この記事ではゴルゴンゾーラとブルーチーズの違いについてみていきます。どちらもチーズのことです。普段チーズを食べない人も名前は聞いたことがあるでしょう。今回はそんなゴルゴンゾーラとブルーチーズの違いや、ブルーチーズの種類やブルーチーズに生えている青カビについて、食いしん坊ライターaoと一緒に解説していきます。

ライター/ao

子どもの頃からクセの強い、お酒のつまみになるような食べ物が大好きなライター。ブルーチーズも大好きだが、特別な日に食べる贅沢品としている。

ゴルゴンゾーラとブルーチーズの違いとは

image by iStockphoto

ブルーチーズとは、熟成期間に青カビを繁殖させたチーズのことをいいます。一方ゴルゴンゾーラとは、ブルーチーズの一種で、世界三大ブルーチーズのひとつです。

ブルーチーズとは

ブルーチーズは一般的なチーズとは異なり、チーズ全体にカビが生えており独特な見た目をしているので、普段チーズを食べない人でも見かけたことはあるかもしれません。どのような特徴をもったチーズなのでしょうか。ここからはブルーチーズについて詳しく解説していきます。

ブルーチーズ:カビを繁殖させたチーズ

ブルーチーズとは牛乳や羊乳を原料として作られるチーズの一種で、チーズの内側に穴を開けて、組織の中で青カビを生育、内部から熟成させるチーズです。チーズ内部の隙間に大理石状に青カビが生えています。

一般的なチーズと比べると、濃厚でクセのある風味と香りを持ち、塩分が強めなのが特徴。熟成させる青カビはチーズ用に培養された青カビ菌ですが、ヨーロッパでは自然に生える青カビを利用してブルーチーズを作るところも一部にあるようです。

ブルーチーズの歴史

ブルーチーズの起源についてははっきりしたことが分かっていませんが、2000年前のローマ時代の書物にブルーチーズの記述があり、フランスのロックフォール・シュール・スールゾン村の羊飼いの伝説が有名です。羊飼いの青年が休憩中に洞窟でパンとチーズを食べようとした時に、洞窟の前を美しい娘が通り過ぎました。青年はその娘に一目ぼれ。パンとチーズをそのままにしてその娘を追いかけました。

それからずいぶん後になって、置きっぱなしにしていたパンとチーズを取りに行くと、チーズに青カビが生えており、おそるおそる食べてみたところ、驚くようなおいしさだった、という伝説が有名です。洞窟の中で低温熟成されてできたということですね。

\次のページで「ブルーチーズはどうやって作られるの?」を解説!/

ブルーチーズはどうやって作られるの?

ゴルゴンゾーラの製造方法です。低温殺菌した牛乳を30度に熱し、「ペニシリウム・ロックフォルティ」と言う青カビの胞子、スターター(乳酸菌)、子牛のレンネット(第4胃袋の消化液の抽出物)を加えて凝乳化させます。凝乳を布で包んでカットし、穴のあいた円筒形の容器に入れて、湿度と温度の調整を行いながら4~5時間置き、塩や塩水をまぶして熟成期間へ。

約1週間すぎた頃からチーズに穴をあけて、カビが均一に発育するようにして、最低2ヶ月熟成させます。この熟成期間に青カビが成長して、特徴的な青緑色のマーブル模様が形成されるのです。

世界三大チーズの特徴

image by iStockphoto

ブルーチーズの一種であるゴルゴンゾーラはイタリアを代表するチーズのひとつです。世界三大ブルーチーズのひとつであると前述しましたが、のこり2つは「ロックフォール」と「スティルトン」というブルーチーズになります。

ブルーチーズを普段食べない人にとっては聞きなれない言葉かもしれませんね。ここからは「ゴルゴンゾーラ」「ロックフォール」「スティルトン」3つのブルーチーズの特徴をくわしくみていきましょう。

ゴルゴンゾーラ:イタリア生まれの牛の乳で作るチーズ

イタリア北部のロンバルディア州、ゴルゴンゾーラ村で生まれた1000年以上の歴史をもつブルーチーズです。アルプス山脈に広がる山岳地帯で放牧された牛の乳から作られます。「ドルチェ」と呼ばれる甘口タイプと、「ピカンテ」と呼ばれる辛口タイプの2種類あるのが特徴です。

ドルチェは世界三大ブルーチーズの中でも刺激が少なくて食べやすいので、ブルーチーズ初心者におすすめ。またゴルゴンゾーラはピザやパスタなど料理に使いやすいこともあり、広く知られているブルーチーズです。

ロックフォール:フランス生まれの羊の乳で作るチーズ

フランスのアヴェロン県ロックフォールにある洞窟で作られるブルーチーズ。2000年以上前に誕生しました。現在でも決められた洞窟内で熟成が行われています。牛の乳ではなく、羊の乳から作られるため、白さが際立つ外観が特徴。

組織がもろく、柔らかいくちどけと個性のある刺激的な香り、ねっとりと濃厚な旨味を楽しめます。塩分が強いため、サラダやドレッシングなどにも合いますよ。

スティルトン:イギリス生まれの牛の乳で作るチーズ

イギリス中央部ケンブリッジシャーのスティルトン村に由来するといわれているスティルトン。青カビが繊細に細かく全体に広がっており、表面は濃い黄味を帯びているチーズです。

チェダリング製法というイギリスのチーズによく見られる製法で作られており、水分が少なく組織がぽろぽろと崩れやすいチーズで、濃厚な旨味に強めの塩気と、やや苦みを伴う後味を楽しめます。イギリスではクリスマスにスティルトンを贈る習慣があるようです。

\次のページで「ブルーチーズに生えるカビの謎」を解説!/

ブルーチーズに生えるカビの謎

image by iStockphoto

青カビが生えたパンやお餅を食べてはいけない、誰もが認識していることだと思います。保存状態が悪くて食品にカビが生えてしまったら、残念ですが処分することになりますよね。

それなのにわざわざカビを生やして作られているブルーチーズ。食べても大丈夫なのでしょうか。食べたことのない人なら、お腹を壊すのではないかと心配になるかもしれません。ここからはブルーチーズのカビについて解説していきます。

ブルーチーズのカビは食べても大丈夫?

ブルーチーズに生えている青カビと、パンやお餅に生えてしまう青カビ、どちらも同じ青カビですが、種類が異なり、ブルーチーズに使用される青カビは「ペニシリウム・ロックフォルティ」「ペニシリウム・グラーカム」のどちらかです。

青カビが作る代謝物に「パツリン」「ペニシリン酸」というものがあり、この2つは人体に有害な物質であるとされています。しかしブルーチーズに使用されている青カビはパツリンの生成が行われないのです。

またペニシリンは低温熟成されるたんぱく質食品ではほとんど生成されず、生成されても内部で分解されてしまうという特性があります。ブルーチーズの青カビには毒素が含まれていないから、食べても大丈夫なのです。

ブルーチーズに新たなカビが生えてしまったら

もともと青カビが生えているブルーチーズですが、保存状態が良くないと白カビや赤カビ、黒カビ、新たな青カビが生えてしまうことがあります。「チーズに生えたカビだから大丈夫」なんて思って食べてはいけません。これらはブルーチーズの製造で使用されるカビとは種類が異なり、パンやお餅など他の食べ物に生えるカビ同様に人体に有害である可能性が高いカビです。

表面だけに生えているように見えても内部に浸透して繁殖していますので、表面だけ取り除いて食べるのも危険。残念ですが、カビが生えたものは処分しましょう。

もともと生えている青カビが繁殖して増えた場合

ブルーチーズに生えている青カビは生きているので、冷蔵庫で長く保管していると青カビが増えてしまう場合があります。この場合は賞味期限内であれば食べても問題ありませんが、あまりにもたくさん青カビが生えてしまうと本来の風味が変わってしまうので注意してくださいね。

ブルーチーズを食べてみよう

ここまでゴルゴンゾーラとブルーチーズの違いについて解説してきました。ゴルゴンゾーラはブルーチーズの一種であるということがわかりましたね。ブルーチーズは独特の風味を持っていますので、苦手な人もいるかと思いますが、好きな人にとってはたまらない味ですよね。

ブルーチーズに生えている青カビは毒性がないどころか、実は健康効果が期待できるカビなのです。「ラクトトリペプチド」という成分に血管のアンチエイジング効果があるということで、近年注目を浴びています。また脂肪の分解力が高く、ほかにもコレステロールを低下させる効果炎症を抑える効果、認知症の予防などが期待できるのです。これまで見た目で敬遠していたという人は、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。ただし食べすぎると塩分と脂肪分の過剰摂取になってしまいますので、適量を楽しんでくださいね。

" /> 簡単でわかりやすい!ゴルゴンゾーラとブルーチーズ の違いとは?世界三大ブルーチーズや青カビについても食いしん坊ライターが詳しく解説 – Study-Z
雑学

簡単でわかりやすい!ゴルゴンゾーラとブルーチーズ の違いとは?世界三大ブルーチーズや青カビについても食いしん坊ライターが詳しく解説

この記事ではゴルゴンゾーラとブルーチーズの違いについてみていきます。どちらもチーズのことです。普段チーズを食べない人も名前は聞いたことがあるでしょう。今回はそんなゴルゴンゾーラとブルーチーズの違いや、ブルーチーズの種類やブルーチーズに生えている青カビについて、食いしん坊ライターaoと一緒に解説していきます。

ライター/ao

子どもの頃からクセの強い、お酒のつまみになるような食べ物が大好きなライター。ブルーチーズも大好きだが、特別な日に食べる贅沢品としている。

ゴルゴンゾーラとブルーチーズの違いとは

image by iStockphoto

ブルーチーズとは、熟成期間に青カビを繁殖させたチーズのことをいいます。一方ゴルゴンゾーラとは、ブルーチーズの一種で、世界三大ブルーチーズのひとつです。

ブルーチーズとは

ブルーチーズは一般的なチーズとは異なり、チーズ全体にカビが生えており独特な見た目をしているので、普段チーズを食べない人でも見かけたことはあるかもしれません。どのような特徴をもったチーズなのでしょうか。ここからはブルーチーズについて詳しく解説していきます。

ブルーチーズ:カビを繁殖させたチーズ

ブルーチーズとは牛乳や羊乳を原料として作られるチーズの一種で、チーズの内側に穴を開けて、組織の中で青カビを生育、内部から熟成させるチーズです。チーズ内部の隙間に大理石状に青カビが生えています。

一般的なチーズと比べると、濃厚でクセのある風味と香りを持ち、塩分が強めなのが特徴。熟成させる青カビはチーズ用に培養された青カビ菌ですが、ヨーロッパでは自然に生える青カビを利用してブルーチーズを作るところも一部にあるようです。

ブルーチーズの歴史

ブルーチーズの起源についてははっきりしたことが分かっていませんが、2000年前のローマ時代の書物にブルーチーズの記述があり、フランスのロックフォール・シュール・スールゾン村の羊飼いの伝説が有名です。羊飼いの青年が休憩中に洞窟でパンとチーズを食べようとした時に、洞窟の前を美しい娘が通り過ぎました。青年はその娘に一目ぼれ。パンとチーズをそのままにしてその娘を追いかけました。

それからずいぶん後になって、置きっぱなしにしていたパンとチーズを取りに行くと、チーズに青カビが生えており、おそるおそる食べてみたところ、驚くようなおいしさだった、という伝説が有名です。洞窟の中で低温熟成されてできたということですね。

\次のページで「ブルーチーズはどうやって作られるの?」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: