この記事ではLANケーブルの「CAT6」と「CAT6A」の違いについてみていきます。Wi-Fiなどの通信が高速になった今でも、オンラインゲームなど通信の安定性を求める場面ではLANケーブルによる有線接続を選択する人も多いでしょう。今回はそんなLANケーブルの違いや特徴、選び方について現役システムエンジニアのよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

LANケーブルの種類

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Wi-Fiなどの無線通信が主流になった昨今でも、ルーターなどのNW機器や、ゲーミングPCなどはLANケーブルで接続していることでしょう。そんなLANケーブルの規格や種類について解説します。

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規格と対応ケーブル

LANケーブルの規格は主にアメリカのTIA(アメリカ通信工業会)、EIA(アメリカ電子工業会)、ANSI(米国国家規格協会)によって策定。規格は「CAT○○(カテゴリ○○)」といった呼び方で決められており、日本では「カテ○○」と呼ばれています

カテゴリごとの違いは転送速度や帯域がメインですが、その他に「ケーブルの外径と内部構造」「心線」「コネクタ」などハード面での違いもあり、特にCAT6AとCAT7以降はコネクタが違うため、間違えると通信ができなくなるので注意が必要です。

転送速度と伝送帯域

おそらくLANケーブルの違いで最も気になるのは「通信速度」でしょう。より速く通信できるLANケーブルは何か、それを見分けるために「転送速度」と「伝送帯域」について解説します。

「転送速度」は1秒間に送ることができるデータの速さ、「伝送帯域」は1秒間に送ることができるデータの量のことです。データを車で考えればわかりやすく、車の速度(転送速度)が速くても道路が狭ければ(伝送帯域が狭ければ)他の車の渋滞に巻き込まれてしまいます。つまり「転送速度」と「伝送帯域」の2つを組み合わせによって、通信速度が決められるのです

「CAT6」と「CAT6A」の違いとは?

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LANケーブルの規格や通信速度を踏まえて、ギガビット通信が主流のいま押さえるべき「CAT6」と「CAT6A」の違いについて解説します。

CAT6:最大1Gbpsの高速通信。ケーブルも柔らかく取り回ししやすい。

CAT6は最大1Gbpsの高速通信が可能なLANケーブルです。伝送帯域も250MHzとなっており、YouTubeやNetflixなどのストリーミングサービスにも十分対応できます

またケーブルが柔らかく取り回ししやすいことも特徴で、戸建てなど家庭用にLAN環境を構築する場面ではCAT6が採用されていることが多いです。CAT6Aと比べて価格が安いのも、採用されやすい一因となっています。

CAT6A:最大10Gbpsの超高速通信。ただしケーブルが固く取り回しには注意。

CAT6Aは最大10Gbpsの超高速通信が可能なLANケーブルです。伝送帯域も500MHzとCAT6の2倍となっており、高速大容量の通信が求められるオンラインゲームや4K,8K動画コンテンツの視聴も快適。一方でケーブルが固く取り回しがしづらいのも特徴のひとつで、サーバルームやビル内のケーブル配管など比較的余裕をもった取り回しのできる環境が適しています。

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「CAT6」と「CAT6A」どう選べばいいの?

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それぞれ異なる特徴の「CAT6」と「CAT6A」ですが、どのように選定するのがいいのでしょうか。利用シーンも踏まえ、解説していきます。

CAT6でだいたいのことはできる

結論から言えば、CAT6でだいたいのことは対応できます。YouTubeやNetflixなどの動画サービスや、SpotifyやApple Musicなどの音楽のストリーミングサービスを利用するにおいても最大1Gbpsであれば十分対応できます。また、オンラインゲームにおいても高FPSで滑らかな動きを求めるようなものでなければ十分快適に動作するため、おおよそのことは不自由なく楽しめるでしょう。

ただしCAT6AやCAT7,8なども普及し始めていることから、将来的なLAN環境の再構築が必要になる可能性は注意すべきです。

将来を見据えるならCAT6A

CAT6でだいたいのことができるのに、CAT6Aはいつ必要なのでしょうか。それは社内LAN環境におけるサーバやNASとの大容量のデータ通信が発生する場合が想定されます。昨今のサーバやスイッチなどのNW機器はCAT6Aなどの10Gbps対応のLANポートを備えいているものも販売されており、シームレスな通信が実現可能です。

またインターネット環境においても10Gbpsの通信を提供するプロバイダも増えており、将来を見据えて高FPSのオンラインゲームや4K,8K動画配信サービスなどを利用したい場合はCAT6Aを選択すると良いでしょう。ただしNW機器もすべてCAT6A対応のものに揃えたり、取り回しがしづらいことによる工数増加も考えられ、相応のコストがかかる可能性があります。

違いを理解して最適なネット環境を作ろう!

「CAT6」と「CAT6A」ともに長所短所それぞれあるため、一概にどちらがいいとは言い切れません。だからこそしっかり違いを理解して、場面に応じて選定することが、最適なインターネット環境やLAN環境を構築する近道です。今後CAT7,8とさらなる進化を遂げるLANケーブルを理解し、快適なインターネット環境を手に入れましょう。

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雑学

3分で簡単にわかる!LANケーブルの「CAT6」と「CAT6A」の違いとは?どっちを選べばいいの?現役システムエンジニアがわかりやすく解説

この記事ではLANケーブルの「CAT6」と「CAT6A」の違いについてみていきます。Wi-Fiなどの通信が高速になった今でも、オンラインゲームなど通信の安定性を求める場面ではLANケーブルによる有線接続を選択する人も多いでしょう。今回はそんなLANケーブルの違いや特徴、選び方について現役システムエンジニアのよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

LANケーブルの種類

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Wi-Fiなどの無線通信が主流になった昨今でも、ルーターなどのNW機器や、ゲーミングPCなどはLANケーブルで接続していることでしょう。そんなLANケーブルの規格や種類について解説します。

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