満たしていれば十分な条件
「十分条件」は文字通り十分な条件のこと。言い換えれば、満たしていれば自動的に最低ライン以上クリアしている条件のことです。命題としては「PならばQが成立するとき、QはPの十分条件である」と言えます。つまり「PはQであるための条件を十分に満たしている」ということです。
十分条件の具体例
では「十分条件」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。先述と同じく「リンゴは果物である」と言ったとき、リンゴがP、果物がQの関係にあります。このときリンゴは果物の「十分条件」です。
なぜならリンゴは果物の一種なため、十分に条件を満たしているから。ミカンもブドウも果物なので、リンゴは果物であるための必要条件ではなりません。そういう意味では、リンゴもミカンもブドウも果物の「十分条件」であると言えます。
必要条件と十分条件の違い
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ここまで「必要条件」と「十分条件」の違いを解説してきました。それではいよいよ両者の違いについて迫って見ましょう。これがわかると学校の成績が上がるだけでなく、ビジネスシーンで調査や統計、設計などをするときに役立ちますよ。
最低限の条件か、それ以上の条件か
「必要条件」は不可欠な条件、絶対満たさなければいけない条件です。土台になる概念、つまり抽象的で幅広い条件と言えます。リンゴは果物というカテゴリーに必ず属していなければいけません。なので果物はリンゴの「必要条件」にあたります。
これに対して「十分条件」は、最低限の条件を満たした条件です。土台になる概念よりも具体的で幅の狭い条件と言えます。リンゴは数ある果物の中の1つなので、果物であるための条件を満たしていますよね。リンゴは果物であるための「十分条件」なのです。
必要十分条件という言葉もある
最後に「必要十分条件」という関連用語を紹介しましょう。この言葉は文字通り「必要条件」でもあり「十分条件」でもある条件のことです。命題「PならばQ」と「QならばP」が同時に成り立つとき、「PはQの必要十分条件である(QはPの必要十分条件である)」と言います。例えば「100円があればお菓子が買える」が成り立つとき、「お菓子が買えるならば100円がある」も同時に言えるのです。
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