英語には混同しがちな表現があるよな。代表的なものは「分詞」と「動名詞」です。
この2つの違いを明確に理解して使えている人は少ないんじゃないか。
今回は分詞と動名詞の違いについて、海外との取引経験のあるライターおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

分詞の意味

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分詞と動名詞は見た目上一緒に見えてしまいますよね。具体的には「〇〇ing」となっているものは、分詞にも動名詞にも見受けられます。ここではまず、両者の違いを解説する前にそれぞれの言葉の意味を理解しましょう。まずは「分詞」について解説します。

分詞:現在の状態を表す

そもそも「分詞」とは動詞と形容詞の性質をあわせ持った複合語のこと。動詞とは文字通り動きを、形容詞とは形容する、つまり状態を表現するための言葉です。「分詞」とは動きと状態を同時に表すための言葉なんですね。

「分詞」には「現在分詞」、つまり現在の動きと状態を表す言葉と、「過去分詞」という過去の動きと状態を表す言葉があります。「〇〇ing」の形式で表記されるのが「現在分詞」です。つまり「動名詞」と混同しがちな「分詞」は「現在分詞」のことなんですね。

現在分詞の用例

では早速用例を見ていきましょう。「He is running」と書けば日本語では「彼は走っている」ことを意味します。

「He」は名詞(主語)、「is」はbe動詞~(である)なので、現在分詞「running(走っている状態)」と結びつけることで、「彼は走っている状態である」という意味を構成することができるのです。これを簡単に表現したものが「彼は走っている」という日本語訳なんですね。

動名詞の意味

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「動名詞」も「〇〇ing」として表記する言葉として有名です。「現在分詞」が「~している状態」を表していたので、名詞的な用法で使われることはご理解いただけましたね。ということは、混同されがちな「動名詞」も名詞的な用法で使われるということです。ここでは「動名詞」について解説していきます。

\次のページで「動名詞:動作そのものを表す」を解説!/

動名詞:動作そのものを表す

「動名詞」は動作そのものを意味する名詞です。「動きの名詞」だから「動名詞」なんですね。例えば動詞「run(走る)」は「ing」をつけることで「動名詞」となり、「running(走ること)」という意味になります。元々動詞として使っていた言葉を名詞として使いたいときに用いる表現なのです。

動名詞の用例

「I like running」と書けば日本語では「私は走ることが好きだ」となります。この文の構造は次の通り。「私」は名詞(主語)、likeは動詞、runningは「動名詞」です。

また日本語に訳する際に名詞のように訳することのできる動名詞も存在します。例えば「studying」は「勉強すること」という意味ですが、「勉強」と訳しても違和感はありません。「I like studying」を「私は勉強することが好きだ」と訳するよりは、「私は勉強が好きだ」と訳した方がスマートですよね。

分詞と動名詞の違い

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ここまで「分詞」と「動名詞」の持つ意味をそれぞれ解説してきました。それではいよいよ「分詞」と「動名詞」の違いについて解説していきましょう。ここが理解できれば英語をもっと楽しめるようになりますよ。

分詞は状態を、動名詞は動きを表す

「分詞」は状態を表す言葉です。とりわけ「現在分詞」は現在の状態、つまり「今~している」を表しています。これに対して「動名詞」は動きそのものを指す言葉です。「~していること」と理解しましょう。

形容詞的用法の現在分詞と動名詞の見分け方

ものの状態を表す形容詞。では形容詞的に「現在分詞」と「動名詞」が使われた場合、どのように見分ければいいのでしょうか。答えは語順にあります。

「running dog(走っている犬)」という分において、「running」は名詞「dog」の前に来ていますよね。前に置いて形容するのが形容詞的な「現在分詞」です。

これに対して「trail running(トレイルランニング)」という言葉は「トレイル(未舗装路)」という名詞と、「running」という動名詞が結びついています。つまり名詞の後に置いて、複合的な名詞表現をするのが「動名詞」です。

\次のページで「「分詞」は状態、「動名詞」は動き」を解説!/

「分詞」は状態、「動名詞」は動き

「分詞」と「動名詞」それぞれの意味を解説した上で、結論として「分詞」と「動名詞」の違いを紹介しました。記事を読む前よりも、ぐっと使い方のイメージが固まったのではないでしょうか。

英語はシンプルな言語でありながら、ときに複雑な構造を感じさせるときもあります。そんなときはそれぞれの言葉がどのように用いられているかを確認すると理解が進みますよ。

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言葉雑学

3分で簡単にわかる分詞と動名詞の違い!現在分詞とは何?わかりやすい用例で元貿易商社マンライターが詳しく解説

英語には混同しがちな表現があるよな。代表的なものは「分詞」と「動名詞」です。
この2つの違いを明確に理解して使えている人は少ないんじゃないか。
今回は分詞と動名詞の違いについて、海外との取引経験のあるライターおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

分詞の意味

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分詞と動名詞は見た目上一緒に見えてしまいますよね。具体的には「〇〇ing」となっているものは、分詞にも動名詞にも見受けられます。ここではまず、両者の違いを解説する前にそれぞれの言葉の意味を理解しましょう。まずは「分詞」について解説します。

分詞:現在の状態を表す

そもそも「分詞」とは動詞と形容詞の性質をあわせ持った複合語のこと。動詞とは文字通り動きを、形容詞とは形容する、つまり状態を表現するための言葉です。「分詞」とは動きと状態を同時に表すための言葉なんですね。

「分詞」には「現在分詞」、つまり現在の動きと状態を表す言葉と、「過去分詞」という過去の動きと状態を表す言葉があります。「〇〇ing」の形式で表記されるのが「現在分詞」です。つまり「動名詞」と混同しがちな「分詞」は「現在分詞」のことなんですね。

現在分詞の用例

では早速用例を見ていきましょう。「He is running」と書けば日本語では「彼は走っている」ことを意味します。

「He」は名詞(主語)、「is」はbe動詞~(である)なので、現在分詞「running(走っている状態)」と結びつけることで、「彼は走っている状態である」という意味を構成することができるのです。これを簡単に表現したものが「彼は走っている」という日本語訳なんですね。

動名詞の意味

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「動名詞」も「〇〇ing」として表記する言葉として有名です。「現在分詞」が「~している状態」を表していたので、名詞的な用法で使われることはご理解いただけましたね。ということは、混同されがちな「動名詞」も名詞的な用法で使われるということです。ここでは「動名詞」について解説していきます。

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