テレビの株価に関する報道を目にすると、「東証1部」や「東証2部」なんて言葉を目にするな。
株式市場に詳しくないと、両者の違いはわからないよな。
今回は「東証1部」と「2部」の違いについて、FP資格を持っているライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。ファイナンシャルプランナーの資格を保有している。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

東証1部と東証2部の違い

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株式市場において、日本には4つの証券取引所があります。そのうち最大の規模を持つものが「東京証券取引所」、通称「東証」です。そんな東証の中で「1部」と「2部」と呼ばれる市場がありますが、この2つの違いはいったい何なのでしょうか。ここでは「東証1部」と「東証2部」の違いについて解説していきます。

東証1部:審査基準が厳しい

株式市場に上場するには経営や財務の状況から企業の継続性や、有価証券報告書に虚偽の記載がないかなど様々な審査があります。

「1部」はさらに株式時価総額が250億円以上など大企業レベルの資金力が必要です。また株主数が2200人以上、市場に流通する株数が発行済株式総数の35%以上など高い流動性を確保することが求められます。「1部」の時価総額は東証の全株式の時価総額の9割以上です。

東証2部:1部よりは審査基準が低い

「2部」は「1部」より審査基準が低い市場です。具体的には株式時価総額20億円以上、総資産額は10億円以上が条件。なお「2部」から「1部」にランクアップすることを「1部指定」と言います。逆に「1部」の基準を下回った場合、「1部」から「2部」へのランクダウンすることが「降格」です。

東京証券取引所のその他の市場

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「東証1部」と「2部」の違いについてはおわかりいただけたと思います。しかし「東証」には他にも市場が存在するのです。そのうち一般投資家でも投資のできる一般市場に該当するのは「マザーズ」、「JASDAQ」のみ。ここではこれらの株式市場についても解説していきます。

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マザーズ:新興企業向けの審査基準が低い市場

「マザーズ」は「東証」が新興企業を対象として作った株式市場のことです。「マザーズ」の上場基準は低く、また成長性を重視しているため、経営者としては上場しやすいと言えます。投資家としても、安く買った株式が高くなるという意味で値上がり益の期待できる市場です。

正式名称は「東証マザーズ」。「1部」や「2部」が体力のある企業への投資を促しているのに足して、「マザーズ」はこれからの企業を応援するための市場と言えます。

JASDAQ:信頼性、革新性、地域・国際性を重視した市場

「JASDAQ(ジャスダック)」は信頼性、革新性、地域・国際性を重視した市場です。上場の審査基準としては継続性や収益性、健全性、コーポレートガバナンスの遵守、内部管理体制、企業内容の開示など、利益よりも信頼できる企業かどうかがコンセプト。

「JASDAQスタンダード」と「JASDAQグロース」という区分があり、それぞれ老舗で安定した企業は前者、新興で成長性のある企業は後者へ上場されます。

その他の証券取引所

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日本国内には他にも3つの証券取引所があり、それぞれに独自の株式市場を保有しています。ここでは「東証」以外の証券取引所と、そこで運営されている株式市場を見ていきましょう。

1.札幌証券取引所

「札幌証券取引所」は通称「札証」と呼ばれる北海道の証券取引所です。「本則市場」というメイン市場と、「アンビシャス市場」と呼ばれる新興企業向け市場があります。「アンビシャス市場」の上場条件は北海道に関連する企業ということです。

2.名古屋証券取引所

「名古屋証券取引所」は通称「名証」と呼ばれる愛知県の証券取引所です。「東証」同様に「1部」と「2部」が存在します。また「セントレックス」という、中部地方以外からの企業を受け入れた株式市場がある点も「名証」の特徴です。

\次のページで「3.福岡証券取引所」を解説!/

3.福岡証券取引所

「福岡証券取引所」は通称「福証」と呼ばれる福岡県の証券取引所です。メインとなる「本則市場」と、新興企業向けの「Q-Board」という市場で構成されています。「Q-Board」に上場できる企業は、九州周辺に本店を有する企業または九州周辺に実績・計画を有する企業のみです。

東証1部と2部では上場基準が違う

ここまで「東証1部」と「2部」の違い、「マザーズ」や「JASDAQ」との違い、そしてその他の証券取引所について解説してきました。日本の株式市場について理解が深まったのではないでしょうか。

国や自治体を維持・発展する上で経済力を抜きにしては語れません。株式市場とその後押しを受けた企業たちの努力によって、私たちの生活は維持されているんですね。

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ビジネス雑学

3分で簡単にわかる東証1部と2部の違い!企業の資金の違い?関連市場や証券取引所もFPライターがわかりやすく解説

3.福岡証券取引所

「福岡証券取引所」は通称「福証」と呼ばれる福岡県の証券取引所です。メインとなる「本則市場」と、新興企業向けの「Q-Board」という市場で構成されています。「Q-Board」に上場できる企業は、九州周辺に本店を有する企業または九州周辺に実績・計画を有する企業のみです。

東証1部と2部では上場基準が違う

ここまで「東証1部」と「2部」の違い、「マザーズ」や「JASDAQ」との違い、そしてその他の証券取引所について解説してきました。日本の株式市場について理解が深まったのではないでしょうか。

国や自治体を維持・発展する上で経済力を抜きにしては語れません。株式市場とその後押しを受けた企業たちの努力によって、私たちの生活は維持されているんですね。

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