この記事では米焼酎と日本酒の違いについてみていきます。2つとも日本人の主食であるお米から造られたお酒です。同じ原料から造られたお酒にどのような違いがあるのでしょうか。今回はそんな2つのお酒の違いや歴史、種類についてお酒好きライターaoと一緒に解説していきます。

ライター/ao

夏場はビールを好んで飲むが、寒くなってくると毎晩日本酒が欠かせないライター。好きな日本酒は久保田千寿。

米焼酎と日本酒の違いとは

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日本を代表するお酒である米焼酎と日本酒。普段お酒を飲まない人でも、この2つがお米から造られているお酒であるということは知っているかもしれませんね。同じ原料から造られているのに、味わいは全く異なります。どのようにして違いが生まれるのか、みていきましょう。

違いその1.製造方法

2つのお酒の大きな違いは製造方法です。米焼酎は「蒸留酒(じょうりゅうしゅ)」、日本酒は「醸造酒(じょうぞうしゅ)」に分類されます。醸造酒とは穀物や果実を酵母の力でアルコール発酵させて造られたお酒です。日本酒以外にワイン(果実酒)やビールなども醸造酒になります。


一方の蒸留酒とは、蒸留工程を経て造られたお酒です。蒸留とは液体を熱することで蒸気となって蒸発した気体を再び液体に戻す作業のこと。純度の高い液体を取り出すことができます。

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違いその2.使用するお米

米焼酎に使用されるお米は、「コシヒカリ」や「あきたこまち」などの食用米が使われることが多いです。一般的に使われているのは主に九州地方で栽培されている「ヒノヒカリ」という銘柄。
一方日本酒には、食用米よりも粒の大きな酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)という日本酒造りのためのお米が使用されます。「山田錦」などが有名です。

違いその3.精米歩合

米焼酎の精米歩合(せいまいぶあい)は85~90%であるのに対し、日本酒は60~70%、大吟醸酒であれば50%以下になります。精米歩合とは、玄米の表層部を削って残ったお米の割合を%で表したものです。日本酒の方がより多く削られたお米を使っているということになります。

お米の表層部にはたんぱく質や脂質などの栄養が多く含まれていますが、日本酒ではこれらの栄養が雑味となって味に影響してしまうのです。そのため表層部を削ることで雑味を取り除き、仕上がりの味を調整しています。

一方米焼酎では日本酒では雑味として除かれるたんぱく質や脂質などが、旨味を引き出すための大切な成分になるので、削るのは10~15%ほどになるのです。精米歩合が低く吟醸酒のような華やかな香りを持つ米焼酎もあります。

違いその4.味わい

米焼酎は蒸留工程を経ることにより、お米の旨味を残しながらも、すっきりとした口当たりになるのが大きな特徴です。また香りも高く、ほのかな米の甘味も楽しめます。一方の日本酒は、米焼酎よりさらに米の風味や旨みが強く、コクや香りも高いお酒です。

違いその5.飲み方

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米焼酎はロックや水割り、お湯割り、ソーダ割りなど氷や割り材でいろいろな飲み方で楽しめます。一方の日本酒は基本的には水や氷で薄めずそのままで、冷やして飲んだり燗にして飲んだり、温度帯による味わいの変化を楽しむことができるお酒です。

違いその6.アルコール度数

米焼酎は蒸留工程を経ることで、日本酒よりも高い度数のアルコールが含まれます。水の沸点が100℃であるのに対し、アルコールの沸点が78℃であることにより、アルコールの方が先に蒸発し、アルコール度数が高くなるのです。

日本酒は酒税法によってアルコール度数22度以下と上限が設けられているのに対し、米焼酎は45度以下とされています。銘柄によって異なりますが、日本酒は13~15度前後、米焼酎は20~25度前後のものが多いです。

\次のページで「違いその7.熟成」を解説!/

違いその7.熟成

日本酒は経年劣化によって本来の味わいを損ねてしまう場合もあるため、賞味期限は12ヶ月以内が目安とされているお酒です。一方の米焼酎は、貯蔵すればするほど熟成がすすみ、旨味が増していくという特徴があります。

違いその8.種麹

日本酒造りにはおもに黄麹菌が使われますが、米焼酎は、黄麹菌、黒麹菌、白麹菌の3種類を使い分けるのが一般的です。使用する麹菌によって仕上がりが異なります。黄麹菌はもっとも古くから使われている麹菌でフルーティーな香り、白麹菌は一般的に使われている麹菌ですっきりとしたクリアな味わい、黒麹菌はコクのあるどっしりとした味わいが特徴です。

米焼酎・日本酒についてもっと詳しく!

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米焼酎は蒸留させて造られることにより、原料が同じ2つのお酒にはさまざまな違いが生まれることがわかりましたね。種類が異なる米焼酎と日本酒ですが、いったいいつ頃から飲まれるようになったのでしょうか。ここでは歴史や造り方など、さらに詳しくみていきましょう。

1.日本酒の歴史

日本酒の起源については諸説ありますが、日本に稲作が伝わったのは弥生時代とされているようです。しかし縄文時代にはすでに米を使ったお酒が飲まれていたという説もあるようで、縄文後期から弥生時代にかけて日本全土に稲作が広がり、同時に日本酒が造られるようになったといわれています。また九州・近畿などの西日本が起源とする説もあるのです。

「大隅国風土記(おおすみのくにふどき)」に記されている、加熱した米を口の中でよく噛み、唾液に含まれる酵素で糖化し、野生酵母によって発酵をすすめる「口噛みノ酒(くちかみのさけ)」が、酒の最古ではと考えられています。

奈良時代には中国から米麹を使った製法が伝わり、現在のような醸造方法が広まっていったようです。

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2.焼酎の歴史

焼酎と焼酎の大きな違いは製造方法、「蒸留させているかどうか」でしたね。焼酎の起源に関しては日本酒と同様に諸説あるのですが、日本に蒸留技術が伝わったのは、室町時代中期とされています。

1546年に日本を訪れたポルトガル商人が記した報告書に焼酎の記述があり、16世紀頃には琉球王朝から九州に製造技術が伝わったと考えられているのです。琉球王朝で泡盛が造られるようになったのは15世紀といわれています。

泡盛が鹿児島へ伝わり、その後焼酎の製造方法が宮崎県南部・熊本県南部人吉(播磨)、宮崎北部、高千穂へと伝わっていったようです。 米焼酎の発祥は熊本県南部の人吉盆地で、有名な米焼酎に「白岳」や「鳥飼」があります。

3.日本酒の種類

米から造られる日本酒ですが、醸造アルコールが含まれるかどうかと、精米歩合の違いによって8つに分類されます。

・純米大吟醸…原料は米と米麹。精米歩合は50%以下。
・純米吟醸…原料は米と米麹。精米歩合は60%以下。
・特別純米…原料は米と米麹。精米歩合は60%以下または特別な製造方法。
・純米酒…原料は米と米麹。精米歩合の規定はなし。
・大吟醸…原料は米と米麹、醸造アルコール。精米歩合は50%以下。
・吟醸…原料は米と米麹、醸造アルコール。精米歩合は60%以下。
・特別本醸造…原料は米と米麹、醸造アルコール。精米歩合は60%以下または特別な製造方法。
・本醸造…原料は米と米麹、醸造アルコール。精米歩合は70%以下。

4.焼酎の種類

焼酎は、蒸留方法の違いによって「甲類焼酎」と「乙類焼酎」に分けられます。甲類焼酎に用いられるのは「連続式蒸留」という蒸留方法。1つの蒸留機の中で何度も蒸留を繰り返す方法で、効率よくアルコールとそれ以外の成分を分けられるのが特徴です。酒税法によってアルコール度数が36度未満の焼酎と定められています。

乙類焼酎に用いられるのは、「単式蒸留」という蒸留方法。酒税法によってアルコール度数が45度以下の焼酎と定められています。単式蒸留器(ポットスチル)で気化させた蒸気を冷ますことでアルコール度数を高める日本古来より用いられている方法で、原料の香りや風味が多く抽出されるのが特徴です。乙類焼酎のなかでも一定の条件を満たしたものは本格焼酎と呼ばれます。

また原料によってもさまざまな種類に分けられ、芋焼酎、麦焼酎、米焼酎、そば焼酎、泡盛、黒糖焼酎などが一般的に知られている焼酎です。

お米で造られたお酒を楽しもう!

ここまで米焼酎と日本酒の違いについて解説してきました。原料は米と米麹だけですが、製造方法の違いによって、味わいなどに大きな違いが生まれることがわかりましたね。米焼酎も日本酒もさまざまな種類があり、銘柄によりそれぞれ味わいが異なります。いろいろなお酒を飲み比べてみて、お気に入りの一本を見つけてみてくださいね。

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簡単でわかりやすい!米焼酎と日本酒の違いとは?歴史や種類もお酒好きライターが詳しく解説

この記事では米焼酎と日本酒の違いについてみていきます。2つとも日本人の主食であるお米から造られたお酒です。同じ原料から造られたお酒にどのような違いがあるのでしょうか。今回はそんな2つのお酒の違いや歴史、種類についてお酒好きライターaoと一緒に解説していきます。

ライター/ao

夏場はビールを好んで飲むが、寒くなってくると毎晩日本酒が欠かせないライター。好きな日本酒は久保田千寿。

米焼酎と日本酒の違いとは

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日本を代表するお酒である米焼酎と日本酒。普段お酒を飲まない人でも、この2つがお米から造られているお酒であるということは知っているかもしれませんね。同じ原料から造られているのに、味わいは全く異なります。どのようにして違いが生まれるのか、みていきましょう。

違いその1.製造方法

2つのお酒の大きな違いは製造方法です。米焼酎は「蒸留酒(じょうりゅうしゅ)」、日本酒は「醸造酒(じょうぞうしゅ)」に分類されます。醸造酒とは穀物や果実を酵母の力でアルコール発酵させて造られたお酒です。日本酒以外にワイン(果実酒)やビールなども醸造酒になります。


一方の蒸留酒とは、蒸留工程を経て造られたお酒です。蒸留とは液体を熱することで蒸気となって蒸発した気体を再び液体に戻す作業のこと。純度の高い液体を取り出すことができます。

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