パソコンやスマホでアプリを使うよな。これはアプリケーションの略です。ですが、ソフトウェアとかプログラムといった似たような言葉があるよな。これらの違いがわかるか。普段はこの差を意識しないが、専門家の世界では細かい違いがあるぞ。この違いや他にどんなものがあるのかを、実際にアプリケーションエンジニアとして活動していたプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。アプリケーションエンジニアの肩書きをもっていた。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

何が違う?ソフトウェア、プログラム、アプリケーション

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スマホやパソコンで欠かせないのがアプリ。ゲームや決済アプリなど多くのアプリを日々使いこなしている方も多いのでは。このアプリとは「アプリケーション」の略です。でも、プログラムやソフトウェアといった用語もありますよね。これらの違いは何でしょう。

ざっくり言えばソフトウェアの一部がプログラムで、さらにその一部がアプリケーションです。ここではアプリケーションとソフトウェアの違いやなぜ分けているのかを説明します。

ソフトウェア:プログラムだけではない

まずソフトウェアとはなんでしょう。対になる言葉はハードウェアです。ハードウェアとは物理的な形のあるもの。例えば、パソコンやスマホの本体のことです。それに対して、プログラムなどのことをソフトウェアと呼びます。

ここで「プログラムなど」と「など」を付けましたが、他に何があるのでしょう。多くの方はソフトウェアとはプログラムのことと思っているかも。実はソフトウェアはプログラムだけではありません。例えば、あるプログラムで扱うデータや、そのプログラムのマニュアルなどもソフトウェアに分類されます。スマホではプログラム以外もソフトウェアだと言ってもピンと来ないかも。でも、DVDやブルーレイなどの映像などもDVDソフト、映像ソフトなどと呼びますよね。

アプリケーション:ソフトウェア、プログラムの一種

アプリケーションの略がアプリですが、実はアプリケーションも省略されています正式には「アプリケーション・ソフトウェア」や「アプリケーション・プログラム」を省略したもの。日本語では応用ソフト(応用プログラム)と呼ぶこともあります。

応用ということは基本もありますが、それは後で。今はソフトウェアにも基本と応用(アプリ)があるということだけ覚えておいてください。ソフトウェアとプログラムは上で説明したように厳密には違うものですが、以後、この記事ではソフトウェアで統一しますね。

種類は2つ?ソフトウェアの分類

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ソフトウェアに基本と応用があると説明しました。コンピューターができた頃はこのような区別はありませんでした。しかし、その後、使い勝手を良くするためにソフトウェアが基本と応用に分けられたのです。

基本ソフトウェアはシステム・ソフトウェア(システム・ソフト、システム)とも言います。また、応用ソフトウェアは先に説明したようにアプリケーション・ソフトウェア(アプリケーション・ソフト、アプリ)です。何が違い、なぜ分けたのかを説明します。

分類1.基本(システム)ソフトウェア

最初に基本ソフトを説明します。そのパソコンやスマホの基本になるソフトウェアのことです。パソコンならばWindowsやmacOSスマホならiOSやAndroidOSなどのこと。つまり、OS(オペレーションシステム)のことです。

基本ソフトと呼ぶくらいなので、そのパソコンやスマホのOSはそのまま使います。入れ替えることも可能な場合もありますが、普通はそのまま使いますよね。また、同じパソコンでもOSを入れ替えてしまったら、今までのアプリは使えません。このようにそのパソコンやスマホの基本となる部分で、置き換えないものが基本ソフトです。

分類2.応用(アプリケーション)ソフトウェア

次が応用ソフトです。これはパソコンやスマホで普段使っているアプリのこと。必要に応じてインストールやアンインストールすることもありますね。ずっと同じアプリを使うこともあれば、違うアプリに乗り換えることも。

このように必要に応じて入れ替えて使うのが応用ソフト、つまりアプリです。最初から入っていることもあるし、ずっと使うものもあります。しかし、一般的には置き換え可能なソフトウェアが応用ソフトです。

\次のページで「何が違うの?基本ソフトと応用ソフト」を解説!/

何が違うの?基本ソフトと応用ソフト

具体的には基本ソフトと応用ソフトは何が違うのでしょう。基本ソフトはOSのこと。OSの役割は大きく分けてふたつです。まずはパソコンやスマホなどのハードウェアを制御すること。そして、応用ソフトのために便利な機能を提供すること。基本ソフトがあることで、応用ソフトをつくることが楽になります。

応用ソフトは直接ユーザーが操作するもの。アプリを使って仕事をすることもあれば、ゲームや動画視聴などの娯楽、SNSでのコミュニケーションが可能になります。基本と応用のふたつのソフトウェアが連携して動くことで、みなさんがパソコンやスマホを活用できるわけです。

なぜ分ける?基本と応用が別になったわけ

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ソフトウェアに基本と応用の2種類あるのは説明した通り。でも、なぜこのように分けているのでしょう。同じソフトウェアなんだからまとめてしまってもよさそうですよね。最後に、なぜ分けるようになったのかと、分けることによって得られるメリットを説明します。

専用と汎用?コンピューターの歴史

世界初のコンピューターと言われるのが1946年に完成したENIACです。一方、基本ソフト(OS)が登場したのは1950年代とされています。この差はなぜ生じたのでしょう。実は、登場したばかりのコンピューターには基本ソフトと応用ソフトの区別がなかったのです。ENIACはアメリカ陸軍が砲弾の飛ぶ軌道を計算するためにつくったもの。他のことに使うには、ソフトウェアを丸ごと入れ替える必要があります。つまり、基本的にはある目的専用のものだったのです。

一方、今のパソコンやスマホはアプリを入れ替えることで様々な用途に使えますよね。そのため汎用コンピューターと呼ぶことも。ゲームしかできないゲーム機と、ゲームだけでなく仕事にも使うパソコンをイメージするとわかりやすいですね。コンピューターがある目的専用のものから汎用的に使うようになったことが基本と応用が分かれるきっかけにつながります。

役割分担?基本と応用を分けるメリット

ここでカレーを作ることを考えてみましょう。市販のカレールーを使うのが一般的ですね。スパイスなどを集めて玉ねぎを炒めて…と、何もないところから調理することもできます。でも、やはり市販のルーを使えば失敗が少なくなるし、手軽にできますよね。

コンピューターのアプリも同じ。色々な用途に使うためにハードウェアを制御する部分から毎回つくり始めると大変。そこで市販のルーにあたるのが基本ソフト、OSです。あらかじめWindowsやmacOSといったOSがあることで、プログラムつくりも手軽になり、失敗が少なくなります。市販のルーはあらかじめ味を整えてくれていますよね。OSもアプリのために様々な機能を用意しています。それを使うことで便利なアプリを手軽につくることができるのです。

\次のページで「アプリケーションはソフトウェアの一種、ユーザーが直接触れるもの」を解説!/

アプリケーションはソフトウェアの一種、ユーザーが直接触れるもの

普段、アプリやアプリケーションと呼ばれるが、正式名称は「アプリケーション・ソフトウェア」アプリケーションはソフトウェアの分類の一つです。ソフトウェアはシステム(基本)・ソフトウェアとアプリケーション(応用)・ソフトウェアに分かれます。

基本ソフトとはOSのこと。パソコンやスマホのハードウェアを制御することと、アプリを動かすために必要な機能を提供するのが役割です。応用ソフト、アプリとは、基本ソフトの上で動かすものユーザーの欲しい機能を実現するためのものです。最初から入っていることもあれば、自由にインストールすることもあります。ユーザーが直接触るのはアプリですが、そのアプリが動くのも基本ソフトであるOSのおかげ両者が連携することで様々な仕事をこなし、ゲームなどもできるのです。

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IT・プログラミング雑学

簡単でわかりやすい!ソフトウェアとアプリケーションの違いとは?基本と応用?分類や具体例をプログラマーがわかりやすく解説

パソコンやスマホでアプリを使うよな。これはアプリケーションの略です。ですが、ソフトウェアとかプログラムといった似たような言葉があるよな。これらの違いがわかるか。普段はこの差を意識しないが、専門家の世界では細かい違いがあるぞ。この違いや他にどんなものがあるのかを、実際にアプリケーションエンジニアとして活動していたプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。アプリケーションエンジニアの肩書きをもっていた。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさんです。

何が違う?ソフトウェア、プログラム、アプリケーション

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スマホやパソコンで欠かせないのがアプリ。ゲームや決済アプリなど多くのアプリを日々使いこなしている方も多いのでは。このアプリとは「アプリケーション」の略です。でも、プログラムやソフトウェアといった用語もありますよね。これらの違いは何でしょう。

ざっくり言えばソフトウェアの一部がプログラムで、さらにその一部がアプリケーションです。ここではアプリケーションとソフトウェアの違いやなぜ分けているのかを説明します。

ソフトウェア:プログラムだけではない

まずソフトウェアとはなんでしょう。対になる言葉はハードウェアです。ハードウェアとは物理的な形のあるもの。例えば、パソコンやスマホの本体のことです。それに対して、プログラムなどのことをソフトウェアと呼びます。

ここで「プログラムなど」と「など」を付けましたが、他に何があるのでしょう。多くの方はソフトウェアとはプログラムのことと思っているかも。実はソフトウェアはプログラムだけではありません。例えば、あるプログラムで扱うデータや、そのプログラムのマニュアルなどもソフトウェアに分類されます。スマホではプログラム以外もソフトウェアだと言ってもピンと来ないかも。でも、DVDやブルーレイなどの映像などもDVDソフト、映像ソフトなどと呼びますよね。

アプリケーション:ソフトウェア、プログラムの一種

アプリケーションの略がアプリですが、実はアプリケーションも省略されています正式には「アプリケーション・ソフトウェア」や「アプリケーション・プログラム」を省略したもの。日本語では応用ソフト(応用プログラム)と呼ぶこともあります。

応用ということは基本もありますが、それは後で。今はソフトウェアにも基本と応用(アプリ)があるということだけ覚えておいてください。ソフトウェアとプログラムは上で説明したように厳密には違うものですが、以後、この記事ではソフトウェアで統一しますね。

種類は2つ?ソフトウェアの分類

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ソフトウェアに基本と応用があると説明しました。コンピューターができた頃はこのような区別はありませんでした。しかし、その後、使い勝手を良くするためにソフトウェアが基本と応用に分けられたのです。

基本ソフトウェアはシステム・ソフトウェア(システム・ソフト、システム)とも言います。また、応用ソフトウェアは先に説明したようにアプリケーション・ソフトウェア(アプリケーション・ソフト、アプリ)です。何が違い、なぜ分けたのかを説明します。

分類1.基本(システム)ソフトウェア

最初に基本ソフトを説明します。そのパソコンやスマホの基本になるソフトウェアのことです。パソコンならばWindowsやmacOSスマホならiOSやAndroidOSなどのこと。つまり、OS(オペレーションシステム)のことです。

基本ソフトと呼ぶくらいなので、そのパソコンやスマホのOSはそのまま使います。入れ替えることも可能な場合もありますが、普通はそのまま使いますよね。また、同じパソコンでもOSを入れ替えてしまったら、今までのアプリは使えません。このようにそのパソコンやスマホの基本となる部分で、置き換えないものが基本ソフトです。

分類2.応用(アプリケーション)ソフトウェア

次が応用ソフトです。これはパソコンやスマホで普段使っているアプリのこと。必要に応じてインストールやアンインストールすることもありますね。ずっと同じアプリを使うこともあれば、違うアプリに乗り換えることも。

このように必要に応じて入れ替えて使うのが応用ソフト、つまりアプリです。最初から入っていることもあるし、ずっと使うものもあります。しかし、一般的には置き換え可能なソフトウェアが応用ソフトです。

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