ニュースや新聞を見ていると、「違法」や「犯罪」といった言葉をよく目にするよな。どちらも意味は似ているが、言葉によって表す内容に違いがあるみたいです。
今回はこの違いについて、言葉の使い方にこだわるビジネス文書熟練者の西風と一緒に解説していきます。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届けします。

「違法」と「犯罪」の違いとは?

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この2つは何かしら悪いことをしたときに使われ、ニュースや新聞で見かけることが多い言葉です。しかし、「正確な違いがわからない」「適切に使い分けができない」という人も多いのではないでしょうか。

この2つの違いを理解することで、ニュースや新聞を見るときに内容がより理解できるようになります。とくに事件性の高い内容を見るときに役立つでしょう。それでは、2つの違いについてくわしく見ていきましょう。

「違法」は法律を破ってしまった行為

“違”は従わない・そむくことを、“法”は法律を表す漢字です。この2つが組み合わされた「違法」は、法律に従わない・そむく行為を表しています。

「犯罪」は刑事罰に該当する行為

“犯”は掟やルールを破ることを、“罪”は法にそむいた行いや悪いこと・刑罰を表す漢字です。この2つが組み合わされた「犯罪」は、法にそむき刑事罰に該当する行為を表しています。

「違法」の意味や具体例

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ここから「違法」と「犯罪」の違いに着目してくわしく見ていきましょう。

「違法」の意味

「違法」を辞書でくわしく調べると、以下のように記載されています。

法律・規定などにそむくこと。また、その行為。「―駐車」⇔適法

引用:デジタル大辞泉

\次のページで「「違法」の具体例」を解説!/

「違法」の具体例

「違法」は法律に従わない・そむく行為です。「違法」な行為には、以下のような具体例があげられます。

・未成年の喫煙:未成年者喫煙禁止法第1条に20産未満の喫煙禁止が明記
・未成年の飲酒:未成年者飲酒禁止法第1条に20歳未満の飲酒禁止が明記
・未成年と知りながらタバコを販売:未成年者喫煙禁止法第5条に罰金刑が明記
・未成年と知りながら酒を販売・提供:未成年者飲酒禁止法第3条に罰金刑が明記

いずれも「違法」な行為ですが、下2つの具体例は後述の「犯罪」にも該当します。

「犯罪」の意味や具体例

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ここから「犯罪」についてくわしく見ていきます。

「犯罪」の意味

「犯罪」を辞書でくわしく調べると、以下のように記載されています。

1.罪をおかすこと。また、おかした罪。「―を防ぐ」「完全―」
2.刑法その他の刑罰法規に規定する犯罪構成要件に該当する有責かつ違法な行為。

引用:デジタル大辞泉

2にある「有責」とは、責任があるという意味です。通常であれば「犯罪」に該当する行為をしたとしても、心神喪失状態などで責任能力がないと判断されれば「犯罪」にはならないことが記載されています。

\次のページで「「犯罪」の具体例」を解説!/

「犯罪」の具体例

違法行為の内、刑事罰に該当する行為が「犯罪」です。「犯罪」には以下のような具体例があげられます。

・他人の物やお金を盗む:刑法第235条に窃盗罪として十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金が明記
・オレオレ詐欺などの特殊詐欺:刑法246条に詐欺罪として10年以下の懲役が明記

この具体例以外にも、前述の「違法の具体例」で記載した下2つも「犯罪」に該当します。いずれも懲役や罰金といった刑事罰があるのが特徴です。

「違反」との違い

「違法」や「犯罪」と似た言葉に「違反」もあります。ここからは「違反」についてくわしく見ていきましょう。

「違反」の意味

「違反」を辞書でくわしく調べると、以下のように記載されています

法規・協定・契約などにそむくこと。違背。「ルールに―する」「選挙―」

引用:デジタル大辞泉

\次のページで「「違反」の具体例」を解説!/

「違反」はルールにそむことを意味する言葉です。ルールとは法律だけでなく、独自に設定したものも含みます。

「違反」の具体例

「違反」はルールにそむことを意味するため、「違法」や「犯罪」も「違反」に含まれることがわかります。それ以外にも、以下の具体例のような独自設定したルールにそむことも「違反」です

・寝坊したので朝ごはん抜き:「寝坊したら朝ごはん抜き」というルールにそむいた状態
・遅刻したのでお小遣い減額:「遅刻したらお小遣い減額」というルールにそむいた状態

尚、車で速度超過したことを「スピード違反」と呼びますが、こちらは独自のルールにそむいた行為ではありません。道路交通法を破った「違法」な行為であり、場合によっては「犯罪」になるので注意しましょう。

「違法」の中に「犯罪」が内包されると認識しよう

「違法」と「犯罪」の違いについてくわしく見てきました。2つとも法律にそむいた行為であることは同じですが、言葉によって刑罰が関係するなど重みが異なります。また、「違反」は「違法」や「犯罪」をすべて内包する、より広義の意味をもつ言葉ということもわかりました。同じような言葉でもそれぞれ詳細な意味は異なる…くわしく調べるほどに日本語の面白さを感じずにはいられませんね。

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雑学

3分で簡単にわかる「違法」と「犯罪」の違い!意味や具体例・「違反」との違いもビジネス文書熟練者が解説!

ニュースや新聞を見ていると、「違法」や「犯罪」といった言葉をよく目にするよな。どちらも意味は似ているが、言葉によって表す内容に違いがあるみたいです。
今回はこの違いについて、言葉の使い方にこだわるビジネス文書熟練者の西風と一緒に解説していきます。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届けします。

「違法」と「犯罪」の違いとは?

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この2つは何かしら悪いことをしたときに使われ、ニュースや新聞で見かけることが多い言葉です。しかし、「正確な違いがわからない」「適切に使い分けができない」という人も多いのではないでしょうか。

この2つの違いを理解することで、ニュースや新聞を見るときに内容がより理解できるようになります。とくに事件性の高い内容を見るときに役立つでしょう。それでは、2つの違いについてくわしく見ていきましょう。

「違法」は法律を破ってしまった行為

“違”は従わない・そむくことを、“法”は法律を表す漢字です。この2つが組み合わされた「違法」は、法律に従わない・そむく行為を表しています。

「犯罪」は刑事罰に該当する行為

“犯”は掟やルールを破ることを、“罪”は法にそむいた行いや悪いこと・刑罰を表す漢字です。この2つが組み合わされた「犯罪」は、法にそむき刑事罰に該当する行為を表しています。

「違法」の意味や具体例

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ここから「違法」と「犯罪」の違いに着目してくわしく見ていきましょう。

「違法」の意味

「違法」を辞書でくわしく調べると、以下のように記載されています。

法律・規定などにそむくこと。また、その行為。「―駐車」⇔適法

引用:デジタル大辞泉

\次のページで「「違法」の具体例」を解説!/

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