この記事ではハタとクエの違いについてみていきます。2つとも非常に美味な魚で大物釣りの対象として人気です。とくにハタの仲間であるマハタは「マグロを超える幻の高級魚」としてしばしばクエと比較される。この記事ではそんなハタとクエの違いや見分け方、料理法について大学で生物学を学んだライター2scと一緒にみていくぞ!

ライター/2sc

生物学をこよなく愛するライター。大学では節足動物である、昆虫の生態について研究していた。生き物の分類から、見分け方まで「濃い」知識をわかりやすく解説していく。

ハタとクエを大まかに比較

image by iStockphoto

ハタとクエは、見た目が似ていることから生息地にてしばしば混同されます。ここではハタとクエの図鑑での分類に注目して両者を比較。以下を読めば、ハタとクエがそれぞれどういった魚であるか理解できます。

クエは「ハタ」の一種

「ハタ」とはスズキ目ハタ科ハタ亜科に属する白身魚の総称で、魚の種名ではありません。そのためマハタやキジハタなど、さまざまなハタが存在するのです。多くのハタは美味であることから、食用魚としての利用が盛ん。その希少性から各国高級魚として知られています。

そしてこのハタの一種で、とりわけ希少な種こそがクエ。「クエ食ったら他の魚食えん」という駄洒落が生まれるほどに、優れた食味をもつ高級魚です。

マハタとクエは似ている

クエはしばしば、見た目が似ている他のハタと比較されます。とくに代表的なハタであるマハタは、クエによく似た魚。両者は「アラ」や「マス」、「モロコ」など共通の地方名で呼ばれ、混同されています。またマハタがクエに劣らず美味な魚である、ということも両者が混同される原因でしょう。以下両者を区別するうえでの、いくつかの違いについて解説していきます。

マハタとクエで違う点は3つ

image by iStockphoto

マハタとクエは、ハタの中でも大型の種。両者ともに非常に美味であるため、大物釣りのターゲットとして高い人気を誇ります。ここではマハタとクエの、3つの違いについてみていきましょう。

\次のページで「違い1.体色と模様」を解説!/

違い1.体色と模様

マハタとクエの体色はともに褐色基調ですが、マハタより赤みの強い色をしています。近い色を挙げるとマハタは「小豆色」で、クエは「茶色」です。さらに体の模様に注目すると、両者の違いがよくわかります。マハタは体に対して垂直に流れるきれいな横縞模様が特徴的。一方クエの模様は頭側の2本が、頭に向かってななめに流れます。

違い2.体格

ただマハタ・クエともに大型の個体黒みが強く模様の薄い体をもつため、先述の方法では見分けられません。とくに1m超えのマハタは「カンナギ」と別名で呼ばれるほどに見た目が違います。大型の個体を見分ける場合は体格に注目しましょう。クエはマハタに比べて体高が低く、シャープな体つきをしています。

違い3.希少性と価格

マハタとクエはどちらも「マグロを超える高級魚」であるとされます。両者ともに天然モノは極めて希少。マハタ・クエは磯の岩陰に潜んでいるため、滅多と水揚げされません。一方養殖モノではクエのほうがより高級。その原因は両者の成長速度の違いにあります。クエはハタ亜科の中でも成長が遅く出荷までにマハタの2倍ほど時間がかかるのです。

ハタの食べ方は?

image by iStockphoto

味が良いと評判のクエですが、他のハタも引けをとりません。ハタの透き通った白身には、コラーゲンが多く含まれています。食通をもうならせるハタの旬や食べ方について、以下みていきましょう!

クエ以外にも!おいしいハタの仲間

ハタ亜科の魚は東アジアで広く人気の高級魚。日本ではマハタ・クエ以外にも、アカハタキジハタなど小型のハタが食用とされています。また中華料理にもハタは欠かせません。ハタを一匹丸ごと蒸した「清蒸石斑魚」は香港を代表する高級料理。現地ではサラサハタスジアラが珍重されています。

\次のページで「ハタの旬や食べ頃」を解説!/

ハタの旬や食べ頃

ハタの仲間は年中を通して美味。ただ産卵後のメスは身が痩せるようです。ハタ亜科の多くの種は、雌性先熟型の性転換を行います。そのため卵を産むのは小柄な若い個体。一方大柄な老成魚はオスとして振る舞うのです。老成魚はより美味であるとされ、その希少性から高値で取引されます。

おすすめのハタ料理

ハタの仲間に適しているのは、鍋料理煮付けなどの加熱調理。コラーゲンと脂が溶け出した濃厚なスープが楽しめますよ。残った「あら」も、お吸い物の出汁として活用しましょう。また新鮮なハタは生食が可能。刺身にすると、弾力のある歯応えが楽しめます。ハタは鮮度の低下が速いので、日持ちさせたい場合には味噌漬けまたは、かす漬けにしましょう。

クエ食ったら他のハタも食え!

クエに限らず、多くのハタは非常に美味な魚。煮付けや鍋、刺身など幅広い料理に向きます。頭や骨からも、よい出汁がとれるので余すところなく活用できますよ。ただハタは鮮度が命の魚。スーパーの鮮魚コーナーに並ぶことは稀です。漁港の魚市場でハタを見かけた場合は、迷わず購入することをおすすめします。

" /> 簡単でわかりやすい!ハタとクエの違いとは?見分け方や味についても生物学専攻ライターが詳しく解説 – Study-Z
雑学

簡単でわかりやすい!ハタとクエの違いとは?見分け方や味についても生物学専攻ライターが詳しく解説

この記事ではハタとクエの違いについてみていきます。2つとも非常に美味な魚で大物釣りの対象として人気です。とくにハタの仲間であるマハタは「マグロを超える幻の高級魚」としてしばしばクエと比較される。この記事ではそんなハタとクエの違いや見分け方、料理法について大学で生物学を学んだライター2scと一緒にみていくぞ!

ライター/2sc

生物学をこよなく愛するライター。大学では節足動物である、昆虫の生態について研究していた。生き物の分類から、見分け方まで「濃い」知識をわかりやすく解説していく。

ハタとクエを大まかに比較

image by iStockphoto

ハタとクエは、見た目が似ていることから生息地にてしばしば混同されます。ここではハタとクエの図鑑での分類に注目して両者を比較。以下を読めば、ハタとクエがそれぞれどういった魚であるか理解できます。

クエは「ハタ」の一種

「ハタ」とはスズキ目ハタ科ハタ亜科に属する白身魚の総称で、魚の種名ではありません。そのためマハタやキジハタなど、さまざまなハタが存在するのです。多くのハタは美味であることから、食用魚としての利用が盛ん。その希少性から各国高級魚として知られています。

そしてこのハタの一種で、とりわけ希少な種こそがクエ。「クエ食ったら他の魚食えん」という駄洒落が生まれるほどに、優れた食味をもつ高級魚です。

マハタとクエは似ている

クエはしばしば、見た目が似ている他のハタと比較されます。とくに代表的なハタであるマハタは、クエによく似た魚。両者は「アラ」や「マス」、「モロコ」など共通の地方名で呼ばれ、混同されています。またマハタがクエに劣らず美味な魚である、ということも両者が混同される原因でしょう。以下両者を区別するうえでの、いくつかの違いについて解説していきます。

マハタとクエで違う点は3つ

image by iStockphoto

マハタとクエは、ハタの中でも大型の種。両者ともに非常に美味であるため、大物釣りのターゲットとして高い人気を誇ります。ここではマハタとクエの、3つの違いについてみていきましょう。

\次のページで「違い1.体色と模様」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: