この記事では腐ると発酵の違いについてみていきます。両者とも微生物の働きによって食物の成分が変化することをさしているぞ。実は腐るも発酵も同じ現象のことをさすのですが、違いはずばり人間にとってその現象が好ましいか、好ましくないかという点にあるようです。今回はそんな腐ると発酵の違いについて、熟成という現象とも比較しながら健康オタクライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

ヨガ歴7年、筋トレにはまりデッドリフトでダンベル100kgを持ち上げた過去をもつ。身体にいい食事、体づくりに最適な食材にアンテナをはって生きている現役OLライター。

発酵と腐るの違いは人間にとって好ましいか、好ましくないか

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発酵と腐るは、微生物の働きによって食物の成分が分解され科学変化を起こしその状態をかえる現象をさしています。同じ現象であるにも関わらず、腐ると発酵と言い分ける理由はその現象の結果、人間にとって好ましい状態へなるか、好ましくない状態になるかという点にあるんだそう。ここでは、熟成という現象とも比較しながらくわしくみていきましょう。

発酵:人間にとって好ましい

発酵は微生物の働きによって食物などが人間にとって好ましい状態になることをさします。具体的な例でいうと枯草菌(こそうきん)という微生物の働きで大豆が発酵したものが納豆となり、乳酸菌という微生物の働きで牛乳が発酵したものがヨーグルトやチーズとなるのです。

その他にも、身近な発酵食品として、味噌、醤油、酒、漬物、キムチ、ビール、塩辛、くさやなどが挙げられますね。

腐る:人間にとって好ましくない

腐るとは、微生物の働きによって食物が人間にとって好ましくない状態になることをさします。発酵のところで例に挙げた納豆やヨーグルト、チーズなども微生物や反応する成分が異なれば、腐るという現象も起こってしまうんだそう。腐った大豆が納豆だと認識されているかもしれませんが、実際には腐った大豆は、腐った大豆であって納豆とは別物であることにご注意ください。

熟成との違いは?

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熟成は自らの持つ酵素によってタンパク質などの物質が分解され、化学反応を起こしてうまみ成分が増す現象をさすんだそう。発酵との大きな違いは、微生物の働きの有無にあるんだとか。熟成肉や、プロシュートなどがその例です。

ただし捉え方によっては、発酵した食材をさらに時間をかけて寝かせて、うまみ成分や味に深みを持たせることも熟成ということもありますね。こちらの例としては、熟成味噌や熟成ワインなどが挙げられます。

発酵食品の種類と効用について

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発酵食品は微生物の働きによって、人間の身体に好ましい影響を与えてくれます。うまみ成分が増して美味しくなる以外にも、私たちの健康維持に一役買ってくれることもあるんですね。ここからは一般的に期待されている発酵食品の健康効果を、微生物や菌ともあわせてご紹介していきましょう。

発酵食品の効用と菌の種類

発酵食品には整腸作用があるということはよく聞く話かもしれません。特にヨーグルトやキムチに含まれる乳酸菌や、納豆に含まれる納豆菌には、腸内環境を改善してくれる効果があるといわれていますね。さらに栄養価が高くなったり、旨味が増すといったメリットも。

発酵には、微生物が食物中のたんぱく質や糖、でんぷんを分解し化学反応により人間に好ましい別の成分にかえる働きがありますが、この現象は発酵食品が人間の身体に消化されやすい状態に変わっているとも言い換えられます。つまり、食物をそのまま摂取するよりも発酵した状態で摂取した方が栄養の吸収率も高いということですね。続いて発酵に必要な菌の一例を挙げてみましょう。

\次のページで「発酵食品の賞味期限とは?」を解説!/

納豆:納豆菌(納豆菌は枯草菌の一種)
ヨーグルト:乳酸菌
ビール:酵母菌
日本酒:麴菌
ワイン:酵母菌
チーズ:乳酸菌、白カビ
キムチ:乳酸菌
味噌:麹カビ、酵母菌
醤油:麹カビ、酵母菌、乳酸菌
酢:酢酸菌
パン:イースト菌(酵母菌の一種)

ひと言で発酵といってもいろいろな種類の微生物が作用していることが分かりますね。ワインやビールの酵母菌の場合は糖をアルコールと二酸化炭素に変化させる働きがあり、日本酒や味噌、醤油の麹カビはタンパク質やでんぷんを分解して、アミノ酸やブドウ糖を作り出す作用を持っています。

発酵食品の賞味期限とは?

納豆やチーズをスーパーなどで購入すると賞味期限が記されています。発酵と腐るは同じ現象をさすのに、発酵食品に賞味期限があることに違和感があるかもしれませんが、店頭に並ぶ発酵食品は一定のところまで発酵させた後、殺菌をして出荷されることが一般的なため、出荷後の食品については発酵がそのまま進むわけではなく、腐るという現象も起こりうるということなのです。

賞味期限は、美味しく食べられる期限を保証するものなので期限内には食するように意識をしましょう。

腐らせることには注意をしながら、発酵食品で健康になろう!

腐ると発酵は、人間にとって好ましいか好ましくないか、という点で分類されてくることがわかりました。世界で一番臭い缶詰ニシンのシュールストレミングはスウェーデンでは、れっきとした発酵食品ですが私たち日本人にとってはなじみが薄く、香りから食べることは難しいと判断するほどだそうです。逆もしかりで外国の方が納豆を食べられない理由も納豆の香りや粘り気を腐っているとしか思えないからなんだそう。この点からもわかるように、腐ると発酵は食文化によっても判断が異なってきます。

日本は発酵大国といわれるほど、身近に発酵食品がたくさん存在していますね。ぜひお気に入りの発酵食品を積極的に摂取しながら、日本の食文化を堪能し、健やかな毎日につなげていきましょう!

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簡単でわかりやすい!発酵と腐るの違いとは?実は同じ現象?熟成との違いまで健康オタクライターがくわしく解説

この記事では腐ると発酵の違いについてみていきます。両者とも微生物の働きによって食物の成分が変化することをさしているぞ。実は腐るも発酵も同じ現象のことをさすのですが、違いはずばり人間にとってその現象が好ましいか、好ましくないかという点にあるようです。今回はそんな腐ると発酵の違いについて、熟成という現象とも比較しながら健康オタクライターyukoと一緒に解説していきます。

ライター/yuko

ヨガ歴7年、筋トレにはまりデッドリフトでダンベル100kgを持ち上げた過去をもつ。身体にいい食事、体づくりに最適な食材にアンテナをはって生きている現役OLライター。

発酵と腐るの違いは人間にとって好ましいか、好ましくないか

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発酵と腐るは、微生物の働きによって食物の成分が分解され科学変化を起こしその状態をかえる現象をさしています。同じ現象であるにも関わらず、腐ると発酵と言い分ける理由はその現象の結果、人間にとって好ましい状態へなるか、好ましくない状態になるかという点にあるんだそう。ここでは、熟成という現象とも比較しながらくわしくみていきましょう。

発酵:人間にとって好ましい

発酵は微生物の働きによって食物などが人間にとって好ましい状態になることをさします。具体的な例でいうと枯草菌(こそうきん)という微生物の働きで大豆が発酵したものが納豆となり、乳酸菌という微生物の働きで牛乳が発酵したものがヨーグルトやチーズとなるのです。

その他にも、身近な発酵食品として、味噌、醤油、酒、漬物、キムチ、ビール、塩辛、くさやなどが挙げられますね。

腐る:人間にとって好ましくない

腐るとは、微生物の働きによって食物が人間にとって好ましくない状態になることをさします。発酵のところで例に挙げた納豆やヨーグルト、チーズなども微生物や反応する成分が異なれば、腐るという現象も起こってしまうんだそう。腐った大豆が納豆だと認識されているかもしれませんが、実際には腐った大豆は、腐った大豆であって納豆とは別物であることにご注意ください。

熟成との違いは?

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熟成は自らの持つ酵素によってタンパク質などの物質が分解され、化学反応を起こしてうまみ成分が増す現象をさすんだそう。発酵との大きな違いは、微生物の働きの有無にあるんだとか。熟成肉や、プロシュートなどがその例です。

ただし捉え方によっては、発酵した食材をさらに時間をかけて寝かせて、うまみ成分や味に深みを持たせることも熟成ということもありますね。こちらの例としては、熟成味噌や熟成ワインなどが挙げられます。

発酵食品の種類と効用について

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発酵食品は微生物の働きによって、人間の身体に好ましい影響を与えてくれます。うまみ成分が増して美味しくなる以外にも、私たちの健康維持に一役買ってくれることもあるんですね。ここからは一般的に期待されている発酵食品の健康効果を、微生物や菌ともあわせてご紹介していきましょう。

発酵食品の効用と菌の種類

発酵食品には整腸作用があるということはよく聞く話かもしれません。特にヨーグルトやキムチに含まれる乳酸菌や、納豆に含まれる納豆菌には、腸内環境を改善してくれる効果があるといわれていますね。さらに栄養価が高くなったり、旨味が増すといったメリットも。

発酵には、微生物が食物中のたんぱく質や糖、でんぷんを分解し化学反応により人間に好ましい別の成分にかえる働きがありますが、この現象は発酵食品が人間の身体に消化されやすい状態に変わっているとも言い換えられます。つまり、食物をそのまま摂取するよりも発酵した状態で摂取した方が栄養の吸収率も高いということですね。続いて発酵に必要な菌の一例を挙げてみましょう。

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