
特定の条件下で禁止行為を解除すること
行政において「許可」とは、法律や法令で一般に禁止されている行為について、特定の条件の場合に行政庁がそれを解除し行為を適法とすることです。つまり特定条件下で禁止行為を解除するということですね。
例えば釣りをする際に遊漁券と呼ばれる証明書を購入しなければいけない場所があります。これらは各地域の漁協組合が水産業や海・河川・湖の生態系を守るために、組合員以外の釣り行為を禁止している場所で発行される証明書です。
一般の釣り人は遊漁券を購入することで、申請した日程の間は釣り行為が「許可」されます。例えば「当日中有効」の遊漁権を買えば、その日1日は許される範囲での釣りを楽しむことができるのです。
行政上の同意によって法律上の効力を完成させること
行政において「認可」とは、個人や法人の行為に対して、行政上の同意によって法律上の効力を完成させることです。学校法人や保育園、公共インフラや銀行業への支援は「支援を受ける権利」を法律上有効にさせることを意味しています。
「許可」との大きな違いは、「認可」は取得が自由ということ。「許可」は禁止行為を解除するためのものなので禁止行為を実行する際には必要です。しかし「認可」は禁止行為を解除するものではないので原則として処罰の対象とはなりません。あくまで法律上の効力を完成させるためのものと言えます。
もちろん「認可」を受けていないにも関わらず「認可施設」などと虚偽の発言を行うことは違法です。
許可と認可に似ている言葉

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「許可」と「認可」の違いについてだいぶイメージが固まったのではないでしょうか。ここで気になるのは「承認」など、「許可」と「認可」に似ている言葉たちですよね。ここでは「許可」と「認可」の類語についても解説していきます。
承認:正しいと認めること
「承認」とはある事柄に対してもっともだと正当性を認めること、つまりは正しいと認めることを指します。例えば仕事において、企画書や見積書で「上司の承認をもらう」ことがありますよね。これは会社としてのGOサイン、つまり「記載されている内容で仕事を進めて問題ないよ」と認めてもらったことを意味します。
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認証:正当な手続きで行われたことを証明すること
「認証」とはある行為や文章の成立・記載などが正当な手続きで行われたことを公的機関が証明することです。例えば「我が社はISOの認証を取得した」と言った場合、ISO(国際標準化機構)の「認証機関」から「認証」を得たことを意味します。
もっと身近な例で言えば、スマホのロックを解除する際には「パスワード認証」や「指紋認証」がありますよね。これも正当な手続きで本人だと「認証」しているんです。
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