3分で簡単にわかる!「南無阿弥陀仏」と「南無妙法蓮華経」の違いとは?宗派や特徴を学芸員ライターがわかりやすく解説
「南無阿弥陀仏」と「南無妙法蓮華経」の宗派の特徴を詳しく解説
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「南無阿弥陀仏」と「南無妙法蓮華経」は宗派が違うことがわかりました。しかしどちらも仏教で、何の違いがあるかまだ疑問が残る人もいると思います。そこで次は「南無阿弥陀仏」がよく唱えられる浄土宗・浄土真宗と、「南無妙法蓮華経」と唱える日蓮宗の特徴についてみていきましょう。
浄土宗の特徴
「南無阿弥陀仏」を唱える浄土宗は、平安時代の終わり頃に法然によって開かれます。平安時代の終わりは、戦や飢饉で人々が苦しみ不安や不満が充満する世でした。しかし日本に伝来した当初の仏教は、苦しい修行を乗り越えた者でないと救われないとされており、一般大衆向けではありませんでした。
そこで法然が、厳しい修行をしたり難しいお経を覚えたりしなくても「南無阿弥陀仏と唱えるだけで救われる」と説きました。わかりやすいこの教えは仏教が広まるきっかけをつくりましたが、同時に他の僧から反発が生じ法然は迫害されることになります。
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浄土真宗の特徴
浄土真宗を開いたのは法然の弟子の親鸞です。親鸞は「南無阿弥陀仏と唱えなくても救いを信じるだけで救われる」という絶対他力を説きました。他力の「他」は阿弥陀のことです。また悪人は善人よりも自分の悪いところを自覚しており阿弥陀にすがる気持ちが強いことから、「悪人こそ救われる」としています。
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日蓮宗の特徴
「南無妙法蓮華経」を唱える日蓮宗は、鎌倉時代に日蓮によって開かれました。日蓮は比叡山での修行を通して「法華経」の教えこそが世の中を救うものだと悟ります。法華経にはすべてのお経が含まれお釈迦様の真の心が表されているものです。日蓮宗での法華経は「生きるものすべてが仏になれる」と説いています。
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