この記事では、同音異義語である「趣旨」と「主旨」の違いについてみていきます。2つとも「しゅし」と読み、どちらにも「中心となる事柄」という意味があるため使い分けが難しい言葉なんです。大きな違いは「趣旨」は幅広い複数の事柄に使うことができ、「主旨」は核となる1つの事柄を指すということらしいのです。今回はそんな「趣旨」と「主旨」の違いを、類義語なども確認しつつ、文学好きな主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。

「趣旨」と「主旨」の違いは?

「趣旨」と「主旨」のように、読み方が同じで意味が異なる言葉のことを同音異義語といいます。この2つの言葉、どちらも日常でよく使われていますが、使い分けについては迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。

ざっくりというと、「趣旨」は「物事を行う理由や目的」を表し、「主旨」は「物事の中心となる事柄」を表します。「趣旨」は複数存在することもあり得るのに対し、「主旨」は一つの事柄に限られるということです。それでは、それぞれの意味と使い方について詳しくみていきましょう。

「趣旨」の意味

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「趣旨」には次のような意味があります。

1.事を行うにあたっての、もとにある考えや主なねらい。趣意。
2.文章や話などで、言おうとする事柄。趣意。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「しゅし【趣旨】」

「趣旨」の”趣”という漢字には、「心の向くところ」という意味があります。「趣旨」とは、物事を行うときにもととなっている考えや理由のこと。例えば、文章においては、筆者が文章を書くに至った考えや、文章全体の中で伝えたい内容などを指します。また、話においても同様で、話をしている目的や大切な点を意味する言葉です。

「趣旨」の使い方

「趣旨」という言葉の意味からもわかるように、「趣旨」は文章や話の理由や目的に該当する事柄に対して使います。そのため、1つの文章や話の中に「趣旨」が複数存在する場合もあるということを覚えておきましょう。次に、「趣旨」の例文をいくつか挙げます。

\次のページで「「主旨」の意味」を解説!/

本日開催される会の趣旨について説明しておこう。
この会議の趣旨に反する発言は控えてください。
あなたの話の趣旨は理解できました。

「主旨」の意味

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「主旨」には次のような意味があります。

考え・文章・話などの、中心となる事柄。主意。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「しゅし【主旨】」

「主旨」の”主”という漢字には、「物事の中心」や「1番大切なこと」という意味があります。「主旨」とは、考えや文章などの中心となる事柄のこと。「趣旨」のように「目的」や「狙い」という意味はないので、そのような意味で「主旨」を使うことがないように気を付けましょう。

「主旨」の使い方

「主旨」は、考えや文章などの中心、最も大切な点に該当する事柄に対して使います。そのため、1つの話や文章の中に複数存在することもある「趣旨」とは違い、「主旨」は基本的に1つの事柄である場合が多いです。

また、特にビジネスにおいて使われがちなのが「主旨をご理解の上…」という表現。こちらは、「目的や意図を理解した上で」という意味で使われているので、「趣旨」を使うのが正解です。間違えやすいので気を付けましょう。それでは、次にいくつか「主旨」の例文を挙げます。

今日はあまり時間がないので話の主旨だけ聞かせててくれないか。
彼は始めにその論文の主旨を述べた。
彼女のプレゼンテーションは主旨がつかめなかった。

\次のページで「「趣旨」と「主旨」の類語について」を解説!/

「趣旨」と「主旨」の類語について

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「趣旨」と「主旨」の意味や使い分けは、類語を考えるとより理解しやすくなります。「趣旨」の類語は「目的」「論旨」「趣意(しゅい)」などで、「主旨」の類語は「要点」「ポイント」などです。大きな違いは「目的」の意味が含まれているかどうか。「目的」と言い換え表現ができるものに関しては必ず「趣旨」を使うようにしましょう。

「趣旨」と「主旨」の違いは「目的」の意味を含んでいるか

「趣旨」と「主旨」の違いは理解できたでしょうか。どちらもビジネスシーンなどにおいてよく使われているものの、意味を混同しやすい言葉でもあります。しかし、意味を正しく理解しておくことで、大切なポイントや相手の意図をより正確にくみ取ることができるようになるでしょう。

使い分けのポイントは、「趣旨」のみに「目的」の意味が含まれているということ。また、「趣旨」は複数のことを指しうるのに対し「主旨」は1つの事柄のみを指すのも異なる点です。もし使い分けに迷った場合は、より幅広い意味を含んでいる「趣旨」を使うと間違いを避けられるということもぜひ頭に置いておいてくださいね。

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3分で簡単にわかる!「趣旨」と「 主旨」の違い!使い分けや同義語も主婦ライターが詳しくわかりやすく解説

この記事では、同音異義語である「趣旨」と「主旨」の違いについてみていきます。2つとも「しゅし」と読み、どちらにも「中心となる事柄」という意味があるため使い分けが難しい言葉なんです。大きな違いは「趣旨」は幅広い複数の事柄に使うことができ、「主旨」は核となる1つの事柄を指すということらしいのです。今回はそんな「趣旨」と「主旨」の違いを、類義語なども確認しつつ、文学好きな主婦ライターえぬともと一緒に解説していきます。

ライター/えぬとも

文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。

「趣旨」と「主旨」の違いは?

「趣旨」と「主旨」のように、読み方が同じで意味が異なる言葉のことを同音異義語といいます。この2つの言葉、どちらも日常でよく使われていますが、使い分けについては迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。

ざっくりというと、「趣旨」は「物事を行う理由や目的」を表し、「主旨」は「物事の中心となる事柄」を表します。「趣旨」は複数存在することもあり得るのに対し、「主旨」は一つの事柄に限られるということです。それでは、それぞれの意味と使い方について詳しくみていきましょう。

「趣旨」の意味

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「趣旨」には次のような意味があります。

1.事を行うにあたっての、もとにある考えや主なねらい。趣意。
2.文章や話などで、言おうとする事柄。趣意。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「しゅし【趣旨】」

「趣旨」の”趣”という漢字には、「心の向くところ」という意味があります。「趣旨」とは、物事を行うときにもととなっている考えや理由のこと。例えば、文章においては、筆者が文章を書くに至った考えや、文章全体の中で伝えたい内容などを指します。また、話においても同様で、話をしている目的や大切な点を意味する言葉です。

「趣旨」の使い方

「趣旨」という言葉の意味からもわかるように、「趣旨」は文章や話の理由や目的に該当する事柄に対して使います。そのため、1つの文章や話の中に「趣旨」が複数存在する場合もあるということを覚えておきましょう。次に、「趣旨」の例文をいくつか挙げます。

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