スーパーやステーキ店で売っている牛肉。値段や特徴も様々です。たくさんの種類があり、どれにするか困ってしまうこともあるでしょう。今回はその中でもフィレとサーロインの違いについて解説していきます。どちらも高級なお肉の部位として知られているが、その特徴を説明できる人は少ないでしょう。この記事ではフィレとサーロインの違いを、部位や特徴を確認しつつ、料理好きライターの篠崎まおと一緒に解説していきます。

ライター/篠崎まお

漢字と慣用句が好きな文学部卒ライター。趣味はSNSを眺めることと料理。今まで得てきた知識をもとに、わかりやすい情報をお届けする。

違いその1.部位

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牛肉は部位の種類がとても多くなっています。牛の体重は約700キログラムあり、内臓や頭部などを除いた枝肉にしても400キログラム以上ある、とても大きな家畜だからです。それぞれに特徴があって、柔らかさや味わいも変わってきます。ここではフィレとサーロインが牛のどの部分なのかをみていきましょう。

フィレ:腰の下あたり

フィレは牛の腰の下あたりにある部位で、背骨の内側に位置します。サーロインの内側にある、大腰筋と呼ばれる筋肉です。運動してもあまり動かない部位なので、脂肪分が少なくヘルシー。ダイエット中に食べるのには最適ですね。

またフィレは牛一頭からたった3%しか取れないとても貴重な部位です。柔らかくて美味しいので需要がありますが取れる量が少ないため、希少価値の高い部位となっています。

サーロイン:腰肉

牛肉にあまり詳しくない人でも、サーロインならわかるという人は多いのではないでしょうか。サーロインは「牛肉の王様」といわれるほど人気の部位で、腰肉の部分を指します。牛一頭から取れる量はおよそ10キログラムで、フィレと同様、運動量の少ない部位です。

違いその2.味と特徴

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ここからはフィレとサーロインの味と特徴についてみていきます。味わいたいのが「肉々しい十分な歯応え」なのか、「とろけるような柔らかさ」なのかで選ぶ部位も変わってきますよね。特徴を知ることで自分の好みも知ることができます。購入する際にぜひ参考にしてみてください。

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フィレ:柔らかく脂肪が少ない

フィレは脂肪の少ない赤身肉で、きめ細やかで柔らかいのが特徴です。さっぱりしていますが肉の味は濃く、風味がよいのでステーキに向いています。脂が苦手な人でも美味しく食べられますね。しかし焼きすぎると硬くなってパサついてしまうので、注意が必要です。レアやミディアムで食べるのが良いでしょう。

また牛肉の中でも最も高級で希少ともいわれる「シャトーブリアン」はフィレの中心部から取れます。シャトーブリアンはフィレよりさらに柔らかく脂肪が少ないため、値段も高級です。牛一頭からおよそ600グラムしか取れません。

サーロイン:霜降りで香りや風味が良い

サーロインは脂肪が適度についていて、香りや風味が良い霜降り肉です。ジューシーで甘味が感じられ、柔らかくてキメが細かくなっています。ステーキにするのが一般的で、なぜなら形がよく塊を切り身にすると大きさが揃うためです。薄切りにして、しゃぶしゃぶやすき焼きに使われることもあります。

違いその3.語源

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ここからはフィレ、サーロインの語源を解説していきます。

フィレ:フランス語

フィレはお店によって書き方に違いがあります。「フィレ」「ヒレ」「ヘレ」などと呼ばれますが、お肉の種類や味に違いはありません。なぜ違いがあるかというと、地域によって呼び方が違うからです。方言と同じですね。

「フィレ」はフランス語で、ヒレとヘレの語源とされています。「フィレ肉」以外にも、「網目の」という意味もあるようです。また「ヒレ」は東日本で多く使われており、全国でみたときに一番一般的といえるでしょう。「ヘレ」は西日本を中心に呼ばれていて、特に大阪ではよく使われている表現です。

明治時代の日本人は「フィレ」と言うのが難しく、発音がしやすいように関東では「ヒレ」、関西では「ヘレ」と言うようになったと考えられています。

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サーロイン:イギリス国王の言葉が由来

サーロインの語源には2つの有名な説があります。肉の位置が由来という説と、王様の言葉が由来という説です。

肉の位置が由来という説から解説しましょう。サーロインは今では「sirloin」といいますが、14世紀のフランスでは「surlonge(シュールロンジュ)」といいました。「sur」が「上」、「longe」が「腰」という意味なので、「腰の上」となりますね。この「surlonge」が「surloigne」に変化したのち、現代の「sirloin(サーロイン)」が生まれたといわれています。

次に王様の言葉が由来という説です。とある夕食でサーロインの牛肉料理を食べたイギリスの国王が、その美味しさに感動し「サーの称号を与えよう」と言ったことからサーロインになったといわれています。腰肉は「ロイン」と呼ばれており、「サー(イギリスの騎士に与えられる栄誉称号の1つ)」と合わさってサーロインになりました。

ロースとの違い

ロース、フィレ、サーロインともに牛の肩から腰にかけての部位を指します。「ロイン」と呼ばれる部分です。ロースは「ロイン」の中でも肩寄りで、「肩ロース」と「リブロース」に分けられます。

「肩ロース」の中でも首側に近い肩ロースはやや筋があってかためで、中間部分やリブロースに近いほど柔らかいです。また「リブロース」は最も霜降り肉になりやすく、キメ細かく柔らかな良質な部位で、肉本来の味を堪能できます。

高級なのはどっち?

ここまでフィレとサーロインの違いを見てきましたが、高級なのはどっちなのでしょうか。結論、どちらも希少価値があるため高級です。しかしフィレの中心部にある「シャトーブリアン」は、牛肉の中でも最も希少性が高く、フィレ・サーロインに比べて値段が高くなっています。

好みに合わせて美味しく食べよう!

ここまでフィレとサーロインの違いをみてきました。どちらも腰あたりの部位で、柔らかい希少なお肉ということがわかりましたね。フィレは脂肪が少なくヘルシーなので脂が苦手な人に、サーロインは霜降りでジューシーなのでお肉をがっつり食べたいという人におすすめです。今までなんとなく選んできた人も、特徴を知ることによって選ぶのが楽しくなるでしょう。ぜひ自分の好みにあったお肉を見つけてみてください。

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雑学

3分で簡単にわかるフィレとサーロインの違い!高級なのはどっち?料理好きライターが詳しく解説

フィレ:柔らかく脂肪が少ない

フィレは脂肪の少ない赤身肉で、きめ細やかで柔らかいのが特徴です。さっぱりしていますが肉の味は濃く、風味がよいのでステーキに向いています。脂が苦手な人でも美味しく食べられますね。しかし焼きすぎると硬くなってパサついてしまうので、注意が必要です。レアやミディアムで食べるのが良いでしょう。

また牛肉の中でも最も高級で希少ともいわれる「シャトーブリアン」はフィレの中心部から取れます。シャトーブリアンはフィレよりさらに柔らかく脂肪が少ないため、値段も高級です。牛一頭からおよそ600グラムしか取れません。

サーロイン:霜降りで香りや風味が良い

サーロインは脂肪が適度についていて、香りや風味が良い霜降り肉です。ジューシーで甘味が感じられ、柔らかくてキメが細かくなっています。ステーキにするのが一般的で、なぜなら形がよく塊を切り身にすると大きさが揃うためです。薄切りにして、しゃぶしゃぶやすき焼きに使われることもあります。

違いその3.語源

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ここからはフィレ、サーロインの語源を解説していきます。

フィレ:フランス語

フィレはお店によって書き方に違いがあります。「フィレ」「ヒレ」「ヘレ」などと呼ばれますが、お肉の種類や味に違いはありません。なぜ違いがあるかというと、地域によって呼び方が違うからです。方言と同じですね。

「フィレ」はフランス語で、ヒレとヘレの語源とされています。「フィレ肉」以外にも、「網目の」という意味もあるようです。また「ヒレ」は東日本で多く使われており、全国でみたときに一番一般的といえるでしょう。「ヘレ」は西日本を中心に呼ばれていて、特に大阪ではよく使われている表現です。

明治時代の日本人は「フィレ」と言うのが難しく、発音がしやすいように関東では「ヒレ」、関西では「ヘレ」と言うようになったと考えられています。

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