この記事では「ハイレゾ音源」と「CD音源」の違いについてみていきます。音楽ストリーミングサービスでも少しずつ増えている「ハイレゾ音源」ですが、これまで主流だったCDとは、音質や用意する環境などいくつか違いがあるみたいです。今回はそんな「ハイレゾ音源」について、「CD音源」との違いや楽しむための注意点を、ガジェット好きシステムエンジニアのよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

デジタル音源の仕組み

image by iStockphoto

CDやストリーミングサービスなどに代表されるデジタル音源とは、そもそもどういう仕組みで作られているのでしょうか。生音がデジタルになる方法や、音質に関わるビットレートについて解説します。

生音を細分化することでデジタル音源となる

音の正体が波(音波)であることはきっとご存知でしょう。生音とはつまり音波そのもので、滑らかな連続する波によって作り出されています。ではその生音がデジタル化されたとき、どのような形になるでしょうか。

正解は、生音の原型である波が階段状に細分化され、その情報を圧縮することでデジタル音源が生成されます。このデジタル音源は再生する際にまた波形に戻すことで、人間の耳で聴くことが可能です。

ビットレートで音質に差が生まれる

デジタル音源の音質にはビットレートが大きく関与します。ビットレートとは、デジタル音源が細分化される際の細かさのことです。単位はbps(ビット/秒)で、1秒間に何ビットの情報が詰め込まれているかを表します。この情報量が多いほど、つまり高ビットレートであるほど高音質なデジタル音源と言えるのです。

ただし高ビットレートになればなるほど情報量が多くなるため、データサイズも比例して大きくなります。レコーディングの現場などデータサイズを気にしない場合は問題ないですが、日常で音楽を聴く場面ではデータサイズにも注意するべきです。

「CD音源」と「ハイレゾ音源」の違い

image by iStockphoto

これまで音楽業界の主流だったCDですが、ストリーミングサービスの登場により売上は低下。さらにストリーミングでのハイレゾ音源の登場により、CDは音質の観点でも苦境に立たされています。「CD音源」と「ハイレゾ音源」にはどんな違いがあるのでしょうか。

\次のページで「CD音源:デジタル音源の代表格」を解説!/

CD音源:デジタル音源の代表格

レコードの時代に登場したCDは、音楽のデジタル化を牽引するものとなりました。CDの音質はモノラルで705.6kbps(44.1kHz/16bit)とされており、デジタル音源のコーデックとして主流のMP3の最高音質がステレオ320kbpsであることを考えれば高音質と言えるでしょう。またレコードと比較してサイズも小さく、テープやMDへのダビングも可能であることから、日常的に音楽を聴く文化の一翼を担いました。

一方でレコーディングの際に可聴域外の音を消去したり、ノイズ除去などの処理を行うことで音質が劣化してしまい、臨場感や空気感が薄れていると感じるオーディオファンも少なくありませんでした。

ハイレゾ音源:空気感も伝わる高解像度デジタル音源

いかに生音に近づけることができるか研究開発を重ねた結果、ハイレゾ音源が登場します。その音質は最大4608kbps(192kHz/24bit)であり、CDの約6.5倍です。高ビットレート化することで、これまで削られていた可聴域外の音を収録することができ、録音環境の臨場感や空気感、ボーカルの息継ぎの繊細さなどを高解像度で感じることができるようになりました。

また、データサイズが大きくなることで、ストリーミングサービス利用時には通信環境を考慮する必要がありますが、一部サービスでは端末へのデータダウンロードによってデータサイズが大きくなる問題を回避しています

「ハイレゾ音源」を聴くときの注意点

image by iStockphoto

臨場感や空気感も伝わる、音楽好きにはとても魅力的なハイレゾ音源ですが、聴く際にはいくつか注意点があります。今回は代表的な2つのポイントを解説しましょう。

\次のページで「対応機器を揃える必要がある」を解説!/

対応機器を揃える必要がある

ハイレゾ音源は、データがハイレゾであればどんな環境でも聴けるというものではありません。ハイレゾ音源を再生するプレイヤー、イヤホン(ヘッドホン)が対応している必要があります

特に陥りやすいポイントとして挙げられるのが、ワイヤレスイヤホンの場合です。ワイヤレスイヤホンの場合はプレイヤーとBluetooth接続となるため、Bluetoothの規格がハイレゾ対応であることも必要となります。そして、これらハイレゾ対応の機器たちは従来の未対応機器と比較すれば価格も高いため、コスト面も考慮するべきでしょう。

そもそもハイレゾ対応した楽曲が少ない

主要なストリーミングサービスでは数千万曲が自由に聞くことができるようになっています。一方、そのうちハイレゾ対応の音源は数百万曲程度で、まだまだ一部と言えます。ただし、最近では非ハイレゾ音源をハイレゾ相当に拡張する(アップスケーリングする)技術も登場しており、今後ハイレゾ音源はより一層増えていくことでしょう。

音質へのこだわりに上限はない!

ネットワークの高速化やスマートフォンの高性能化により、従来と比べて遥かに手軽にハイレゾ音源が楽しめるようになりました。コンテンツ量もどんどん増えることが見込まれており、まさにオーディオ沼がすぐそこまで迫ってきていると言っていいでしょう。そして技術の進歩を踏まえれば、ハイレゾ以上の音質向上もこれから期待していきたいところですね。

" /> 3分で簡単にわかる!「ハイレゾ音源」と「CD音源」の違いとは?デジタル音源の仕組みや注意点をガジェット好きシステムエンジニアがわかりやすく解説 – Study-Z
雑学

3分で簡単にわかる!「ハイレゾ音源」と「CD音源」の違いとは?デジタル音源の仕組みや注意点をガジェット好きシステムエンジニアがわかりやすく解説

この記事では「ハイレゾ音源」と「CD音源」の違いについてみていきます。音楽ストリーミングサービスでも少しずつ増えている「ハイレゾ音源」ですが、これまで主流だったCDとは、音質や用意する環境などいくつか違いがあるみたいです。今回はそんな「ハイレゾ音源」について、「CD音源」との違いや楽しむための注意点を、ガジェット好きシステムエンジニアのよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

デジタル音源の仕組み

image by iStockphoto

CDやストリーミングサービスなどに代表されるデジタル音源とは、そもそもどういう仕組みで作られているのでしょうか。生音がデジタルになる方法や、音質に関わるビットレートについて解説します。

生音を細分化することでデジタル音源となる

音の正体が波(音波)であることはきっとご存知でしょう。生音とはつまり音波そのもので、滑らかな連続する波によって作り出されています。ではその生音がデジタル化されたとき、どのような形になるでしょうか。

正解は、生音の原型である波が階段状に細分化され、その情報を圧縮することでデジタル音源が生成されます。このデジタル音源は再生する際にまた波形に戻すことで、人間の耳で聴くことが可能です。

ビットレートで音質に差が生まれる

デジタル音源の音質にはビットレートが大きく関与します。ビットレートとは、デジタル音源が細分化される際の細かさのことです。単位はbps(ビット/秒)で、1秒間に何ビットの情報が詰め込まれているかを表します。この情報量が多いほど、つまり高ビットレートであるほど高音質なデジタル音源と言えるのです。

ただし高ビットレートになればなるほど情報量が多くなるため、データサイズも比例して大きくなります。レコーディングの現場などデータサイズを気にしない場合は問題ないですが、日常で音楽を聴く場面ではデータサイズにも注意するべきです。

「CD音源」と「ハイレゾ音源」の違い

image by iStockphoto

これまで音楽業界の主流だったCDですが、ストリーミングサービスの登場により売上は低下。さらにストリーミングでのハイレゾ音源の登場により、CDは音質の観点でも苦境に立たされています。「CD音源」と「ハイレゾ音源」にはどんな違いがあるのでしょうか。

\次のページで「CD音源:デジタル音源の代表格」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: