この記事では白砂糖と黒砂糖の違いについてみていきます。料理やお菓子作りなどに使われる砂糖ですが、白い砂糖と、茶色い砂糖があるのを知っているか?この2つの違いは色だけではなのです。また色の違いによる分類だけでなく、砂糖にはさまざまな種類がある。今回はそんな白砂糖と黒砂糖の違いやほかの砂糖の種類について、黒砂糖愛用ライターaoと一緒に解説していきます。

ライター/ao

健康を意識して、数年前より黒砂糖を使い始めたライター。用途により黒砂糖とてんさい糖を使い分けている。

白砂糖と黒砂糖の違いとは

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料理やお菓子作りなどに幅広く使用される基本の調味料である砂糖。白砂糖と黒砂糖は同じサトウキビという植物を原料にして作られます。どのようにして色の違いが生まれるのでしょうか。また色以外の違いはあるのか、くわしくみていきましょう。

違いその1.製造方法

黒砂糖は原料であるサトウキビの搾り汁を煮詰めて乾燥させたもので、「含蜜糖(がんみつとう」に分類されます。

一方の白砂糖は黒砂糖と同じようにサトウキビの搾り汁またはテンサイという植物の搾り汁を煮詰めた後に不純物を取り除き、何度も精製して作られたもので、「分蜜糖(ぶんみつとう)」に分類される砂糖です。白砂糖が白いのは不純物が取り除かれたことによるもので、漂白されているわけではありません。

違いその2.味

黒砂糖はサトウキビの搾り汁をそのまま煮詰めただけなので、サトウキビ自体に含まれる糖分やミネラル分などがそのまま残っています。そのため独特のコクがあり柔らかい甘味が特徴です。一方の白砂糖は、精製により糖分以外は取り除かれているので、シンプルに甘さだけを感じることができます。

違いその3.栄養価

黒砂糖は精製されていないため、サトウキビ本来の栄養素がそのまま残っており、100gあたりのカロリーは白砂糖よりやや低くカリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄が豊富に含まれており、健康や美容への効果が期待できます。一方の白砂糖は、糖分以外はほとんど含まれていません

白砂糖と黒砂糖、どちらが良いの?

黒砂糖の方がカロリーが少なくてミネラル分が豊富に含まれているのなら、白砂糖はやめて黒砂糖に置き換えれば良いんじゃないの?そう思った人もいるかもしれませんが、黒砂糖のデメリットとして、独特の甘味が料理やお菓子の味を邪魔してしまうという点があげられます。また仕上がりの色合いにも影響を与えてしまうのです。用途によって使い分けるのが良いかもしれませんね。

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白砂糖、黒砂糖についてもっと詳しく!

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白砂糖と黒砂糖は、製造方法が異なることによって、色、味、栄養面に違いが出ることがわかりましたね。白砂糖と黒砂糖の原料であるサトウキビ。名前は聞いたことがあるかと思いますが、どんな植物なのか知っていますか?

また白砂糖に使われるテンサイに関しては、名前すら聞いたことがないという人もいるかもしれません。ここからは白砂糖と黒砂糖について、さらにくわしく解説していきます。

サトウキビってどんな植物?

サトウキビとは、イネ科サトウキビ属の植物で、イネや麦、トウモロコシやススキなどが仲間になります。サトウキビは温暖な気候での栽培が適しており、丈夫で水不足にも強いという特徴をもち、日本では沖縄県や鹿児島県が主な生産地です。

約17000年前からパプアニューギニアで栽培されていたとされ、中国から琉球(沖縄)に伝わったといわれている植物で、秋に穂がつき、糖分を蓄えて1月~3月頃に収穫時期をむかえます。

砂糖の原料になるだけでなく、「バガス」と呼ばれる搾りカスは製糖工場の燃料として使用されたり、たい肥として畑で利用されたりしているサトウキビ。糖蜜もバイオエタノールの原料や家畜のエサとして利用されています。

砂糖はいつから作られているの?

砂糖は、奈良時代に中国から遣唐使によって伝わったといわれており、16世紀に始まった南蛮貿易では西洋菓子とともに砂糖もたくさん輸入されるようになりました。日本国内で砂糖の製造が行われるようになったのは江戸時代

1623年に琉球王国(沖縄県)の「儀間真常(ぎましんじょう)」が中国に人を派遣し、砂糖の製造方法をを学ばせたといわれています。江戸時代中期になると栽培が盛んに行われるようになり、四国や九州、本州でも生産が行われるようになりました。

テンサイってどんな植物?

テンサイ(甜菜)とは、ヒユ科アカザ赤フダンソウ属の植物です。ビートという植物の砂糖用品種群で、カブのような見た目をしており、光合成によって根の部分に糖分が蓄えられます。

カスピ海やコーカサス地方が原産で、家畜の飼料として利用されていましたが、1747年にドイツで根から砂糖を分離できることが発見されました。その後ナポレオンによる大陸封鎖で砂糖の価格が暴騰したことで、てんさい糖の製造が急速に広まったのです。日本では北海道で生産が行われており、初春に種をまき、雪解け後に畑に移植、秋に収穫されます。

砂糖というとサトウキビのイメージが強いですが、ヨーロッパでは砂糖はてんさい糖のことをさし、全世界の砂糖消費量の約30%はテンサイから作られた砂糖で占めているのです。根の部分を砂糖の原料として利用し、「ビートパルプ」と呼ばれる絞りカスは牛のエサとして利用され、草の部分は緑肥として利用されています。

黒糖と加工黒糖の違い

一般的に黒砂糖と呼ばれる砂糖には黒糖と加工黒糖があります。黒糖は、サトウキビの搾り汁のみで作られた砂糖。一方の加工黒糖は黒糖に粗糖(そとう)や糖みつなど他の原料が含まれていたり、ミントやココアなどのフレーバーがつけられたものをいいます。

黒糖か加工黒糖であるかは、商品表示の原材料欄がさとうきびだけか他の記載があるかで判断できますので、購入の際に確認してみてくださいね。

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摂りすぎはよくない

白砂糖と黒砂糖に含まれるブドウ糖は私たちが生きていく上で欠かせない大切なエネルギー源です。黒砂糖はミネラルも豊富に含まれていますが、だからといって摂りすぎると、血糖値の乱高下を招く原因になったり、肥満の原因にもなりかねません。適量を摂るようにしましょう。

砂糖の種類いろいろ

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白砂糖と黒砂糖は色が違うということで別の種類だとわかりますが、砂糖は色の違いだけでなく、たくさんの種類に分類されています。代表的な砂糖をいくつかご紹介しましょう。

・上白糖
日本でもっとも一般的な砂糖。風味にクセがなく料理やお菓子、飲み物など幅広い用途で使われる砂糖。精製されており、99%が炭水化物。
・グラニュー糖
上白糖よりも結晶が大きく純度が高い砂糖。コーヒーや紅茶、お菓子作りに使用される。
・白双糖(しろざらとう)
無色透明の砂糖。グラニュー糖よりもさらに結晶が大きく光沢があり、高級菓子やゼリーなどに使用される。
・三温糖(さんおんとう)
上白糖やグラニュー糖を作る時に精製した糖蜜を何度も加熱してカラメル化した茶色い砂糖。栄養価は白砂糖と変わらない。甘味が強くコクがあり、独特の香ばしい香りが特徴。煮物や照り焼きに使用される。
・きび砂糖
黒糖に近いコクと風味をもつ砂糖。サトウキビの搾り汁を煮詰めた後、白砂糖のように完全には精製せず、最小限の不純物を取り除いて作られる。きび砂糖の色は、ミネラル分によるもの。さまざまな料理に使える。
・てんさい糖
テンサイ(甜菜)から作られる砂糖で、ミネラル分を除去せずに作られ、オリゴ糖も含まれている。サトウキビから作られる砂糖に比べて身体を温める作用があるといわれている。

用途によって使い分けよう

ここまで白砂糖と黒砂糖について解説してきました。白砂糖は原料のサトウキビやテンサイを精製し、甘味だけを残したもので、黒砂糖は精製されていないものだということがわかりましたね。

健康効果を期待するなら断然黒砂糖で、黒砂糖には天然のオリゴ糖である「ラフィノース」も含まれており、腸内の善玉菌であるビフィズス菌を増やして腸内環境を整える作用や、免疫力を高める効果も期待できます。ただ独特の甘味をもっていますので、料理やお菓子の味や仕上がりの色に影響を与えてしまうことがあったり、白砂糖に比べると価格が高めというデメリットがあり、味が苦手だという人もいるでしょう。用途に応じて使い分けてみてくださいね。白砂糖も黒砂糖も過剰摂取には気をつけましょう。

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雑学

簡単でわかりやすい!白砂糖と黒砂糖の違いとは?原料やほかの砂糖の種類も黒砂糖愛用ライターが詳しく解説

この記事では白砂糖と黒砂糖の違いについてみていきます。料理やお菓子作りなどに使われる砂糖ですが、白い砂糖と、茶色い砂糖があるのを知っているか?この2つの違いは色だけではなのです。また色の違いによる分類だけでなく、砂糖にはさまざまな種類がある。今回はそんな白砂糖と黒砂糖の違いやほかの砂糖の種類について、黒砂糖愛用ライターaoと一緒に解説していきます。

ライター/ao

健康を意識して、数年前より黒砂糖を使い始めたライター。用途により黒砂糖とてんさい糖を使い分けている。

白砂糖と黒砂糖の違いとは

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料理やお菓子作りなどに幅広く使用される基本の調味料である砂糖。白砂糖と黒砂糖は同じサトウキビという植物を原料にして作られます。どのようにして色の違いが生まれるのでしょうか。また色以外の違いはあるのか、くわしくみていきましょう。

違いその1.製造方法

黒砂糖は原料であるサトウキビの搾り汁を煮詰めて乾燥させたもので、「含蜜糖(がんみつとう」に分類されます。

一方の白砂糖は黒砂糖と同じようにサトウキビの搾り汁またはテンサイという植物の搾り汁を煮詰めた後に不純物を取り除き、何度も精製して作られたもので、「分蜜糖(ぶんみつとう)」に分類される砂糖です。白砂糖が白いのは不純物が取り除かれたことによるもので、漂白されているわけではありません。

違いその2.味

黒砂糖はサトウキビの搾り汁をそのまま煮詰めただけなので、サトウキビ自体に含まれる糖分やミネラル分などがそのまま残っています。そのため独特のコクがあり柔らかい甘味が特徴です。一方の白砂糖は、精製により糖分以外は取り除かれているので、シンプルに甘さだけを感じることができます。

違いその3.栄養価

黒砂糖は精製されていないため、サトウキビ本来の栄養素がそのまま残っており、100gあたりのカロリーは白砂糖よりやや低くカリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄が豊富に含まれており、健康や美容への効果が期待できます。一方の白砂糖は、糖分以外はほとんど含まれていません

白砂糖と黒砂糖、どちらが良いの?

黒砂糖の方がカロリーが少なくてミネラル分が豊富に含まれているのなら、白砂糖はやめて黒砂糖に置き換えれば良いんじゃないの?そう思った人もいるかもしれませんが、黒砂糖のデメリットとして、独特の甘味が料理やお菓子の味を邪魔してしまうという点があげられます。また仕上がりの色合いにも影響を与えてしまうのです。用途によって使い分けるのが良いかもしれませんね。

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