禁じられた行為を指す言葉が「不法」と「違法」です。
この2つの言葉はよく似ているので違いが分からない人も多いはずです。
今回は「不法」と「違法」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

不法と違法の違い

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街中の看板やマスメディアのニュースでも見かける言葉「不法」と「違法」。これらの言葉はどちらも法に反していることを意味していそうですが、具体的にはどう違うのでしょうか。ここではまず「不法」と「違法」の違いについて解説していきます。

不法:倫理にそむくこと、法律に違反すること

「不法」は人の道にそむく行為全般を指します。具体的には倫理にそむくこと、法律に違反することといった、反社会的とみなされる行為全般です。例えば「不法侵入」という言葉は「不法」に他人の敷地に入ることを指しますが、ここには刑法的に処罰の対象となるという意味だけでなく、倫理的ではないというニュアンスも含まれています。

違法:法律に違反すること

「違法」とは法律に違反することです。「法に違(たが)える」という文字通りの意味ですね。刑法や民法などの法律に違反する行為全般で使用します。例えば交差点などに自動車を駐車する行為は、道路交通法という法律上「違法」となるため「違法駐車」という行為です。その意味では「不法」の意味の一部を切り抜いた言葉と言えます。よって「違法」は「不法」の類義語です。

不法と違法の使い分け方

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「不法」と「違法」の違いについてはおわかりいただけたと思います。ここで気になるのは、この2つの言葉をどのような基準で使い分けているのかですよね。ここでは「不法」と「違法」の使い分け方について解説していきます。

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不法:故意に反社会的な行為をする場合

「不法」と「違法」の間で大きく違っている点は、「違法」は知らず知らずのうちにしてしまう行為もあるものの、「不法」は故意にしている行為であることがほとんどだという点。例えば「不法侵入」、「不法入国」、「不法移民」、「不法就労」、「不法投棄」などです。

違法:法律や規制に違反する行為をする場合

「違法」は法律や規制に関する場合に使われることが多いです。代表的な言葉としては先述の「違法駐車」はもちろん、「違法営業」、「違法建築」、「違法カジノ」、「違法コピー」、「違法ダウンロード」など。より詳しく言えば「営業」や「建築」をすること自体に善悪はないものの、法律に違反しているために「違法」が使われています。倫理はあまり重視されていないんですね。

不法と違法に関連する言葉

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「不法」と「違法」に似た言葉は他にもあります。特に語感が似ている言葉が「脱法」と「非合法」です。ここでは「不法」と「違法」に関連する言葉として、「脱法」と「非合法」の意味についても解説していきます。

非合法:秘密裏に行われる違法

「非合法」は法律にそむく行為を指すという意味では「違法」とほぼ同じです。「合法に非(あら)ず」という文字通り、法律違反や法律が許容する範囲を超過することを指します。特に「秘密裡に違法行為をする」ニュアンスが強く、「非合法組織」や「非合法活動」など地下組織をイメージさせる言葉です。

脱法:複数の合法行為で違法行為をする

「脱法」とは複数の合法的な行為を組み合わせることで違法行為と同じ結果を得ることです。つまりは法の目をかいくぐるグレーゾーンな行為のこと。「脱法ドラッグ」と呼ばれる薬物は、法律上所持や使用が禁止されていない薬物を混ぜることで「違法ドラッグ」を生成したものです。「脱法ドラッグ」含め、「脱法行為」はたびたび法改正により「違法」とされています。

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不法は倫理・法律にそむくこと、違法は法律に違反すること

ここまで「不法」と「違法」の違い、「不法」と「違法」の使い分け方、そして「不法」と「違法」に関連する言葉を解説してきました。この記事を読む前より、「不法」と「違法」という言葉の持つニュアンスの違いが理解できるようになったのではないでしょうか。

残念なことに日々のニュースで「不法」や「違法」という言葉を目にしない日はありません。人間は完璧な存在ではありませんから、悪意が芽生えることもあれば、悪意なくして法を犯すこともあります。常に自身の行為が「不法」や「違法」に該当しないよう注意して過ごしたいものですね。

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言葉雑学

3分で簡単にわかる不法と違法の違い!脱法や非合法との違いや使い分けも雑学好きライターがわかりやすく解説

不法:故意に反社会的な行為をする場合

「不法」と「違法」の間で大きく違っている点は、「違法」は知らず知らずのうちにしてしまう行為もあるものの、「不法」は故意にしている行為であることがほとんどだという点。例えば「不法侵入」、「不法入国」、「不法移民」、「不法就労」、「不法投棄」などです。

違法:法律や規制に違反する行為をする場合

「違法」は法律や規制に関する場合に使われることが多いです。代表的な言葉としては先述の「違法駐車」はもちろん、「違法営業」、「違法建築」、「違法カジノ」、「違法コピー」、「違法ダウンロード」など。より詳しく言えば「営業」や「建築」をすること自体に善悪はないものの、法律に違反しているために「違法」が使われています。倫理はあまり重視されていないんですね。

不法と違法に関連する言葉

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「不法」と「違法」に似た言葉は他にもあります。特に語感が似ている言葉が「脱法」と「非合法」です。ここでは「不法」と「違法」に関連する言葉として、「脱法」と「非合法」の意味についても解説していきます。

非合法:秘密裏に行われる違法

「非合法」は法律にそむく行為を指すという意味では「違法」とほぼ同じです。「合法に非(あら)ず」という文字通り、法律違反や法律が許容する範囲を超過することを指します。特に「秘密裡に違法行為をする」ニュアンスが強く、「非合法組織」や「非合法活動」など地下組織をイメージさせる言葉です。

脱法:複数の合法行為で違法行為をする

「脱法」とは複数の合法的な行為を組み合わせることで違法行為と同じ結果を得ることです。つまりは法の目をかいくぐるグレーゾーンな行為のこと。「脱法ドラッグ」と呼ばれる薬物は、法律上所持や使用が禁止されていない薬物を混ぜることで「違法ドラッグ」を生成したものです。「脱法ドラッグ」含め、「脱法行為」はたびたび法改正により「違法」とされています。

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