この記事では4GとLTEの違いについて見ていきます。日頃から使っているスマホがなぜ通信できているのか、意外と知らないでしょう。その仕組みや規格を理解することで、違いだけでなくスマホの通信がこれからどう進化するのか、理解できるようになるぞ。今回はそんなスマホの通信の仕組みや4GとLTEの違い、今後の通信について、現役システムエンジニアのよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

通信の仕組みをわかりやすく解説!

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普段使っているスマホが、どのようなルールや仕組みでデータ通信されているかご存知でしょうか。通信の違いを知るために、まずは仕組みから解説します。

スマホの通信について

スマホはケーブルも何も繋がっていないのに、なぜ通信ができるのでしょうか。それはスマホが電波で通信しているからです。厳密にいえば、スマホと基地局(スマホから電波を受信、またはスマホへ送信する拠点)の間で、特定の規格に基づいたデータに基づき通信しています。

基地局の先は光ファイバーなどのケーブルを介して、有線の通信でWebサイトのサーバ等に接続。この基地局の数は数十万局にも及び、日本全体の9割以上がサービスエリアとなっていることで、都市部や山間部などの地域を問わず、どこにいてもスマホで高速通信ができます。

通信規格について

スマホと基地局との間で通信をするためには規格に対応したデータを使う必要があります。通信規格や通信速度などの基準をITU(国際電気通信連合)で取り決め、3GPPで技術仕様を策定。そして技術仕様に基づき、ソフトバンクやドコモに代表されるモバイル通信事業者各社がサービスを開発、提供します。

LTEと4Gの違いとは?

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通信の仕組みが理解できたところで、次はLTEと4Gの違いをご紹介。どちらも近い世代の通信方式ですが、その特徴は少し違いがあるので詳しく解説していきましょう。

\次のページで「LTE:4G一歩手前の3.9G通信。でもサービス名は4G。」を解説!/

LTE:4G一歩手前の3.9G通信。でもサービス名は4G。

LTEはLong Term Evolutionの略称で、前世代の通信である3Gを発展させた通信技術です。前世代の3Gでは電話回線をメインとして、メールやインターネットのサービスが提供されましたが、次の世代である4Gに対する中間技術として、3Gよりも高速かつ大容量なサービスとしてLTEを開発。

LTEは通信速度や通信帯域の観点から4Gではなく3.9Gですが、近しい速度や帯域であることからサービスの都合として4Gと呼ぶことが許可されており、ドコモからは「Xi(クロッシィ)」、ソフトバンクからは「SoftBank 4G LTE」の名前でサービス提供されました。

4G:真の4G通信を実現。LTEより高速で大容量!

3.9G(LTE )の後継として開発されたのが4Gです。4GはLTEよりも高速で大容量な通信を実現しており、その速度は規格上の理論値ですが、LTEの下り最大約300Mbpsに対して、4Gは下り最大約1.0Gbpsであり固定回線の光ファイバーに近い数値となっています。

また4Gは速度や容量以外の部分でも技術的な進歩を遂げており、基地局間の移動をよりスムーズにする「CoMP(Coordinated Multi-Point)」や、異なる周波数帯をまとめることで高速かつ大容量の通信を安定供給する「CA(Carrier Aggregation)」などの技術によりサービスを実現。

これからの通信について

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固定回線に準じる速度に到達した4Gですが、その先の未来はどうなるのでしょうか。すでに提供が開始されている5Gや、現在実用化に向けて議論されている6Gについて解説します。

5Gの特徴

5Gは最高約10Gbpsにも到達し、4Gの10倍も速い通信サービスが提供されています。そのエリアは都市部を中心に拡大しており、移動体通信事業者のひとつ、NTTドコモは、2024年時点でカバー率90%を目標として拡大すると発表。

5Gの特徴として「高速大容量」「高信頼・低遅延」が一例にあげられます。複数本のアンテナを束ねて増強し「高速大容量通信」を実現。さらに基地局間の通信を短縮することで「高信頼・低遅延」が可能となり、特に高解像度かつ低遅延の映像サービスや遠隔医療等に利用が期待されています。

6Gの可能性

6Gは2030年頃の実用化を目標に、いままさに技術研究や議論がされています。6Gのコンセプトとして代表的なのは「超高速通信」。最大100Gbpsとも言われており、現在拡大中の5Gの10倍、いま主流の4Gの100倍もの速度です。また「超低遅延」もコンセプトのひとつであり、5Gの10分の1もの超低遅延が目標に掲げられています。

6Gが実現されることにより時間や場所を超えたコミュニケーション、特に最近登場して話題のメタバースとの親和性はとても高く、現実と仮想空間の距離が近くなることが期待されるでしょう。

\次のページで「通信は日々進化している!」を解説!/

通信は日々進化している!

モバイル通信の世界は発展が目まぐるしく、おおよそ10年周期で新たな次世代通信に切り替わると言われています。4Gが登場したとき、あまりの速さに驚いたことを昨日のように覚えていますが、いまは5Gがサービスとして拡大中であり、さらに6Gの実用化を検討中と考えれば、これからの進歩はとても楽しみになりますね。

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雑学

簡単でわかりやすい!4GとLTEの違いとは?通信の仕組みや5Gの特徴も現役システムエンジニアが詳しく解説

この記事では4GとLTEの違いについて見ていきます。日頃から使っているスマホがなぜ通信できているのか、意外と知らないでしょう。その仕組みや規格を理解することで、違いだけでなくスマホの通信がこれからどう進化するのか、理解できるようになるぞ。今回はそんなスマホの通信の仕組みや4GとLTEの違い、今後の通信について、現役システムエンジニアのよーいずみと一緒に解説していきます。

ライター/よーいずみ

某大手IT企業に10年以上勤務している現役システムエンジニア。知識と経験に裏付けられた、わかりやすいIT関連の情報をお届け。趣味はバンド活動とガジェットいじり。

通信の仕組みをわかりやすく解説!

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普段使っているスマホが、どのようなルールや仕組みでデータ通信されているかご存知でしょうか。通信の違いを知るために、まずは仕組みから解説します。

スマホの通信について

スマホはケーブルも何も繋がっていないのに、なぜ通信ができるのでしょうか。それはスマホが電波で通信しているからです。厳密にいえば、スマホと基地局(スマホから電波を受信、またはスマホへ送信する拠点)の間で、特定の規格に基づいたデータに基づき通信しています。

基地局の先は光ファイバーなどのケーブルを介して、有線の通信でWebサイトのサーバ等に接続。この基地局の数は数十万局にも及び、日本全体の9割以上がサービスエリアとなっていることで、都市部や山間部などの地域を問わず、どこにいてもスマホで高速通信ができます。

通信規格について

スマホと基地局との間で通信をするためには規格に対応したデータを使う必要があります。通信規格や通信速度などの基準をITU(国際電気通信連合)で取り決め、3GPPで技術仕様を策定。そして技術仕様に基づき、ソフトバンクやドコモに代表されるモバイル通信事業者各社がサービスを開発、提供します。

LTEと4Gの違いとは?

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通信の仕組みが理解できたところで、次はLTEと4Gの違いをご紹介。どちらも近い世代の通信方式ですが、その特徴は少し違いがあるので詳しく解説していきましょう。

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