この記事では寄付と寄附の違いについてみていきます。どちらも何らかの役に立つようにお金や物品などを相手に送るときに使われるイメージがあるよな。違いは使う場面や団体によって分けるようですが、使い分けに迷う場面も少なくないな。また、似たような言葉もいくつかあり、戸惑ってしまう人もいるかもしれない。今回は2つの言葉による違いを文学部卒のライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

歳末たすけあい運動を見かけると、本当に援助が必要な人に回ってほしいと願う文学部卒ライター。

寄付と寄附は同じ意味

image by iStockphoto

「寄付」と「寄附」の意味は同じです。読み方も同様で「きふ」。「寄」という漢字はあずける、あつめる、おくるといったことを表します。「付」「附」については、あたえる、わたすといった意味。つまり、両方とも公共事業やNPO法人などの支援団体、宗教関係などの団体宛に金品を集めて渡す、もしくは贈るときに使われる言葉です。

寄付と寄附の使い分けや使う場面

image by iStockphoto

「寄付」と「寄附」の使い分けや、どのような時に使ったらふさわしいかみていきます。

寄付:日常一般で使う

「寄付」という語は、新聞やテレビの字幕などの書き言葉で日常的に使われます。寄付を募る、寄付金などのように用いてかまいません。被災された方や困っている方などを支援する団体、寺社などを対象にお金を贈る際に使うことが多いかもしれません。しかし、食料や毛布、肌着、書籍、文房具などの品物を贈る時にも使えます。

寄附:公用文や公共団体に関連して使う

では、「寄附」はどのような時に使うかというと、公用文や法令文、公共団体に関する文章などの書き言葉で用いられます。例えば、国税局のサイトや確定申告のパンフレットでは「寄附金控除」。総務省のサイトの説明書きには「ふるさと納税など個人住民税の寄附金税制」といったように表記されています。

\次のページで「寄付や寄附に似た言葉」を解説!/

寄付や寄附に似た言葉

image by iStockphoto

「寄付」や「寄附」に似た言葉は以下の通りです。間違いやすいので、注意しましょう。

寄贈:ある程度高価なものを贈ること

「寄贈」(読み・きぞう/きそう)は、団体に物品を贈って与えること。「寄付」とそう変わりはないような印象を受けますね。実は、贈る品物は高価であったり貴重であったりする物。例えば、書籍やピアノ、芸術作品のように長期間経っても使えたり、価値が高かったりする物を渡す場合に使われます。

学校に楽器を寄贈した、図書館に百科事典を寄贈した、美術館に著名な画家の絵を寄贈したといったような使い方ができますね。

募金:呼びかけてお金を集めること

「募金」(読み・ぼきん)は、広く呼びかけてお金を集めること。「募」はひろくもとめるという意味です。実は、この語は本当は集める立場の人から見て使う語。「駅前で募金活動をする」「赤い羽根共同募金のお知らせ」といったようにですね。

しかし、近年では誤用が広がり、広く呼びかけられてお金を相手に渡す行為を指す際にも使われるようになりました。「スーパーで募金した」「24時間テレビの募金をしてきた」のような例があります。

義捐・義援:人の生活を支えるために差し出す

「義捐(読み・ぎえん)」(「義援」は当て字)とは、慈善活動や被害者を救済するために金銭や物品を差し出すこと。

ただし、「義捐金・義援金」とした場合は「支援金」ということも。もともとの意味から派生して、福祉や支援団体に寄せられた寄付金を被災地の自治体に送り、義捐金配分委員会によって被災者に公平に配分する仕組みをいう場合もあります。

贈与:個人間でお金や品物を与えること

「贈与」(読み・ぞうよ)は金品を相手に与えること。個人から個人に無償で渡す場合に使われることが多いです。契約で使う場合は、当事者が自分の財産を無償で相手に与える意思を示して、相手方が受け入れることをいいます。「贈与税」「不動産を孫に贈与する」など、あまり話し言葉では使わず、書き言葉で使うのが主です。

\次のページで「布施:僧侶に渡す謝礼」を解説!/

布施:僧侶に渡す謝礼

「布施」(読み・ふせ)は、読経などの謝礼として僧侶に渡す金品のこと。もともとは仏教用語で、相手に施しをすること。金品を渡す財施(ざいせ)、仏法を広めて相手に説く法施(ほうせ)、恐れを取り除く無畏施(むいせ)を指した。「法事の際にお上人さんに御布施を渡した」などのように使います。

寄付は日常生活一般・寄附は公用文や公共団体関連に使う点で異なる

「寄付」も「寄附」も同じ意味で、金品を団体に差し出す、贈る時に使う語です。漢字の違いについて「寄付」は日常的に書き表せます。しかし、「寄附」は公用文や法令文に出てくる語、国や地方自治体などの役所関連の書き言葉に使われますね。

" /> 簡単でわかりやすい!寄付と寄附の違いとは?使う場面や団体、似た言葉との使い分けも文学部卒ライターが詳しく解説 – Study-Z
雑学

簡単でわかりやすい!寄付と寄附の違いとは?使う場面や団体、似た言葉との使い分けも文学部卒ライターが詳しく解説

この記事では寄付と寄附の違いについてみていきます。どちらも何らかの役に立つようにお金や物品などを相手に送るときに使われるイメージがあるよな。違いは使う場面や団体によって分けるようですが、使い分けに迷う場面も少なくないな。また、似たような言葉もいくつかあり、戸惑ってしまう人もいるかもしれない。今回は2つの言葉による違いを文学部卒のライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

歳末たすけあい運動を見かけると、本当に援助が必要な人に回ってほしいと願う文学部卒ライター。

寄付と寄附は同じ意味

image by iStockphoto

「寄付」と「寄附」の意味は同じです。読み方も同様で「きふ」。「寄」という漢字はあずける、あつめる、おくるといったことを表します。「付」「附」については、あたえる、わたすといった意味。つまり、両方とも公共事業やNPO法人などの支援団体、宗教関係などの団体宛に金品を集めて渡す、もしくは贈るときに使われる言葉です。

寄付と寄附の使い分けや使う場面

image by iStockphoto

「寄付」と「寄附」の使い分けや、どのような時に使ったらふさわしいかみていきます。

寄付:日常一般で使う

「寄付」という語は、新聞やテレビの字幕などの書き言葉で日常的に使われます。寄付を募る、寄付金などのように用いてかまいません。被災された方や困っている方などを支援する団体、寺社などを対象にお金を贈る際に使うことが多いかもしれません。しかし、食料や毛布、肌着、書籍、文房具などの品物を贈る時にも使えます。

寄附:公用文や公共団体に関連して使う

では、「寄附」はどのような時に使うかというと、公用文や法令文、公共団体に関する文章などの書き言葉で用いられます。例えば、国税局のサイトや確定申告のパンフレットでは「寄附金控除」。総務省のサイトの説明書きには「ふるさと納税など個人住民税の寄附金税制」といったように表記されています。

\次のページで「寄付や寄附に似た言葉」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: