅力を知って楽しもう!

ここまで硬式テニスと軟式テニスの違いをみてきましたが、ラケットやボール、ネットの高さ、ルールなどたくさんの違いがありましたね。同じテニスでも似て非なるスポーツということがわかりました。それぞれに魅力があって、スポーツとしても趣味としてもプレイできます。テニスは大人になってもできる生涯プレイできるスポーツですので、魅力を知って楽しみましょう。

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雑学

簡単でわかりやすい!テニスの硬式と軟式の違いとは?どっちが難しい?バックハンドの打ち方もテニス経験者が詳しく解説

今回はテニスの硬式と軟式の違いについて解説していきます。テニスも野球と同じように硬式と軟式がある。テニスと聞くと、テレビの試合中継でもよく見る硬式テニスの方をイメージする人は多いと思うが、中高生の部活では軟式テニス(ソフトテニス)も人気の競技です。ボールやラケット以外もたくさん違いのあるこの2つの競技。今回はルールや打ち方も確認しつつ、両方のテニスを経験したことのある篠崎まおと一緒に解説していきます。

ライター/篠崎まお

テニス経験者の文学部卒ライター。部活動で中学時代は軟式テニス、高校時代は硬式テニスを経験した。この経験をもとに硬式・軟式テニスの違いをわかりやすく解説していく。

違いその1.ラケット・ボール

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硬式テニスと軟式テニスの違いとして真っ先に挙げられるのが、ラケットとボールの違いでしょう。どれぐらいの重さで、どれぐらいの大きさなのでしょうか。ここからはそれぞれに使用するラケットとボールの違いを解説していきます。

硬式:硬いボールで重みのあるラケット

硬式テニスのボールは黄色で硬いボールです。よく弾んで反発も良く、スピードとスピンに優れています。軟式テニスのボールとは違い空気が抜けづらい構造にはなっていますが、一度空気が抜けてしまうと捨てるしかありません。空気を注入する穴がないためです。重量は56.0g〜59.4g、直径は6.54cm〜6.86cmと規定されています。

ラケットは面が広めに作られていて、重さは300〜350gほどです。硬いボールを打ち返すときの強い衝撃に負けないよう、丈夫に作られています。

軟式:柔らかいボールで軽いラケット

軟式テニスのボールは、白色で空気の入ったゴム製のボールです。重量は30〜31gと非常に軽くなっており、柔らかくてふにゃふにゃとしています。空気を入れて繰り返し使うことができるので、経済的であるのも特徴です。軽いので風に影響されやすく、打った初速はスピードがありますがバウンド後は急激にスピードが落ちます。

ラケットは軽くて薄い作りになっていて、硬式テニスのラケットと大きく違う点はシャフト部分です。シャフトとはボールを打つ面の部分と、グリップの部分の間にある「首」の部分で、ここが硬式テニスのラケットよりも長くなっています。長さがあると打つときにパワーが出しやすくなるためです。

違いその2.ネットの高さ

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ここまでラケットとボールの違いについて解説してきましたが、ネットの高さにも違いがあります。硬式テニスの方がネットの高さは低くなっていますが、使用するネットは同じです。ここからは詳しく解説していきます。

硬式:中央が0.914m

硬式テニスのネットは中央に「ネットストラップ」というベルトがついており、中央だけ高さが低くなっています。「センターベルト」とよく言われますが、正式名称は「ネットストラップ」です。この中央の部分が0.914mで、両端は軟式テニスと同じ1.06mとなっています。

ネットストラップがある理由は、歴史的背景による影響です。テニスが始まった当時はネットを真っ直ぐに張る技術がなく、中央がネットの重心で下がったままプレイしていました。ですので今も同じ条件でプレイするためにネットストラップを使用するようになったそうです。

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