この記事では「定量」と「定性」の違いについてみていきます。2つとも目標設定や評価のときによく目にするよな。どちらも使い方は似ているが、それぞれ持つ意味は違うみたいです。
今回は目標設定や評価を行うときに欠かせないこの2つを、メリット・デメリットも含めて、ビジネス文書作成の熟練ライター西風と一緒に解説していきます。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりグループやチームでの仕事や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届けします。

「定量」と「定性」の違いとは?

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この2つは学業や仕事、研究といった分野で、目標設定や評価、分析を行うときによく使われる言葉です。具体的な状態を表す点が似ていることから、それぞれの明確な意味や違いがわからないという人も多いのではないでしょうか。

この2つの違いを理解することで、目標設定や評価などがしやすくなり、円滑なコミュニケーションが可能になります。その違いについて、くわしく見ていきましょう。

「定量」は数値で表せる状態

「定量」とは、数値化して客観的に表す状態です。点数や金額・変化した割合などが該当します。

「定性」は数値で表せない状態

「定性」とは、数値化できず主観的に表す状態です。物事の質の部分が該当します。

「定量」の意味と具体例

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ここからは「定量」と「定性」の違いに着目しながら、意味や具体例についてくわしく見ていきましょう。

「定量」の意味

「定量」を辞書で調べると、以下の意味だとわかります。

1.一定の分量。決められた分量。
2.化学分析で、ある物質中に含まれている成分の量を定めること。

出典:デジタル大辞泉

\次のページで「「定量」の具体例」を解説!/

どちらの意味も量を定めていることから、「定量」は数値で表現できる状態を意味するために使われます。

「定量」の具体例

わかりやすいよう、学業で目標設定することを事例として取り上げてみましょう。「定量」的目標を設定するとしたら、以下のような目標が例としてあがります。

・平均点を20点アップする
・10位以内の順位に入る
・学習時間を5%延長する

いずれも数値でわかりやすく目標を設定しています。客観的に見てもぶれがない目標設定を可能とするのが、「定量」的な目標設定です。

「定性」の意味と具体例

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ここからは「定性」の意味と具体例についてくわしく見ていきましょう。

「定性」の意味

「定性」を辞書で調べると、以下の意味だとわかります。

物質の成分を調べて定めること。

出典:デジタル大辞泉

\次のページで「「定性」の具体例」を解説!/

物質の成分を定めることから、「定性」は物事の質を意味するために使われます。

「定性」の具体例

「定量」と同様にわかりやすいよう、学業で目標設定することを事例として取り上げてみましょう。「定性」的目標を設定するとしたら、以下のような目標が例としてあがります。

・家族にほめられるくらい平均点をアップする
・推薦をもらえる順位に入る
・学習時間を増やすよう心がける

いずれも数値ではない抽象的な目標設定です。主観的な目標であるため、「定性」的な目標設定では見る人によっては捉え方が異なります。

「定量」のメリット・デメリット

「定量」・「定性」ともにメリットやデメリットがあります。それぞれについてくわしく見ていきましょう。

「定量」のメリット

「定量」のメリットは数値で表現できることです。数値であれば客観的に見たとき、判断にブレは生じません。そのため、目標設定や評価に「定量」的に設定した目標を定めれば、行動や成果の指標が数値として明確になります。数値でぶれがないため、目標と成果を照らし合わせれば、公正な評価も可能ですね。

\次のページで「「定量」のデメリット」を解説!/

「定量」のデメリット

「定量」のデメリットは数値化できなければ使えないことです。すべての物事が数値化できるわけではありません。そのため、客観的に状態を表す「定量」も万能ではないのです。また、数値化して判断のぶれをなくすため、目標設定などでは柔軟に捉えられなくなるのもデメリットと言えます。

「定性」のメリット・デメリット

つづいて「定性」のメリット・デメリットについて、くわしく見ていきましょう。

「定性」のメリット

「定性」のメリットは柔軟に表現できることです。数値で表せないことも言葉で表せます。そのため、目標設定や評価に「定性」的に設定した目標を定めれば、目指す状態が言語で明確化できるでしょう。目指す状態が明確になれば、そこに至るプロセスも明確化しやすいですね。

「定性」のデメリット

「定性」のデメリットは判断にぶれが生じるやすいことです。数値ではなく言語で主観的に表現されるため、その解釈にぶれが生じることがあります。

目標設定に用いた場合、その「定性」的目標の捉え方にぶれが生じれば、目指す状態が異なることもあるでしょう。評価も擦り合わないことがあります。そうならないよう、事前にしっかりとコミュニケーションを取り、解釈のぶれが生じないように注意しなければならないのもデメリットです。

数値化できるもの・できないものと理解しよう

「定量」と「定性」の違いについてくわしく見てきました。2つとも具体的な状態を表す点でよく似ていますが、まったく意味の異なる言葉だとわかります。また、それぞれにメリット・デメリットがあり、その特性を理解して使い分けることが大切であることもわかりました。同じように使われる言葉でも意味がまったく違う…このように意味を調べてみると、言葉の楽しさ・奥深さを感じずにはいられませんね。

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雑学

3分でわかる「定量」と「定性」の違い!意味や具体例・メリット・デメリットもビジネス文書熟練者がわかりやすく解説

物質の成分を定めることから、「定性」は物事の質を意味するために使われます。

「定性」の具体例

「定量」と同様にわかりやすいよう、学業で目標設定することを事例として取り上げてみましょう。「定性」的目標を設定するとしたら、以下のような目標が例としてあがります。

・家族にほめられるくらい平均点をアップする
・推薦をもらえる順位に入る
・学習時間を増やすよう心がける

いずれも数値ではない抽象的な目標設定です。主観的な目標であるため、「定性」的な目標設定では見る人によっては捉え方が異なります。

「定量」のメリット・デメリット

「定量」・「定性」ともにメリットやデメリットがあります。それぞれについてくわしく見ていきましょう。

「定量」のメリット

「定量」のメリットは数値で表現できることです。数値であれば客観的に見たとき、判断にブレは生じません。そのため、目標設定や評価に「定量」的に設定した目標を定めれば、行動や成果の指標が数値として明確になります。数値でぶれがないため、目標と成果を照らし合わせれば、公正な評価も可能ですね。

\次のページで「「定量」のデメリット」を解説!/

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