この記事では「能率」と「効率」の違いについてみていきます。2つとも仕事のはかどり具合を表すよく似た意味の言葉で、ビジネスシーンではもちろん日常的にもよく使う言葉ですね。違いはずばり「比較する対象」であり、明確に使い分けることが必要なんです。今回は異なる意味を持っているが混同しやすい「能率」と「効率」の違いを、意味をしっかりと確認しつつ、文学好きの主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。

「能率」と「効率」の違いとは?

「能率」と「効率」、どちらも日常的によく使う言葉ですが2つの違いをご存知でしょうか。2つとも仕事のはかどり具合を表す言葉で、意味も使われる場面もよく似ていて使い分けが難しいですよね。ざっくりというと、2つの違いは「比較する対象」。「能率」は一定時間にできる仕事の割合、「効率」は労力に対する成果の割合を表します。それでは、詳しく見ていきましょう。

「能率」の意味

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「能率」には次のような意味があります。

1.一定時間内にできる仕事の割合。仕事のはかどり方。
2.物理学で、モーメントのこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「のうりつ【能率】」

「能率」とは、ある定められた時間内でできる仕事の割合のこと。例えば、A社が1時間で製品を100個作り、B社が同じく1時間で製品を200個作ることができる場合、B社の方が能率がよいということです。この場合、かかったコストや労力などは考えず、絶対的な仕事量のみを比較します

「能率」の使い方

「能率」はそのまま使うことも多いですが、「能率的」という形容動詞として使うこともよくあります。次に、用例をいくつかみていきましょう。

\次のページで「「効率」の意味」を解説!/

新しい機械を導入したことにより、能率が2倍に上がった。
彼は仕事の能率はよいが、ミスが多いのが欠点だ。
コストがかかったとしても、より能率的な方法を採用しよう。

「効率」の意味

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「効率」には次のような意味があります。

1.機械などの、仕事量と消費されたエネルギーとの比率。
2.使った労力に対する、得られた成果の割合。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「こうりつ【効率】」

「効率」とは、使った労力やコストに対して得られる成果の割合のこと。例えば、A社が10人のスタッフで製品を100個作ることができ、B社が5人のスタッフで同製品を100個作ることができる場合、B社の方が効率がよいということです。

「効率」の使い方

「効率」も「能率」と同様、そのまま使うことも多いですが、「効率的」という形容動詞として使うこともあります。次に用例をいくつかみていきましょう。

仕事の効率を高めるためには適度な休息も必要だ。
便利な家電が数多く登場したため、以前よりも家事の効率が上がった。
効率的な投資を行うことで、業績を上げることができた。

\次のページで「「能率」がよい=「効率」もよい?」を解説!/

「能率」がよい=「効率」もよい?

「能率」が一定時間での仕事量のみを基準として考えるのに対して、「効率」は要するコストや労力などさまざまな要素を考慮する必要があります。そのため、「能率」のよさと「効率」のよさは必ずしも一致するとは限りません

例えば、A社では10人のスタッフが1時間で製品を100個作っており、B社では20人のスタッフが1時間で150個の製品を作っているとしましょう。この場合、1時間で作られる製品の数が多いのはB社なので、B社の方が「能率の良い」会社であるといえますね。一方、1人が1時間で作ることができる製品の数はA社の方が多いので、A社のほうが「効率の良い」会社であるということができます。

「生産性」との違いは?

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「能率」や「効率」と似た意味で使われるのが「生産性」という言葉です。違いは「生産性」は「貢献度」を表す言葉だということ。また、「能率」や「効率」は「良い/悪い」で表されるのに対し、「生産性」は「高い/低い」で表します。それでは、意味と使い方を詳しく確認していきましょう。

「生産性」の意味

「生産性」には、次のような意味があります。

生産過程に投入される生産要素が生産物の産出に貢献する程度。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「せいさんせい【生産性】」

辞書の意味は少し難しいですが、簡単にいうと「投入した資源(労働力や材料など)が生産物(商品や成果など)を生み出すためにどれだけ貢献したか」ということ。インプット量と成果によって判断されます

\次のページで「「生産性」の使い方」を解説!/

「生産性」の使い方

生産性の例文をいくつかみてみましょう。

あの会社では新しいシステムを導入したことにより生産性が向上した。
生産性を高めるために従業員の休憩時間を減らしたが逆効果だった。
この会議には生産性がないので、早めに切り上げよう。

「能率」と「効率」の違いは「比較対象」に注目!

「能率」と「効率」の違いは「何と何を比較するか」ということ。「能率」は一定時間内での仕事量、「効率」はコストに対する成果というのがポイントなので押さえておきましょう。「能率」と「効率」は似ているようで使い分けが必要な言葉です。特にビジネスにおいては「能率」を上げたいのか、「効率」を上げたいのかによってすべきことが変わってくる場合もあります。意味を正しく理解して場合に応じて使い分けができるようにしておきましょう。

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3分で簡単にわかる!「能率」と「効率」の違い!「生産性」との違いも主婦ライターが詳しくわかりやすく解説

この記事では「能率」と「効率」の違いについてみていきます。2つとも仕事のはかどり具合を表すよく似た意味の言葉で、ビジネスシーンではもちろん日常的にもよく使う言葉ですね。違いはずばり「比較する対象」であり、明確に使い分けることが必要なんです。今回は異なる意味を持っているが混同しやすい「能率」と「効率」の違いを、意味をしっかりと確認しつつ、文学好きの主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。

「能率」と「効率」の違いとは?

「能率」と「効率」、どちらも日常的によく使う言葉ですが2つの違いをご存知でしょうか。2つとも仕事のはかどり具合を表す言葉で、意味も使われる場面もよく似ていて使い分けが難しいですよね。ざっくりというと、2つの違いは「比較する対象」。「能率」は一定時間にできる仕事の割合、「効率」は労力に対する成果の割合を表します。それでは、詳しく見ていきましょう。

「能率」の意味

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「能率」には次のような意味があります。

1.一定時間内にできる仕事の割合。仕事のはかどり方。
2.物理学で、モーメントのこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「のうりつ【能率】」

「能率」とは、ある定められた時間内でできる仕事の割合のこと。例えば、A社が1時間で製品を100個作り、B社が同じく1時間で製品を200個作ることができる場合、B社の方が能率がよいということです。この場合、かかったコストや労力などは考えず、絶対的な仕事量のみを比較します

「能率」の使い方

「能率」はそのまま使うことも多いですが、「能率的」という形容動詞として使うこともよくあります。次に、用例をいくつかみていきましょう。

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