この記事では「基礎」と「基本」の違いについて見ていきます。「基礎から学ぶ」「基本に忠実に」など日常でよく使う基礎と基本という言葉ですが、どちらも全く同じように見えて、微妙に意味合いが違うんです。
では、具体的になにが違うのか。今回は2つの言葉のニュアンスの違いや、どういう場面で使うのかを、日本語の表現に詳しい元塾講師ライターのザツガクマナブと一緒に解説していきます。

ライター/ザツガクマナブ

日本語の表現に詳しい元塾講師WEBライター。趣味は古本屋巡り。得意ジャンルは文学、歴史、英語。

「基礎」と「基本」の意味の違い

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基礎も基本もどちらも2文字の漢字で構成されています。共通しているのはどちらも「基」という漢字から始まっていることです。基という字は、「物事の一番下にあって支えているもの」「物事の根本」といった意味を表します。つまり基礎も基本も支えとなるものであるということが言えるでしょう。

「基礎」のイメージは「土台」

基礎の「礎」という漢字は「建物をその上に立てる土台の石」という意味を表します。基も礎もどちらも同じく一番下で支える土台という意味です。基礎とは土台であり一番下にあるものというイメージを持ちましょう。

「基本」のイメージは「軸」

基本の「本」という漢字は「物事のはじまり」「物事の大もと」という意味を表します。つまり基本とは物事の中心となる軸であり、欠かすことのできない重要な部分のことを指しているのです。基礎が下にある土台ならば、基本は中心となる大事な軸というイメージを持つとわかりやすいでしょう。

「基礎」と「基本」の使い方を例文でチェック!

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基礎と基本の大まかな意味の違いがわかりました。次は例文を見ながら具体的な使い方を学んでいきましょう。

「基礎」の使い方と例文

基礎は積み重ねていくための土台です。知識や技術の習熟度に関することを述べる場面で主に使われます。

\次のページで「「基本」の使い方と例文」を解説!/

野球の練習はキャッチボールや素振りといった基礎的なメニューから始まる。

上の例文を見てみましょう。この場合の基礎はキャッチボールや素振りを指します。基礎となる練習が土台となり、その上のレベルへとステップアップしていくことができるのです。

創業者が今日の会社の基礎を築いた。

この場合も、基礎は一番下の支えとなるもので、そこを土台として会社というものが上へと積み重なって大きくなっていくイメージです。

「基本」の使い方と例文

基本は中心となる大事な軸です。物事の概念や価値観を説明する場面で主に使われます。

野球の基本は打つこと・守ること・走ることである。

上の例文では「打つこと」「守ること」「走ること」が、野球という概念の中心の軸となるものです。基本は欠かすことのできないものであり、打つ・守る・走るという要素がなければ野球というものが成立しません。

\次のページで「「基礎」と「基本」を使った四字熟語」を解説!/

会議で会社の基本方針を決定する。

この場合の基本方針とは、会社がどう進んでいくかという価値観を意味するものです。基本となる方針がまず中心にあり、それを軸として意思決定をするというイメージを持つとわかりやすいでしょう。

「基礎」と「基本」を使った四字熟語

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ここでは基礎と基本を使った四字熟語にどんなものがあるかを見ていきます。

「基礎」を使った四字熟語

まずは「基礎」を使った四字熟語です。

・基礎代謝
・基礎体温
・基礎年金
基礎疾患
基礎控除

「基本」を使った四字熟語

「基本」を使った四字熟語です。

\次のページで「「基礎」と「基本」の英語表現」を解説!/

・基本原理
・基本原則
・基本理念
・基本料金
・基本単位

「基礎」と「基本」の英語表現

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基礎と基本を英語で表現するとどうなるのでしょうか。英語では基礎と基本の意味は日本語よりもあいまいです。ここでは基礎と基本それぞれの意味により近い英語表現を見ていきましょう。

「基礎」:foundation

土台という意味での基礎を表す単語はfoundationが最も適切です。〜の基礎を築くはlay the foundation for〜となります。

lay the foundation for the company
(会社の基礎を築く) 

「基本」:basics

軸となる要素という意味での基本を表す単語はbasicsが最も近いでしょう。「基本的な」は形容詞のbasicです。

a basic policy
(基本方針) 
a basic human right
(基本的人権)

場面に応じて使い分けよう

今回の要点をまとめると次のようになります。「基礎は土台で下にあるイメージで、知識や技術に対して使われる」「基本は中心となる大事な軸で、概念や価値観に対して使われる」「英語では基礎と基本の区別は日本語よりもあいまいである」

英語がそうであるように、日本語でも基礎と基本を明確に区別することは困難です。しかしそれが言葉の面白さでもあります。例えば、「国語を基礎から学習する」も「国語を基本から学習する」も、どちらも間違いではありません。個人的には、下から上へと積み重ねていくという感覚から、「基礎から学習する」がしっくりとくるように感じます。皆さんはどうでしょうか。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
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3分で簡単にわかる「基礎」と「基本」の違い!意味や使い方・英語表現も元塾講師ライターがわかりやすく解説

この記事では「基礎」と「基本」の違いについて見ていきます。「基礎から学ぶ」「基本に忠実に」など日常でよく使う基礎と基本という言葉ですが、どちらも全く同じように見えて、微妙に意味合いが違うんです。
では、具体的になにが違うのか。今回は2つの言葉のニュアンスの違いや、どういう場面で使うのかを、日本語の表現に詳しい元塾講師ライターのザツガクマナブと一緒に解説していきます。

ライター/ザツガクマナブ

日本語の表現に詳しい元塾講師WEBライター。趣味は古本屋巡り。得意ジャンルは文学、歴史、英語。

「基礎」と「基本」の意味の違い

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基礎も基本もどちらも2文字の漢字で構成されています。共通しているのはどちらも「基」という漢字から始まっていることです。基という字は、「物事の一番下にあって支えているもの」「物事の根本」といった意味を表します。つまり基礎も基本も支えとなるものであるということが言えるでしょう。

「基礎」のイメージは「土台」

基礎の「礎」という漢字は「建物をその上に立てる土台の石」という意味を表します。基も礎もどちらも同じく一番下で支える土台という意味です。基礎とは土台であり一番下にあるものというイメージを持ちましょう。

「基本」のイメージは「軸」

基本の「本」という漢字は「物事のはじまり」「物事の大もと」という意味を表します。つまり基本とは物事の中心となる軸であり、欠かすことのできない重要な部分のことを指しているのです。基礎が下にある土台ならば、基本は中心となる大事な軸というイメージを持つとわかりやすいでしょう。

「基礎」と「基本」の使い方を例文でチェック!

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基礎と基本の大まかな意味の違いがわかりました。次は例文を見ながら具体的な使い方を学んでいきましょう。

「基礎」の使い方と例文

基礎は積み重ねていくための土台です。知識や技術の習熟度に関することを述べる場面で主に使われます。

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