この記事ではレバーの栄養と効能についてみていきます。レバーは栄養価の高い食品で、鉄分が豊富なことは広く知られている。このことからレバーは貧血に良いイメージを持っている人も多いでしょう。実はこれ以外にも健康や美容に期待できる効能がいくつもあるらしいぞ。詳しく見ていこう。
今回はレバーとは何なのか基本情報を確認しつつ、栄養や効能について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。レバーは健康に良い栄養が豊富で、しかもおいしいので好んでよく食べている。一番好きなのは、豚レバーで、唐揚げにして食べることが好き。

レバーってどの部分?

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レバーとは肝臓のことです。肝臓はアルコールなどの毒物を分解する機能があるほか、鉄の貯蔵をする臓器として有名ですね。動物の肝臓にも鉄分が貯蔵されており、豊富に含まれています。

スーパーなどで販売されているレバーは、基本的に鶏・豚・牛の3種類です。種類によって栄養や食感が多少異なりますが、独特の食感と味わいが特徴となっています。

鶏レバーは1羽で40~50g位です。ハツ(心臓)が付いたまま販売されている場合もあります。豚レバーは1頭から1~2kg、牛レバーは1頭から8kgほど取れるようです。

レバーに豊富な栄養

レバーには鉄が豊富なイメージがある方が多いかと思います。鉄分だけでなく、さまざまな栄養が豊富です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.「鉄分」と言えばレバー!

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鉄分不足にはレバーを食べよう!と言われるほど、レバーには鉄分が豊富です。鶏・豚・牛ともに豊富で、100gあたりのレバーの含有量は、鶏レバー9.0mg・豚レバー13.0mg・牛レバー4.0mgで、豚レバーにはとりわけ多くの鉄分が含まれています。1日に必要な鉄分は、月経のある成人女性で10.5mg、成人男性で7.5mgです。このことからも、レバーには豊富な鉄分が含まれていることが分かりますね。

また、レバーに含まれている鉄分は身体に吸収されやすい「ヘム鉄」です。レバーを食べることで、効率的に鉄分の摂取ができるのも鉄分不足を補うのにおすすめポイントとなっています。

2.目の健康に大切な「ビタミンA」

レバーには、ビタミンAが豊富です。特に、豚レバーと鶏レバーに多く含まれています。皮膚や粘膜、目の健康維持に必要な栄養素で、不足すると夜盲症や皮膚のひどい乾燥などの可能性も。また、ビタミンAには抗酸化作用があり、生活習慣病の予防やアンチエイジング効果が期待できます。

そして、ビタミンAは脂溶性ビタミンで、油に溶けやすい性質です。油と一緒に摂取することで効果的に体内に取り込めます。さらに、野菜などに含まれているビタミンAと違ってレバーのビタミンAは吸収されやすい性質です。

3.身体の調子を整える「ビタミンB₁」「ビタミンB₂」も豊富

レバーにはビタミンB₁やビタミンB₂も豊富です。ビタミンB₁は糖質の、ビタミンB₂は脂質の代謝を助けます。

私たちの活動のエネルギーの大部分は炭水化物から摂取しており、炭水化物の成分である糖質をエネルギーに変えるビタミンB₁に期待されるのは、疲労回復の効果です。また、ビタミンB₂には脂肪の燃焼以外にも肌荒れやニキビ、口内炎などの皮膚トラブルの改善にも役立ちます。

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4.妊婦さんだけじゃない!血液を作るのに活躍する「葉酸」

レバーにはビタミンB群の1つである、葉酸も豊富です。葉酸は赤血球を作る造血ビタミンとして有名で、胎児の正常な発育のために必要なことから妊娠初期の妊婦さんへの摂取がすすめられています。もちろん、妊婦さん以外の女性や男性にも大切な栄養素です。

造血以外の働きは、たんぱく質の合成を促したり新陳代謝を高めたりすることで、健康や美容に欠かせない栄養素となっています。

葉酸はビタミンB₁₂と合わせて摂取することがおすすめです。レバーにはビタミンB₁₂も豊富なので、レバーだけでどちらも摂取することができます。

5.免疫機能の維持や味覚に関わる「亜鉛」

レバーには亜鉛も多く含まれています。特に豚レバーに豊富です。亜鉛は免疫機能の維持やアルコールの代謝に関わり、味覚を感じる味蕾の細胞を構成する栄養素となっています。不足すると免疫低下や味を感じにくくなることもあるようです。

レバーの嬉しい効能3つ

レバーには様々な栄養素が含まれていることが分かりました。続いて、レバーを食べることで得られる効能をみていきましょう。

その1.鉄欠乏性貧血の予防と改善に

レバーは、鉄欠乏性貧血や巨赤芽球性貧血の予防や改善に効果的とされています。鉄や葉酸、ビタミンB₁₂が豊富に含まれているからです。鉄欠乏性貧血は一般的に多くイメージされる貧血のことで、鉄分不足により酸素が全身にいきわたらないことから、疲れやすく目まいや立ちくらみを起こします。

また、葉酸やビタミンB₁₂がレバーには豊富に含まれていることから、巨赤芽球性貧血の予防にも効果的です。鉄欠乏性貧血と異なり血液そのものが足りずに貧血症状が現れ、悪化すると生涯治療が必要になることもあります。普段からレバーを食べる習慣をつけることで、どちらも防ぐことができるでしょう。

その2.美容にも効果的!肌荒れやニキビ予防・改善に

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レバーには、ビタミンAやB群はじめビタミン類が豊富なことから美容にも効果的です。新陳代謝を上げて肌トラブルの改善に役立ち、抗酸化作用のあるビタミン類も豊富ですのでアンチエイジングにも効果があります。エネルギー代謝に役立つことから、ダイエットの手助けにもなるでしょう。

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その3.疲労回復や免疫機能改善にも効果あり

美容に効果のあるビタミンAやB群ですが、疲労回復にも効果があります。しっかり寝たのになんだかだるい…という症状は、栄養不足かもしれません。レバーを食べることで、エネルギーを作り出し疲れを取り、抗酸化作用によって免疫力を高める効果もあります。弱っている時にこそレバーを食べてほしいです。

レバーを食べるときの注意点

健康や美容に最適なレバーですが、注意点もあります。

1.どれくらい食べるのがベスト?

レバーは栄養豊富な食品ですが、その分食べすぎにも注意が必要です。レバーに豊富なビタミンB₁やB₂は多く摂取しても問題ありませんが、そのほかの栄養は食べすぎると不調が生じる可能性があります。レバーの中でも栄養が豊富な豚レバーだと1日に20g程度の摂取が望ましいです。焼き鳥の鶏レバーだと、ひと串の半分ほどが適量となります。1週間に1回ほど食べることがおすすめです。

しかし、レバーの20gはかなり少量ですので、野菜と一緒に炒めてボリュームアップしたり少量のおかずとして利用したりするのが良いでしょう。もし食べすぎてしまった場合は、何日かレバーをお休みして調整してください。

2.食べるときはしっかり加熱しよう

豚肉や鶏肉はもちろん、牛レバーもしっかり加熱して食べることが大切です。腸管出血性大腸菌による食中毒は、細菌がごく少量でも激しい腹痛や下痢などの症状が現れます。いくら肉が新鮮でも食中毒の危険があるので、中心まで火を通して食べましょう。

レバーには健康や美容に欠かせない栄養が豊富!

レバーに豊富な栄養や効能などが分かりました。レバーとは肝臓のことで、様々な栄養が蓄えられている臓器だからこそ、栄養がたっぷり含まれているのです。美容や健康に欠かせない鉄分やビタミンA、B群が豊富で様々な効能が得られます。しかし、食べすぎにも注意が必要ですので食べる頻度や量には注意して、日々の食生活に取り入れてほしいです。

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レバーの栄養は鉄分だけじゃない!効能や注意点も管理栄養士が簡単にわかりやすく解説

その3.疲労回復や免疫機能改善にも効果あり

美容に効果のあるビタミンAやB群ですが、疲労回復にも効果があります。しっかり寝たのになんだかだるい…という症状は、栄養不足かもしれません。レバーを食べることで、エネルギーを作り出し疲れを取り、抗酸化作用によって免疫力を高める効果もあります。弱っている時にこそレバーを食べてほしいです。

レバーを食べるときの注意点

健康や美容に最適なレバーですが、注意点もあります。

1.どれくらい食べるのがベスト?

レバーは栄養豊富な食品ですが、その分食べすぎにも注意が必要です。レバーに豊富なビタミンB₁やB₂は多く摂取しても問題ありませんが、そのほかの栄養は食べすぎると不調が生じる可能性があります。レバーの中でも栄養が豊富な豚レバーだと1日に20g程度の摂取が望ましいです。焼き鳥の鶏レバーだと、ひと串の半分ほどが適量となります。1週間に1回ほど食べることがおすすめです。

しかし、レバーの20gはかなり少量ですので、野菜と一緒に炒めてボリュームアップしたり少量のおかずとして利用したりするのが良いでしょう。もし食べすぎてしまった場合は、何日かレバーをお休みして調整してください。

2.食べるときはしっかり加熱しよう

豚肉や鶏肉はもちろん、牛レバーもしっかり加熱して食べることが大切です。腸管出血性大腸菌による食中毒は、細菌がごく少量でも激しい腹痛や下痢などの症状が現れます。いくら肉が新鮮でも食中毒の危険があるので、中心まで火を通して食べましょう。

レバーには健康や美容に欠かせない栄養が豊富!

レバーに豊富な栄養や効能などが分かりました。レバーとは肝臓のことで、様々な栄養が蓄えられている臓器だからこそ、栄養がたっぷり含まれているのです。美容や健康に欠かせない鉄分やビタミンA、B群が豊富で様々な効能が得られます。しかし、食べすぎにも注意が必要ですので食べる頻度や量には注意して、日々の食生活に取り入れてほしいです。

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