この記事ではWi-Fi接続時の認証方式である「WPA」と「WPA2」の違いについてみていきます。自宅やカフェでWi-Fi接続をする際にセキュリティを気にしたことはあるでしょうか。最近はフリーWi-Fiスポットも増えているから、特に気を配るべきです。今回は認証方式や暗号化の特徴や、暗号化しない場合のリスクについて、現役システムエンジニアのよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

Wi-Fi接続のセキュリティ

image by iStockphoto

いまや自宅だけでなく外出先でもWi-Fi接続することが一般的になりました。それに比例し、悪意のあるユーザーによる通信傍受もリスクが高まっていることから、Wi-Fi接続にはどんな危険があるのか解説していきます。

Wi-Fi接続時は暗号化が必要

Wi-Fi接続する際にパスワード入力を求められるアクセスポイントと、パスワードなしで利用できるアクセスポイントの2パターンが存在します。

パスワードなしのほうは一見手軽に見えますが、セキュリティは皆無です。どんなユーザーでも接続できるということは悪意のあるユーザーが集まりやすいとも言えます。そのため、パスワードなしのアクセスポイントはセキュリティリスクが高すぎるため利用してはいけません。一部のセキュリティソフトでは接続を許可できないブロックをしているものもあるくらいです。

暗号化しないとどうなるのか

ここまでセキュリティと何度も言ってきていますが、Wi-Fi接続を暗号化しない場合どんなリスクがあるのでしょうか。イメージとしては端末とアクセスポイントの間でデータが宅配されていると考えてください。暗号化していない場合、アクセスポイントに届けたい荷物(データ)はアクリルの透明な箱に梱包されており、誰でも中身が確認できてしまいます。クレジットカード情報や銀行の暗証番号などもバレバレの状態です。

また、送り主の情報も見られてしまい、端末へ侵入(不正アクセス)されてしまう可能性もあります。不正アクセスされてしまったらクレジットカード情報等だけでなく重要な電子ファイルも流出してしまい、より深刻な被害を受けてしまうでしょう。

「WPA」と「WPA2」の違いとは?

image by iStockphoto

Wi-Fiの認証方式として「WPA」「WPA2」があります。従来の「WEP」に代わって登場したこの2種類の認証方式がどう違うのか、解説していきましょう。

\次のページで「WPA:WEP方式の脆弱性を解消した進化版の認証方式」を解説!/

WPA:WEP方式の脆弱性を解消した進化版の認証方式

Wi-Fi接続の登場初期に主流だったWEP(Wired Equivalent Privacy)は多くの脆弱性が確認されて、セキュリティリスクがとても高いものでした。このセキュリティリスクを払拭するべく開発されたのがWPA(WiFi Protected Access)です。

WPAはTKIP、AESと呼ばれる暗号化方式を採用しており、一定時間で暗号鍵が切り替わることでセキュリティを高めています。

WPA2:WPAの後継として開発。しかしセキュリティレベルはWPAと同等。

WPAの後継として開発されたのがWPA2です。その特徴は暗号方式AESを義務化しており、より高いセキュリティレベルで接続できるようになっています。一方で、認証方式としてはWPAと同等であると言われており、暗号化方式の強化によってセキュリティレベルを引き上げています

2つの暗号化方式「TKIP」と「AES」

image by iStockphoto

セキュリティの肝となる暗号化方式の「TKIP」と「AES」は一定期間で暗号鍵が切り替わる共通点はあるものの、セキュリティレベルには差があるため、それぞれの特徴について解説します。

TKIPの特徴

TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)は通信を一定回数行うごとに暗号化キーを変更し、さらにMACアドレスを暗号化キーの生成に活用することで、より難読性の高い暗号化が可能です。

一方で、暗号化の方式はWEPと同様であることから、そもそも脆弱性を抱えており、頻繁に暗号化キーの変更を行う必要がありますが、変更周期を短くするほどネットワーク負荷が高まり不安定になります。

TKIPとAESの違い

TKIPと比較して、AESは第三者からの暗号解読は困難であると言われています。AESの暗号化方式の特徴として、データを分割、置換、並べ替えを繰り返して複雑化しており、これによりTKIPで用いている暗号化方式よりも強固なセキュリティレベルを確保しているのです。

また、技術仕様が公開されており、多くの機器に導入されて広く普及しているところも大きな違いと言えるでしょう。

\次のページで「強固なセキュリティでWi-Fiを利用しよう!」を解説!/

強固なセキュリティでWi-Fiを利用しよう!

フリーWi-Fiスポットも広がっているからこそ、セキュリティはしっかり確認し、通信傍受や不正アクセスを回避しながら利用する必要があります。今回ご紹介した中でもWPA2-AES方式のアクセスポイントが強固なセキュリティレベルと言えるので、確認した上で便利に活用しましょう。

" /> 簡単でわかりやすい!Wi-Fiの「WPA」と「WPA2」の違いとは?暗号化の仕組みや特徴を現役システムエンジニアが詳しく解説 – Study-Z
雑学

簡単でわかりやすい!Wi-Fiの「WPA」と「WPA2」の違いとは?暗号化の仕組みや特徴を現役システムエンジニアが詳しく解説

この記事ではWi-Fi接続時の認証方式である「WPA」と「WPA2」の違いについてみていきます。自宅やカフェでWi-Fi接続をする際にセキュリティを気にしたことはあるでしょうか。最近はフリーWi-Fiスポットも増えているから、特に気を配るべきです。今回は認証方式や暗号化の特徴や、暗号化しない場合のリスクについて、現役システムエンジニアのよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

Wi-Fi接続のセキュリティ

image by iStockphoto

いまや自宅だけでなく外出先でもWi-Fi接続することが一般的になりました。それに比例し、悪意のあるユーザーによる通信傍受もリスクが高まっていることから、Wi-Fi接続にはどんな危険があるのか解説していきます。

Wi-Fi接続時は暗号化が必要

Wi-Fi接続する際にパスワード入力を求められるアクセスポイントと、パスワードなしで利用できるアクセスポイントの2パターンが存在します。

パスワードなしのほうは一見手軽に見えますが、セキュリティは皆無です。どんなユーザーでも接続できるということは悪意のあるユーザーが集まりやすいとも言えます。そのため、パスワードなしのアクセスポイントはセキュリティリスクが高すぎるため利用してはいけません。一部のセキュリティソフトでは接続を許可できないブロックをしているものもあるくらいです。

暗号化しないとどうなるのか

ここまでセキュリティと何度も言ってきていますが、Wi-Fi接続を暗号化しない場合どんなリスクがあるのでしょうか。イメージとしては端末とアクセスポイントの間でデータが宅配されていると考えてください。暗号化していない場合、アクセスポイントに届けたい荷物(データ)はアクリルの透明な箱に梱包されており、誰でも中身が確認できてしまいます。クレジットカード情報や銀行の暗証番号などもバレバレの状態です。

また、送り主の情報も見られてしまい、端末へ侵入(不正アクセス)されてしまう可能性もあります。不正アクセスされてしまったらクレジットカード情報等だけでなく重要な電子ファイルも流出してしまい、より深刻な被害を受けてしまうでしょう。

「WPA」と「WPA2」の違いとは?

image by iStockphoto

Wi-Fiの認証方式として「WPA」「WPA2」があります。従来の「WEP」に代わって登場したこの2種類の認証方式がどう違うのか、解説していきましょう。

\次のページで「WPA:WEP方式の脆弱性を解消した進化版の認証方式」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: