この記事ではかつおだしの選び方や使い方についてみていきます。かつおだしはうまみが豊富な出汁で和食に欠かせない存在ですが、一番出汁や二番出汁の違いは知っているか?簡単にいうと出汁が取れる順番ですが、それぞれに合った用途があるみたいです。また、だしを使うおすすめのレシピも見ていこう。
今回はかつおだしの種類や選び方、それぞれに合った使用方法について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。仕事でたびたびかつおだしを取っている。家での料理では粉末タイプのかつおだしが欠かせない。

かつおだしの種類

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自宅で作る、かつお節を使用したかつおだしは2種類あります。取り方をみていきましょう。

その1.香り高くて上品な味わいの「一番出汁」

一番出汁はその名の通り最初にとれるだしのことで、香り高く上品な味わいで澄んだ色が特徴です。沸騰したお湯に火を止めてからかつお節を入れ、数分間置いたのちにこして作ります。雑味の原因になるのでかつお節は絞らなように注意しましょう。水1Lに対してかつお節30g使用するのがおすすめです。

昆布と合わせてだしを取るとさらにうまみがアップします。昆布も使用する場合は、水に数時間つけてから火にかけて沸騰直前で鍋から取り出しましょう。かつお節を入れる工程からは同じです。

その2.はっきりした味わいで強いうまみの「二番出汁」

二番出汁も名前の通り2番目にとれるだしのことで、強いうまみがありますが多少の雑味も含まれているのが特徴です。一番出汁の半分量の水と一番出汁で使用したかつお節を入れて火にかけて、煮立ったら5~10分程度弱火でうまみを煮だします。時間をかけてゆっくりうま味を煮だすため一番出汁よりも強いうまみがありますが、雑味が感じられて香りは少ないです。

二番出汁は強いうまみと多少の雑味があるため、しっかりした味付けや様々な食材を使う料理におすすめとなります。一番出汁に使用した昆布がある場合もかつお節と一緒に煮だしましょう。

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その3.かつお節で取っただしに近い!だしパック

かつお節からだしを取るよりもお手軽で、かつお節からとっただしに近い香りや味が楽しめるだしパックが使いやすくておすすめです。楽においしくかつおだしを取れますが、香りはかつお節からとったものよりは劣ります。

かつお節だけでなく昆布や椎茸などのだしがブレンドしてあることもありますが、中には化学調味料などが含まれていることもあるようです。無添加にこだわりたい方や、塩分に気を付けている方は原材料をよく確認するようにしましょう。

その4.粉末や顆粒タイプは便利に使える!

自分でかつおだしを取るのは手間がかかるし面倒だなと思ってしまう方にも、忙しい時にも便利に使える粉末タイプも家にストックしておくのがおすすめです。すまし汁などの汁物から煮物まで何にでも簡単に使用できます。注意点としては、自分で取るだしよりも塩分が高めの場合が多いです。粉末出汁を使用するだけで塩分も追加されていることを考えて料理に使用しましょう。

かつおだしの選び方

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かつおだしを取るときに使用するかつお節の選び方と、簡単な粉末タイプの選び方をそれぞれみていきましょう。

1.かつお節から選ぶ

だしを取るのに向いているかつお節を選びましょう。和え物用で薄く小さく削ってあるかつお節でもだしは取れますが、少量しか入っていないのでだし用にするには割高になります。ただし、大容量だとかつお節の酸化により味や香りが落ちてしまうので数週間で使い切れる量のものが良いでしょう。

薄削りや厚削りのかつお節がありますが、薄削りのほうがだしをとりやすくて扱いやすいです。圧削りはだしを取るのに時間がかかりますが、濃くて深みのあるだしが取れます。だしを取るのに慣れてきたら挑戦すると良いでしょう。

2.粉末タイプで塩分無添加を選ぶ

粉末タイプの注意点として塩分が多めのことがあるとお伝えしましたが、粉末タイプで塩分無添加もあります。高血圧や生活習慣病予防のために、減塩を意識して生活されている方も多いです。減塩のために自宅でだしをとるのは大変、という方は塩分が含まれていないタイプを選ぶと良いでしょう。

粉末タイプは商品によって香りや無添加にこだわっているものもあるので、自分の好みのものを選ぶのも選び方のポイントです。

かつおだしを使ったレシピ

和食に欠かせないかつおだしですが、具体的にどのような料理におすすめなのかみていきましょう。

\次のページで「1.一番出汁活用おすすめレシピ」を解説!/

1.一番出汁活用おすすめレシピ

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一番出汁は、すまし汁やお吸い物、茶碗蒸しなど、だしの香りや素材の味を引き立たせる料理におすすめです。味噌や醤油で濃い味付けにする料理は、せっかくの一番出汁の上品な香りを消してしまうため薄めの味の調理をしましょう。醤油は使用するにしても少量にとどめて、色が薄くて味の濃い薄口しょうゆや塩で味付けをすると香りやだしの色が生きた料理になります。

2.二番出汁活用おすすめレシピ

二番出汁は、味噌汁や煮込み料理、おでんなど、しっかりした味付けでだしの強いうまみを生かした料理におすすめです。火の通りづらい肉や野菜を煮込んでも、もともとだしの香りが弱いため香りが飛んでしまうことを気にしないで使用できます。また、煮込むことでうま味が凝縮されると、より二番出汁の特徴が感じられるようになるでしょう。

3.だしを使って洋食を作ろう

かつおだしは、意外にもコンソメや鶏ガラなどの洋風出汁にも相性が良いです。一番簡単なのは、パスタでかつおだしを使用すること。和風パスタはもちろん、クリームパスタなど洋風の味付けにも相性がいいです。洋風出汁と違いかつおだしは深みのあるうま味が特徴ですので、今ひとつ味がぼんやりしているな、というときに少量足すと味が決まります。

同じようにポトフやスープなどに使用するのも味に深みが出ておすすめです。味が少し薄いかも、と感じたときに足す調味料の1つにかつおだしも加えてみてください。

4.かつおだしを取った「出し殻」も活用したい!

かつおだしのだしがらも活用してほしいです。かつおだしを取った後のだしがらをそのまま捨てていませんか?だしがらにも栄養が残っています。

だしがらで作れるもので、ふりかけや佃煮が代表的です。フライパンで醤油やごまと一緒に炒って水分を飛ばせばふりかけに、砂糖や醤油で味付けして佃煮がそれぞれ作れます。また、和え物に使用しておかか和えにする方法も簡単でおすすめです。圧削りのかつお節なら少し刻んで使用すれば食べやすいでしょう。だしを取った後の出し殻を活用することは、食材を無駄なく使えて環境にも優しいのでぜひ取り組んでほしいです。

かつおだしは冷凍保存がおすすめ!

かつおだしは冷凍保存すると1ヶ月程度保存できます。製氷皿に入れてコロコロの状態にしておくと使う分だけ解凍しやすいのでおすすめです。しかし、時間がたてば香りや味が落ちていくので、早めに使用すると良いでしょう。また、かつおだしを冷蔵保存する場合は2日程度で使い切りましょう

かつおだしを活用して料理をおいしく食べよう

かつおだしの種類や選び方、使い方などが分かりました。一番出汁と二番出汁の違いやおすすめの使い方も分かったので、それぞれ活用してみてほしいです。また、用途に合わせてだしの種類を変えて使用することで、料理のおいしさや作りやすさが変わります。普段はだしパックで、特別な日はかつお節からだしを取る、などライフスタイルに合わせた使い方もできますよ。うまみたっぷりのだしを日々使用して、食事を楽しんで食べてほしいです。

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家庭科

簡単でわかりやすい!かつおだしの種類はどう違う?だしの取り方から使い方まで管理栄養士がくわしく解説

この記事ではかつおだしの選び方や使い方についてみていきます。かつおだしはうまみが豊富な出汁で和食に欠かせない存在ですが、一番出汁や二番出汁の違いは知っているか?簡単にいうと出汁が取れる順番ですが、それぞれに合った用途があるみたいです。また、だしを使うおすすめのレシピも見ていこう。
今回はかつおだしの種類や選び方、それぞれに合った使用方法について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。仕事でたびたびかつおだしを取っている。家での料理では粉末タイプのかつおだしが欠かせない。

かつおだしの種類

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自宅で作る、かつお節を使用したかつおだしは2種類あります。取り方をみていきましょう。

その1.香り高くて上品な味わいの「一番出汁」

一番出汁はその名の通り最初にとれるだしのことで、香り高く上品な味わいで澄んだ色が特徴です。沸騰したお湯に火を止めてからかつお節を入れ、数分間置いたのちにこして作ります。雑味の原因になるのでかつお節は絞らなように注意しましょう。水1Lに対してかつお節30g使用するのがおすすめです。

昆布と合わせてだしを取るとさらにうまみがアップします。昆布も使用する場合は、水に数時間つけてから火にかけて沸騰直前で鍋から取り出しましょう。かつお節を入れる工程からは同じです。

その2.はっきりした味わいで強いうまみの「二番出汁」

二番出汁も名前の通り2番目にとれるだしのことで、強いうまみがありますが多少の雑味も含まれているのが特徴です。一番出汁の半分量の水と一番出汁で使用したかつお節を入れて火にかけて、煮立ったら5~10分程度弱火でうまみを煮だします。時間をかけてゆっくりうま味を煮だすため一番出汁よりも強いうまみがありますが、雑味が感じられて香りは少ないです。

二番出汁は強いうまみと多少の雑味があるため、しっかりした味付けや様々な食材を使う料理におすすめとなります。一番出汁に使用した昆布がある場合もかつお節と一緒に煮だしましょう。

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