この記事では白味噌と赤味噌の違いについてみていきます。味噌は俺たち日本人の食卓に欠かせない調味料のひとつです。どちらもスーパーの味噌売り場にいけば必ず置いてある、特に珍しくもない一般的な味噌ではありますが、この2つの違いはどこにあるのでしょうか。色が違うのは一目瞭然ですが、調べてみるとそれぞれ特徴があるようです。今回はそんな白味噌と赤味噌の違いや特徴、おすすめの使い方について、大豆製品大好きライターaoと一緒に解説していきます。

ライター/ao

毎晩具だくさんの味噌汁をどんぶり一杯食べているライター。赤味噌を使用している。

白味噌と赤味噌の違いは熟成期間にあり

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白味噌と赤味噌の違いといえば、色ですよね。白味噌は名前のとおり白っぽい色をしていますが、赤味噌は赤褐色をしています。そしてこの色の違いは熟成期間の長さによるものなのです。色だけでなく、味わいにも違いが生まれます。

白味噌とは

白味噌とは麹を加えて数日から数か月熟成させたものをいいます。西日本を中心に生産されている味噌で、淡い色合いで塩分が少なく、麹の割合が高いことにより甘味のある味わいが特徴です。淡色に仕上げるために大豆は大粒の皮を取り除いたものが使用されています

赤味噌とは

一方の赤味噌は、麹を加えてから一年以上熟成させたものになります。白味噌に比べて塩分濃度が高く、赤褐色で塩辛くコクのある味わいが特徴。塩分濃度が高いことにより、白味噌よりも保存期間が長いことが多いです。

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どうして色が違うの?

白味噌と赤味噌の色の違いは、発酵、熟成の過程で起きる「メイラード反応」という化学反応によるものです。メイラード反応とは、原料である大豆や麹等に含まれるアミノ酸が糖と反応して褐色に変化する現象のことをいいます。この反応が十分に起こることで赤褐色になった味噌が赤味噌 、反応を抑えた淡い色合いの味噌が白味噌です。

白味噌・赤味噌は色の違いによる分類

白味噌・赤味噌というのは、原料や製造方法の違いによる分類ではなく、単に色の違いによる分類にすぎません。白味噌は原料や製造方法に関係なく、白っぽい淡い色をしている味噌の総称で、赤味噌は赤っぽい濃い色をしている味噌の総称なのです。

色による分類で、白味噌と赤味噌のほかに「淡色系味噌」があります。山吹色の味噌を指し、全国で作られている主流の味噌です。

味噌の原料による分類

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味噌とは大豆を蒸したり煮たりしたものに、麹と食塩を加えて発酵、熟成させた発酵調味料ですが、使う麹の種類によって4つに分類されます。各種類についてくわしくみていきましょう。

1.米味噌

米味噌とは大豆、米麹、塩を原料として作られた味噌をいいます。北海道味噌、仙台味噌、信州味噌など、全国各地で生産されており、もっとも一般的な味噌です。日本で作られている味噌の8割を占めています。麹や塩の量の違いにより、甘口と辛口に分けられますが、辛口味噌の方が多く作られており、味噌汁以外にもさまざまな料理に使われる味噌です。白味噌も赤味噌もあります。

2.麦味噌

麦味噌とは大豆、麦麹(大麦・裸麦)、塩を原料として作られた味噌をいいます。おもに九州地方や四国地方、中国地方、関東地方の一部で生産されており、九州、四国、中国地方の麦みそは米味噌に比べて麹の割合が高く、熟成期間が短いために甘味が強いのが特徴です。

一方北関東で作られているものは辛口が多く、深みのある味わいが特徴。農家の自家用味噌として作られていたため、「田舎味噌」とも呼ばれます。

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3.豆味噌

豆味噌とは、大豆麹と塩を原料として作られる味噌で、大豆を麹にして作られます。2年ほど熟成されることで、甘味が少なく個性的な風味と濃い色味が特徴です。最も古くから作られてきた味噌で、おもに愛媛県や三重県、岐阜県などの東海地方を中心に生産されていることから「東海豆味噌」と呼ばれることも。

八丁味噌や名古屋味噌、たまり味噌は豆味噌に該当します。豆味噌は煮込んでも香りの変化が少なく、煮込みうどんや味噌カツ、味噌おでんなどに使われている味噌です。

4.調合味噌

調合味噌とは複数の麹を混ぜ合わせて作る味噌や、異なる味噌を2種類以上合わせたものをいいます。組み合わせることでお互いの極端な特徴が打ち消され、不足していた風味を補い合うことで、味噌の美味しさを引き出すことができるのです。くせのないマイルドな風味が特徴の味噌になります。

味噌の味による分類

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大豆と麹、塩の3つで作られる味噌ですが、味の違いによって、「甘味噌」「甘口味噌」「辛口味噌」の3つに分類されます。この違いは塩分量と麹歩合(こうじぶあい)の差によるものです。麹歩合とは麹の大豆に対する配合の割合で、麹歩合が高いほうが甘口になります。

寒い地方では塩分の高い辛口が多く作られ、あたたかい地方では甘口が多く作られる傾向があるようです。また塩分が低いものは短期熟成、塩分が高いものは長期熟成になります。

1.甘味噌

塩分6%前後、麹歩合が15~30割と麹を多く使用している味噌で、辛口味噌に比べると半分程度のかなり甘口の味噌です。おもに関西で食べられている白味噌や東京の江戸甘味噌などが代表的で、白味噌は京都の西京味噌や香川の讃岐味噌、広島の府中味噌などが有名ですね。

おもに味噌漬けやぬたなどに使われます。酵母による発酵をほとんど必要としないため、早く醸造できるのも特徴のひとつです。

2.甘口味噌

塩分10%前後、麹歩合が12~17割の、麹のやさしい甘味が感じられる味噌です。近年人気が高まってきている味噌で、静岡県相白味噌や徳島県の午前味噌、麦麹で作られる味噌が甘口味噌に該当します。

\次のページで「3.辛口味噌」を解説!/

3.辛口味噌

塩分12%前後で麹歩合は5~10割と麹の使用量が大豆よりやや低い味噌です。最も一般的な味噌で、味噌汁の他にもさまざまな料理に使うことができ、生産量は全体の75%を占めています。発酵に酵母菌や微生物の働きが必要になるため、熟成期間が長く、旨味が濃厚です。代表的なもので、信州味噌、仙台味噌、越中みそなどがあります。

味噌汁以外にも味噌を活用しよう!

ここまで白味噌と赤味噌の違いについて解説してきました。白味噌と赤味噌の違いは熟成期間の長さによる色の違いで、味噌にはたくさんの分類方法が存在することがわかりましたね。地方による違いも大きい味噌ですが、スーパーやネット通販でさまざまな種類の味噌が手軽に購入できます。いつもとは違う味噌にも挑戦してみませんか。白味噌はシチューやクリーム煮に使用するとコクがでて一層おいしくなります。赤味噌はカレーの隠し味や炒め物、煮込み料理にも良いですね。味噌は比較的賞味期限が長い調味料ですので、冷蔵庫もしくは冷凍庫で保存して、日々のお料理に活用してみてくださいね。

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簡単でわかりやすい!白味噌と赤味噌の違いとは?他の分類方法も大豆製品大好きライターが詳しく解説

この記事では白味噌と赤味噌の違いについてみていきます。味噌は俺たち日本人の食卓に欠かせない調味料のひとつです。どちらもスーパーの味噌売り場にいけば必ず置いてある、特に珍しくもない一般的な味噌ではありますが、この2つの違いはどこにあるのでしょうか。色が違うのは一目瞭然ですが、調べてみるとそれぞれ特徴があるようです。今回はそんな白味噌と赤味噌の違いや特徴、おすすめの使い方について、大豆製品大好きライターaoと一緒に解説していきます。

ライター/ao

毎晩具だくさんの味噌汁をどんぶり一杯食べているライター。赤味噌を使用している。

白味噌と赤味噌の違いは熟成期間にあり

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白味噌と赤味噌の違いといえば、色ですよね。白味噌は名前のとおり白っぽい色をしていますが、赤味噌は赤褐色をしています。そしてこの色の違いは熟成期間の長さによるものなのです。色だけでなく、味わいにも違いが生まれます。

白味噌とは

白味噌とは麹を加えて数日から数か月熟成させたものをいいます。西日本を中心に生産されている味噌で、淡い色合いで塩分が少なく、麹の割合が高いことにより甘味のある味わいが特徴です。淡色に仕上げるために大豆は大粒の皮を取り除いたものが使用されています

赤味噌とは

一方の赤味噌は、麹を加えてから一年以上熟成させたものになります。白味噌に比べて塩分濃度が高く、赤褐色で塩辛くコクのある味わいが特徴。塩分濃度が高いことにより、白味噌よりも保存期間が長いことが多いです。

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