この記事では動画コーデックの「H.264」と「H.265」の違いについてみていきます。YouTubeだけでなく、動画ファイルを作成する場面が増えているが、高画質な動画ほどサイズが大きくなるよな。そんなときに登場するのが「H.265」です。今回はそんな「H.265」と「H.264」の違いや特徴、注意点について、ガジェット好きシステムエンジニアのよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

動画コーデックとは

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動画作成を語る上で欠かせないのがコーデックです。コーデックは動画の画質やファイルサイズだけでなく、再生環境にも関わる重要な要素なので、しっかり解説していきましょう。

動画の書き出し時や再生時に使われるソフトウェアのこと

動画ファイルがどうやって作られ、どうやって再生されているかご存知でしょうか。コーデックとは動画ファイルは書き出しや再生時に使われるソフトウェアや機器のことを指します。

動画を書き出す、つまりエンコードする際にコーデックを活用することで、サイズの圧縮や画質を決めてパッケージング。そして動画を再生、つまりデコードする際には、エンコード時に使用したコーデックと同じものを使用して再生できる形式に復元し、動画が再生されます。

コーデックの種類で画質とサイズが決まる

動画コーデックは現在主流の「H.264(MPEG-4 AVC)」を筆頭に、「H.265(MPEG-H HEVC)」や「Xvid」「DivX」など他にも多くの種類があります。そのためコーデックごとに圧縮率や画質が違い、動画を再生する環境(再生ソフトやプラットフォーム)に応じて適切に使い分けることが必要です。

たとえばいくら画質が良くても世の中に浸透していないコーデックでは再生できる環境が極めて少なくなってしまうでしょう。

「H.264」と「H.265」の違い

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動画コーデックとしていま主流なのが「H.264(MPEG-4 AVC)」です。そしてその後継として登場した「H.265(MPEG-H HEVC)」について、それぞれ特徴や違いを解説します。

\次のページで「H.264:汎用性が高く、最もポピュラーなコーデック」を解説!/

H.264:汎用性が高く、最もポピュラーなコーデック

H.264はYouTubeを始めとした動画配信サイトや企業のWebサイト等で利用されており、現在最もポピュラーなコーデック。その特徴はわかりやすく、軽量かつ高画質です

また多くの場面でH.264が利用されるようになった今では、普及率も大きな特徴となっており、様々な動画再生環境のユーザーに対して、複数コーデックで書き出しする必要もなくなるため、動画作成側と利用側、双方の利便性が大きく向上しています。

H.265:H.264の上位版で圧縮率と画質が向上

H.265はH.264の後継として開発されたコーデックです。その特徴はまさにH.264の上位版。圧縮率はH.264の2倍、さらに画質もH.264は4K/60fpsだったのに対し、8K/300fpsまで対応しました。つまりH.264と同等の画質なのに半分の動画サイズで書き出しができるのです。

すでに一部企業サイトなどではH.265に対応し始めているところもあり、今後はH.265が主流になっていくことが予想されます。

「H.265」で動画を圧縮するときの注意点

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H.264の上位版であるH.265ですが、サイズも小さくて画質も良いなんてメリットばかりではありません。特に利用環境に注意が必要なので、解説していきます。

書き出しも再生もH.265対応のアプリが必要

H.265を利用するためには、対応した書き出し環境や再生環境が必要です。特に多くの人に配布する場合は再生環境が重要で、何か動画ファイルを配布した際に再生アプリに制約があるのは利便性を大きく損ねます

その点、普及しているH.264であればWindows Media Playerなど標準アプリで再生できることから、多くの利用者に向けて配布するような状況においてはH.265は未だ適さないと考えるべきでしょう。

H.264と比べてPCの要求スペックが高い

H.265の制約の一つとして、要求されるPCスペックが高い点があげられます。動画作成の際にはH.264と比べてH.265は数倍、環境によっては10倍以上エンコードの時間が必要です。GPUエンコードにすれば多少改善されますが、それでもH.264と比較したら相当な時間を要します。

また、再生する際にもH.264と比べてH.265は2倍以上、端末に負荷がかかることもあり、ハードウェアの観点からも利便性を悪くしてしまっていると言えるでしょう。

\次のページで「汎用性の高いH.264を使えば問題なし!」を解説!/

汎用性の高いH.264を使えば問題なし!

コーデックの性能だけ比較するとH.265がとても魅力的に見えますが、利用シーンを想定した場合はH.264のほうが断然便利です。特にエンコード時間は動画作成する際にはとても重要で、エンコード中はパソコンが専有されるため可能な限り短時間であることが大事になります。そのため、H.265指定の条件でない限り、当面はH.264を選定するべきでしょう。

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雑学

3分で簡単にわかる!動画コーデック「H.264」と「H.265」の違いとは?各コーデックの特徴や注意点をガジェット好きシステムエンジニアがわかりやすく解説

この記事では動画コーデックの「H.264」と「H.265」の違いについてみていきます。YouTubeだけでなく、動画ファイルを作成する場面が増えているが、高画質な動画ほどサイズが大きくなるよな。そんなときに登場するのが「H.265」です。今回はそんな「H.265」と「H.264」の違いや特徴、注意点について、ガジェット好きシステムエンジニアのよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

動画コーデックとは

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動画作成を語る上で欠かせないのがコーデックです。コーデックは動画の画質やファイルサイズだけでなく、再生環境にも関わる重要な要素なので、しっかり解説していきましょう。

動画の書き出し時や再生時に使われるソフトウェアのこと

動画ファイルがどうやって作られ、どうやって再生されているかご存知でしょうか。コーデックとは動画ファイルは書き出しや再生時に使われるソフトウェアや機器のことを指します。

動画を書き出す、つまりエンコードする際にコーデックを活用することで、サイズの圧縮や画質を決めてパッケージング。そして動画を再生、つまりデコードする際には、エンコード時に使用したコーデックと同じものを使用して再生できる形式に復元し、動画が再生されます。

コーデックの種類で画質とサイズが決まる

動画コーデックは現在主流の「H.264(MPEG-4 AVC)」を筆頭に、「H.265(MPEG-H HEVC)」や「Xvid」「DivX」など他にも多くの種類があります。そのためコーデックごとに圧縮率や画質が違い、動画を再生する環境(再生ソフトやプラットフォーム)に応じて適切に使い分けることが必要です。

たとえばいくら画質が良くても世の中に浸透していないコーデックでは再生できる環境が極めて少なくなってしまうでしょう。

「H.264」と「H.265」の違い

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動画コーデックとしていま主流なのが「H.264(MPEG-4 AVC)」です。そしてその後継として登場した「H.265(MPEG-H HEVC)」について、それぞれ特徴や違いを解説します。

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