この記事では豆とナッツの違いについてみていきます。この2つはどちらも食用とされる植物の種。その定義を知らない人は多いはずです。その証拠に「ナッツ」ではないジャイアントコーンや「豆」ともいえるピーナッツが「ミックスナッツ」に入っているんです。そんな両者の見分け方やアレルギーについて、農学を専攻したライター2scと一緒に比較していくぞ!

ライター/2sc

大学で生物を極め、農学士を得た理系ライター。フィールドワークで培った動植物の知識に、強い自信を持つ。「生物のおもしろさ」を広めるべく、日々奮闘中。

豆とナッツは定義が違う

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はじめに豆とナッツの厳密な定義について確認しましょう。以下を読むだけで、豆と比べてあいまいなナッツの定義が簡単に理解できますよ。

豆はマメ科植物の種子

「豆」とは本来マメ科植物の種子を指す言葉です。大豆そら豆いんげん豆などが代表的な豆として知られています。豆は世界中で古くから栽培されてきた作物。豆の多くは炭水化物タンパク質など、様々な栄養を含みます。そのため食品成分表では、豆の大半を他の作物と区別して「豆類」と表記。英語圏でも「ビーン」としてやはり区別されます。

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ナッツは幅広い種子を指す

一方「ナッツ」硬い殻で覆われた種子全般を指します。マメ科の種子に限定される「豆」とは違い「ナッツ」と呼ばれる種子は特定のグループ限られません。代表的なナッツとしてカシューナッツピーナッツアーモンドなどが知られています。

食品成分表ではナッツを「種実類」として表記。同じく種子を利用する「豆類」とは明確に区別されます。次の項目にて、豆とナッツの具体的な違いについてみていきましょう。

豆とナッツが具体的に違う点

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定義が異なる豆とナッツには、3つの具体的な違いが存在。その違いを理解するだけで、両者を見分けることができます。

\次のページで「その1.種子」を解説!/

その1.種子

豆とナッツはともに種子食用とします。しかし種子の周り違いが存在。ナッツ硬い殻に覆われているのに対し、の周りを覆っているのは柔らかい「さや」なのです。

その2.栄養素

豆とナッツはそれぞれ含んでいる栄養素が異なります。豆はおもに炭水化物を多く含む作物。そのため穀物・イモと並んで世界中で広く栽培されています。一方ナッツが多く含んでいる栄養素は脂質です。とくにコレステロール値・血圧の改善に効果をもつ不飽和脂肪酸が豊富。そのためナッツはダイエットに欠かせない食品なのです。

その3.調理法

豆の料理法はナッツに比べて特殊です。生の豆食用であっても有毒で、食中毒を引き起こすタンパク質を多く含みます。この有毒タンパク質は熱に弱いため、豆を入念に茹でることで無毒化が可能。市販の豆の多くが水茹でされているのはこの下処理のためです。一方下茹でが不要なナッツでは、おもに乾燥させたものが流通しています。

豆やナッツを食べるときに気をつけたいこと

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ここでは豆とナッツのアレルギーや毒性について解説していきます。豆・ナッツに含まれる特定の成分は少量でも重度アレルギーや食中毒を引き起こすため注意が必要です。

どちらもアレルギーを起こしやすい

豆とナッツはどちらもアレルギーを引き起こす食品。とくに大豆とピーナッツ、クルミのアレルギーでは致命的アナフィラキシーショックを発症することもあり危険です。

これらの豆・ナッツは「特定原材料」またはそれに準ずるものとして食品に表記されています。ですが飲食店ではしばしば、特定原材料への注意喚起がなされません。なかでもピーナッツ・クルミ中華料理や沖縄料理に多用される食材ですのでご注意ください。

毒入りナッツも存在

ピーナッツピスタチオなどナッツの一部は猛毒をもちます。ナッツ本体ではなく、そこに発生したカビの毒素極めて危険なのです。その成分はアフラトキシンという強い発がん性をもつ物質。調理しても分解されないこのカビ毒は、肝臓にて肝炎・肝臓がんを引き起こします。

そのため市販のナッツは世界的に厳しいカビ毒の検査がなされており、安全です。しかし万が一カビの生えたナッツを見つけた場合は袋ごと廃棄しましょう。

適量を食べて健康になろう!

豆とナッツは高い栄養価をもつため、筋トレやダイエットの味方として広く愛されています。ですがいくら健康食品といえど、食べ過ぎは厳禁。タンパク質や不飽和脂肪酸も、摂りすぎると肥満につながります。他の食材と一緒に、バランスよく栄養を摂って健康を目指しましょう!

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雑学

簡単でわかりやすい!豆とナッツの違いとは?見分け方やアレルギーについて農学専攻ライターが詳しく解説

この記事では豆とナッツの違いについてみていきます。この2つはどちらも食用とされる植物の種。その定義を知らない人は多いはずです。その証拠に「ナッツ」ではないジャイアントコーンや「豆」ともいえるピーナッツが「ミックスナッツ」に入っているんです。そんな両者の見分け方やアレルギーについて、農学を専攻したライター2scと一緒に比較していくぞ!

ライター/2sc

大学で生物を極め、農学士を得た理系ライター。フィールドワークで培った動植物の知識に、強い自信を持つ。「生物のおもしろさ」を広めるべく、日々奮闘中。

豆とナッツは定義が違う

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はじめに豆とナッツの厳密な定義について確認しましょう。以下を読むだけで、豆と比べてあいまいなナッツの定義が簡単に理解できますよ。

豆はマメ科植物の種子

「豆」とは本来マメ科植物の種子を指す言葉です。大豆そら豆いんげん豆などが代表的な豆として知られています。豆は世界中で古くから栽培されてきた作物。豆の多くは炭水化物タンパク質など、様々な栄養を含みます。そのため食品成分表では、豆の大半を他の作物と区別して「豆類」と表記。英語圏でも「ビーン」としてやはり区別されます。

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