簡単でわかりやすい!緩むと弛むの違いとは?読み方や漢字の意味・使い分けも現役塾講師が詳しく解説
「たゆむ」が使われるのは限られた場面
「たゆむ」という言葉は少し古い表現なので、これまでに聞いたことのなかった方もいらっしゃるでしょう。現在ではあまり、話しことばとして使われることはありませんが、小説や本において書き言葉としてなら出会う機会もあるかもしれません。
「たゆむ」は、「ゆるむ」や「たるむ」と同じく糸などの張りつめていたものがゆるくなった時に使うこともできますが、実際の物質ではなく、気持ちや精神といった目に見えないメンタル的なものが、ゆるくなったり、しまりが無くなった時の方が主に使われることの多い言葉です。
「ゆるむ」を漢字で書くときは緩む?それとも弛む?
漢字の読みや、それぞれの使い分けについて見てきましたが、それでは逆に「ゆるむ」を漢字で書くには「緩む」と「弛む」、どちらを書けばいいのでしょうか?意味としては違いがないため、どちらを使っても間違いとはいいません。
しかし、一般の社会生活で使われる目安となっている漢字を常用漢字と言いますが、「緩」という漢字はその常用漢字の中に含まれていて、中学生の間に習うことになっている字でもあります。
一方の「弛」の字は常用漢字ではありませんし、ここまで見てきたように「弛む」という送り仮名の場合、「ゆるむ」「たるむ」「たゆむ」と複数の読み方ができてしまうため、特別なこだわりでもない限りは「緩む」の方を使うことがおすすめです。
「弛む」は場面や読み方によって意味が微妙に違う!
「緩む」はゆるむとしか読みませんし、糸の張り具合やネジのしまり具合など、もともと強さを持っていたものがその強さを失ったときなどに使います。
「弛む」は、「ゆるむ」と読むなら意味としては「緩む」と違いはありません。「弛む」を「たるむ」という読みで使うのは、主に糸や肌など、もともとハリのあるはずの物のしまりがなくなったときです。「弛む」を「たるむ」で使うのは、気持ちや精神といったメンタル的なもののしまりがなくなったときに多く使われます。このようにさまざまな読み方があり、その読み方によって微妙に意味が異なるのが「弛む」という字です。