パソコンでの作業を終了したいときの操作といえば「シャットダウン」です。
しかし「シャットダウン」以外にも終了操作はある。それは「スリープ」と「休止状態」です。
今回は「スリープ」と「休止状態」の違いについて、現役エンジニアのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

スリープと休止状態の違い

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パソコンの電源をオフにするときの操作といえば「シャットダウン」ですが、電源をオフにしないで作業のみ終了する方法があります。それは「スリープ」と「休止状態」ですが、どちらも似たような名前で混同してしまいますよね。ここでは「スリープ」と「休止状態」の違いについて解説していきます。

スリープ:メモリ上に残して電源をオフにする

「スリープ」とは実行中のプログラムや開いているファイルをメモリ上に残して、不要な電源供給を止める機能のことです。つまり作業を中断する機能の1つと言えます。

メモリとはパソコンの記憶領域の1種で、容量こそ少ないものの即座に取り出せる領域にデータを保存することが可能です。中断からの再開が早いのがメリット。

注意点としてはパソコンを動作させる機能のみ電源供給を止めて、メモリには電源供給を維持し続けているということ。もし停電などが発生し電源供給がストップした場合、プログラムが異常終了したり、ファイルが正しく保存されなかったりします。

休止状態:ハードディスクに保存して電源をオフにする

「休止状態」は実行中のプログラムや開いているファイルをハードディスクに保存してパソコンの電源を切る機能です。「スリープ」同様作業を中断する機能の1つ。

ハードディスクとはパソコンの記憶領域の1種で、容量は多いもののデータの取り出しに時間がかかる領域です。ハードディスクは保存すれば電源供給が止まっても、再供給時にデータを読み込むことができます。

つまり中断からの再開が「スリープ」に比べて遅めなものの、停電などで電源周りのトラブルが発生してもデータが消える可能性が低いのです。また「スリープ」のようにメモリに常時電源供給していないため、電力消費が少ないのもメリットの1つ。

\次のページで「シャットダウンとの違い」を解説!/

シャットダウンとの違い

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「スリープ」と「休止状態」については、データをメモリ上に残すかハードディスクに保存するかの違いだということはおわかりいただけたと思います。では「シャットダウン」とは具体的にどう違うのでしょうか。ここでは「シャットダウン」とのメリット・デメリットを比較してみましょう。

メリット:パソコンをリフレッシュさせることができる

「シャットダウン」は実行中のプログラムや開いているファイルに関するデータを一切残しません。そのためメモリやハードディスク上に余分なデータを持たないことで、パソコンがリフレッシュされます。よく「動作が重くなったら再起動を試せばいい」という話がありますが、これは一度パソコンを「シャットダウン」させてから起動することで処理性能を正常に戻すという意味です。

「シャットダウン」を使用する場合、プログラムであれば終了、ファイルであれば保存して閉じるをそれぞれ実施した上で使用してください。

デメリット:起動に時間がかかる

「シャットダウン」は作業状態を保存せず終了するため、起動に時間が最もかかります。パソコンのスペック(メモリ、CPU、ハードディスクやSSDといった大規模記憶装置)により差異はあるものの、基本的には中断した作業を再開するのには不向きと言えるでしょう。

スリープ、休止状態、シャットダウンの使い分け方

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「スリープ」と「休止状態」は中断、「シャットダウン」は終了という意味上の違いはご理解いただけたことでしょう。では日常生活の中で、これらの機能をどのように使い分ければいいのでしょうか。ここでは「スリープ」、「休止状態」、「シャットダウン」の使い分け方について解説していきます。

スリープ:短時間で再開する中断

「スリープ」は短時間で再開する中断に向いています。メモリ上に再開データを残しているため、起動が早いからです。消費電力が高いのが「スリープ」ですが、短時間ならそこまで大きなコストは発生しません。またデータを紛失しても問題ないという認識であればそのままの状態で「スリープ」を実行して構いません。

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休止状態:1~2時間以内に再開する中断

「休止状態」は1~2時間以内に再開する中断に向いています。ハードディスクに再開データを保存した上で電源供給を止めるため、節電効果が高いです。またデータ紛失のリスクも「スリープ」に比べて少ないでしょう。休み時間でデスクを離れるときなどにおすすめです。

シャットダウン:長時間再開する予定がないとき

「シャットダウン」は中断ではなく終了の機能です。そのため長時間再開する予定がないときは「シャットダウン」を使用しましょう。例えば外出時や、就寝前などに向いています。

よく「シャットダウンは電力消費が多い」と言われますがそれは事実。しかし「スリープ」を長時間維持し続けるよりは電力消費が少ないのです。長時間パソコンを使わないときは、リフレッシュの意味も込めてパソコンを「シャットダウン」してあげましょう。

スリープはメモリに、休止状態はハードディスクに再開データを残す

ここまで「スリープ」と「休止状態」の違い、両者と「シャットダウン」の違い、そしてそれぞれの機能の使い分けについて解説してきました。これでどのタイミングでどの機能を使えばいいのか、日常生活におけるイメージができたのではないでしょうか。

パソコンも機械の1つです。基本的に電源を供給し続けていれば、いずれメモリやハードディスクといった記憶領域はもちろん、その他のパーツも壊れてしまいます。状況に合わせて適切な終了操作を選択し、末永く愛機をお使いください。

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IT・プログラミング雑学

3分で簡単にわかるスリープと休止状態の違い!データが消える?使い分けも雑学好きライターがわかりやすく解説

パソコンでの作業を終了したいときの操作といえば「シャットダウン」です。
しかし「シャットダウン」以外にも終了操作はある。それは「スリープ」と「休止状態」です。
今回は「スリープ」と「休止状態」の違いについて、現役エンジニアのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

スリープと休止状態の違い

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パソコンの電源をオフにするときの操作といえば「シャットダウン」ですが、電源をオフにしないで作業のみ終了する方法があります。それは「スリープ」と「休止状態」ですが、どちらも似たような名前で混同してしまいますよね。ここでは「スリープ」と「休止状態」の違いについて解説していきます。

スリープ:メモリ上に残して電源をオフにする

「スリープ」とは実行中のプログラムや開いているファイルをメモリ上に残して、不要な電源供給を止める機能のことです。つまり作業を中断する機能の1つと言えます。

メモリとはパソコンの記憶領域の1種で、容量こそ少ないものの即座に取り出せる領域にデータを保存することが可能です。中断からの再開が早いのがメリット。

注意点としてはパソコンを動作させる機能のみ電源供給を止めて、メモリには電源供給を維持し続けているということ。もし停電などが発生し電源供給がストップした場合、プログラムが異常終了したり、ファイルが正しく保存されなかったりします。

休止状態:ハードディスクに保存して電源をオフにする

「休止状態」は実行中のプログラムや開いているファイルをハードディスクに保存してパソコンの電源を切る機能です。「スリープ」同様作業を中断する機能の1つ。

ハードディスクとはパソコンの記憶領域の1種で、容量は多いもののデータの取り出しに時間がかかる領域です。ハードディスクは保存すれば電源供給が止まっても、再供給時にデータを読み込むことができます。

つまり中断からの再開が「スリープ」に比べて遅めなものの、停電などで電源周りのトラブルが発生してもデータが消える可能性が低いのです。また「スリープ」のようにメモリに常時電源供給していないため、電力消費が少ないのもメリットの1つ。

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