感謝やお礼を伝えるときに「心遣い」や「気遣い」といった言葉がよく使われるのを目にするよな。どちらも意味は似ているが、言葉によって使い方に違いがあるみたいです。
今回はこの違いについて、言葉の使い方にこだわるビジネス文書熟練者の西風と一緒に解説していきます。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届けします。

「心遣い」と「気遣い」の違いとは?

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この2つはビジネスなどで、ていねいに感謝やお礼を伝えるときに使われる言葉です。しかし、「正確な違いがわからない」「適切に使い分けができない」という人も多いのではないでしょうか。この2つの違いを理解することで、相手や内容によって言葉を適切に使い分けられるようになり、ビジネスマナーも上達します。それでは、2つの違いについてくわしく見ていきましょう。

「心遣い」は心を使うこと

“心”は思いや内心といった意味をもつ漢字です。その“心”を使う「心遣い」は、心から思いやりをもって対応することを表しています。

「気遣い」は気を使うこと

“気”は、意識という意味を持つ漢字です。その“気”を使う「気遣い」は、頭や神経を使い、意識を相手に向けて対応することを表しています。

「心遣い」の意味や具体例

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ここから「心遣い」と「気遣い」の違いに着目してくわしく見ていきましょう。

「心遣い」の意味

「心遣い」を辞書でくわしく調べると、以下のように記載されています。

1.あれこれと気を配ること。心配り。配慮。「温かい―」
2.祝儀。心付け。「目をかけて、―もせし人を」〈人・梅児誉美・四

引用:デジタル大辞泉

\次のページで「「心遣い」の具体例」を解説!/

心から思いやりをもって対応するといった意味は1に該当します。一方で、2に明記されている通り、祝いの品や金銭も「心遣い」の意味の1つです。

「心遣い」の具体例

心から思いやりをもって対応する意味をもつ「心遣い」。以下のような行動が「心遣い」に該当します。

・会議資料を作成する自分のために、上司が資料作成のアドバイスをしてくれた
・お店から帰宅するとき雨が振り始めたので、お店の方がタクシーを呼んでくれた
・風邪をひいた自分を気遣い、同僚が風邪薬をもってお見舞いに来てくれた

いずれも相手のことを心から思いやっての行動であるため、「心遣い」に該当します。このような「心遣い」を受けた場合には、「お心遣いありがとうございます」などと感謝の意を伝えましょう。

「気遣い」の意味や具体例

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ここから「気遣い」についてくわしく見ていきます。

「気遣い」の意味

「気遣い」を辞書でくわしく調べると、以下のように記載されています。

1.あれこれと気をつかうこと。心づかい。「どうぞお―なく」
2.よくないことが起こるおそれ。懸念。「情報が漏れる―はない」

引用:デジタル大辞泉

\次のページで「「気遣い」の具体例」を解説!/

頭や神経を使って意識を相手に向けて対応する「気遣い」は1に該当します。意味の中に「心づかい」とあるため、辞書上の意味は「心遣い」とほぼ同じです。しかし、使うのが“心”か“気”か、といったニュアンスが異なります。

「気遣い」の具体例

頭や神経を使って意識を相手に向けて対応する「気遣い」。以下のような行動が「気遣い」に該当します。

・会議資料を作成する自分のために、上司が激励してくれた
・お店から帰宅するとき雨が振り始めたので、お店の人が「足元にお気をつけて」と一声かけてくれた
・風邪をひいた自分を気遣い、同僚が心配するメールをくれた

いずれも意識を向けて「気遣い」をしています。ここで「気遣い」の具体例を「心遣い」の具体例と比較してみましょう。すると、「心遣い」は「気遣い」を超えた、思いやりのある対応だとわかります。

「心配り」「気配り」との違い

「心遣い」や「気遣い」と似た言葉に「心配り」や「気配り」があります。これらの意味についてもくわしく見ていきましょう。

「心配り」の意味

「心配り」を辞書でくわしく調べると、以下のように記載されています。

\次のページで「「気配り」の意味」を解説!/

あれこれと気をつかうこと。心づかい。配慮。「温かい―」

引用:デジタル大辞泉

「心配り」は、現状起きていることに対して気を使うことです。ただし、漢字に“心”が使われていることから、特定の誰かのために思いやりをもって行動するといった意味で使われます。

「気配り」の意味

「気配り」を辞書でくわしく調べると、以下のように記載されています。

あれこれ気を使うこと。手抜かりがないように注意すること。心づかい。配慮。「―が行き届く」「会場の設営に―する」

引用:デジタル大辞泉

「気配り」もあれこれと気を使うことで、辞書上の意味は「心配り」と同様です。一方で、「気配り」は今後起こることに意識を巡らせ、物事がスムーズに進むように先回りして気をつける意味で使われます。

表現により行動の程度が異なると認識しよう

「心遣い」と「気遣い」の違いについてくわしく見てきました。2つとも配慮して行動するという意味ですが、言葉によって行動の程度が異なります。また、「心配り」や「気配り」も気を使い行動するといった意味は同じですが、とくに「気配り」は現在よりも先のことに意識を向けた対応であり、ニュアンスが異なることがわかりました。同じような言葉でもそれぞれ詳細な意味は異なる…くわしく調べるほどに日本語の面白さを感じずにはいられませんね。

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雑学

3分で簡単にわかる「心遣い」と「気遣い」の違い!意味や具体例・「心配り」「気配り」との違いもビジネス文書熟練者が解説!

感謝やお礼を伝えるときに「心遣い」や「気遣い」といった言葉がよく使われるのを目にするよな。どちらも意味は似ているが、言葉によって使い方に違いがあるみたいです。
今回はこの違いについて、言葉の使い方にこだわるビジネス文書熟練者の西風と一緒に解説していきます。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届けします。

「心遣い」と「気遣い」の違いとは?

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この2つはビジネスなどで、ていねいに感謝やお礼を伝えるときに使われる言葉です。しかし、「正確な違いがわからない」「適切に使い分けができない」という人も多いのではないでしょうか。この2つの違いを理解することで、相手や内容によって言葉を適切に使い分けられるようになり、ビジネスマナーも上達します。それでは、2つの違いについてくわしく見ていきましょう。

「心遣い」は心を使うこと

“心”は思いや内心といった意味をもつ漢字です。その“心”を使う「心遣い」は、心から思いやりをもって対応することを表しています。

「気遣い」は気を使うこと

“気”は、意識という意味を持つ漢字です。その“気”を使う「気遣い」は、頭や神経を使い、意識を相手に向けて対応することを表しています。

「心遣い」の意味や具体例

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ここから「心遣い」と「気遣い」の違いに着目してくわしく見ていきましょう。

「心遣い」の意味

「心遣い」を辞書でくわしく調べると、以下のように記載されています。

1.あれこれと気を配ること。心配り。配慮。「温かい―」
2.祝儀。心付け。「目をかけて、―もせし人を」〈人・梅児誉美・四

引用:デジタル大辞泉

\次のページで「「心遣い」の具体例」を解説!/

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