この記事では紅芋と紫芋の違いについてみていきます。紅芋と紫芋、名前は聞いたことがありますが、よく知らないという人も少なくないでしょう。どちらもさつまいものような見た目をしているが、どのような違いがあるのでしょうか。今回はそんな紅芋と紫芋の違いやそれぞれの特徴について、芋好きライターaoと一緒に解説していきます。

ライター/ao

実家から送られてくるさつまいもをせっせと消費しているライター。味噌汁などの汁物に入れて食べるのがブーム。

紅芋と紫芋の違いとは?

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紅芋と紫芋。お菓子の商品名などで名前を聞いたことがあるけれど、芋自体は見たことがなかったり、食べたことのない人も多いかと思います。2つの芋の違いがどこにあるのかみていきましょう。

紅芋とは

紅芋とは沖縄県などで収穫されるヤムイモの一種です。ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれていることで中身は鮮やかな紫紅色をしており、「ダイジョ、ダイショ」とも呼ばれてます。甘味が強いのが特徴です。10月~11月頃に収穫されます。

紫芋とは

紫芋は、鹿児島県や茨城県、宮崎県などで生産されているさつまいもの一種で、アントシアニンが含まれており中身が紫色をしている品種のことを指します。収穫のピークは9月~11月頃。通常のさつまいもと比べると甘味が少なくあっさりとした味わいが特徴です。紫芋は色味を活かして、お菓子に加工されたり、生地の色付けとして多く使用されています。

\次のページで「紅芋・紫芋の特徴」を解説!/

紅芋・紫芋の特徴

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紅芋はヤムイモの一種で、紫芋はサツマイモの一種。2つの種類は芋の種類ということがわかりましたね。見た目は同じですが、芋の種類が違うことでそれぞれどのような特徴があるのかみていきましょう。

紅芋は収穫地からの持ち出し禁止

収穫地の沖縄では、料理やお菓子の食材として使われたり、正月料理にも使われる紅芋ですが、生の紅芋そのものを沖縄・奄美・南西諸島と小笠原諸島以外へ持ち出すことは、アリモドキゾウムシやイモゾウムシなど害虫の拡散防止の観点から、法律により原則禁じられています。

紅芋と紫芋はアントシアニンが豊富

紅芋と紫芋は、アントシアニンという色素が豊富に含まれている事で中身が鮮やかな紫色をしていると前述しましたが、アントシアニンはポリフェノールの一種で抗酸化作用を持っているといわれている成分です。アントシアニンは活性酸素の発生を抑制する効果のほかにも、目に良いとされており、動脈硬化の予防や肝細胞の活性化にも効果があるといわれています。

紫芋は通常のさつまいもより甘くない

さつまいもというと、ほくほく甘い焼き芋を思い浮かべる人も多いかと思いますが、ほとんどの紫芋は通常のさつまいもと比べて糖度が低く、加熱してもあまり甘くなりません。このような理由から、芋そのものを楽しむより、お菓子などに利用されることが多いのです。

紅芋・紫芋についてもっと詳しく!

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通常のさつまいもと比べるとあまり馴染みのない紅芋・紫芋ですが、どちらも日本で栽培される食材であることには変わりありません。この2つの芋についての知識をさらに深めていきましょう。

\次のページで「紅芋の歴史」を解説!/

紅芋の歴史

紅芋は1605年に野国総管(のぐにそうかん)が中国の福建省から苗を持ち帰り、儀間真常(ぎましんじょう)によって琉球各地に広められていったといわれています。沖縄の土壌は水はけが良く石灰質に富んでいるため、芋の栽培に適していたのです。

これまで品種改良が重ねられ、さまざまな品種が栽培されています。読谷村(よみたんそん)が有名な産地です。現在主に栽培されている品種は、「備瀬(びせ)」と「宮農36号」。宮農36号は栽培量が減ってきていますが、備瀬よりも甘味が強いといわれており、人気のある品種です。

紫芋・さつまいもの歴史

紫芋は、16世紀の初めに宮古島の役人である長真氏旨屋(ちょうしんうじしおく)という人物が、琉球王府から帰る途中で中国に漂着、芋かずらを持ち帰って栽培したのがはじまりだといわれています。

さつまいもは紀元前3000年以前からメキシコ中央部からグアテマラにかけて栽培されていたようです。日本へは17世紀の初めに中国から沖縄に伝えられ、その後薩摩に伝えられました。薩摩で栽培が始まったことから「薩摩いも」と呼ばれるようになったようです。

紫芋の種類

通常の中身が白いさつまいもに比べると見かけることが少ない紫芋ですが、通常のさつまいも同様、さまざまな品種があります。

・種子島紫…種子島が産地の紫芋。皮が白っぽく中身は薄紫色で、加熱すると鮮やかな紫色になる。ほのかな甘味とねっとりとした食感が特徴。
・パープルスイートロード…おもに千葉県で栽培されている品種。ほかの紫芋と比べると甘味が強いので、焼いたり蒸したりするだけでも楽しめる。
・なかむらさき…おもに鹿児島県や沖縄県で栽培されている品種。あっさりとした味わいが特徴。
・あやむらさき…鹿児島県や沖縄県で栽培されている。鮮やかな紫色が特徴。甘味が弱いので、加工して食されることが多い。

紅芋・紫芋を味わってみよう!

ここまで紅芋と紫芋について解説してきました。紅芋はヤムイモの一種で紫芋はさつまいもの一種。見た目はそっくりですが、まったくの別物ということがわかりましたね。紅芋・紫芋を使ったお菓子などの加工品はよく目にしますが、一度くらい芋そのものを味わってみたいですよね。

生の状態では沖縄県から持ち出し禁止の紅芋ですが、なんと焼き紅芋を冷凍した商品が通販で購入できます。試してみてはいかがでしょうか。紫芋は、栽培地でなくてもスーパーなどで購入することができますが、通販の購入も可能です。生の紫芋はもちろん、パウダー状に加工したものなども販売されているので、お菓子作りなどに活用してみるのも良いですね。

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簡単でわかりやすい!紅芋と紫芋の違いとは?特徴や種類も芋好きライターが詳しく解説

この記事では紅芋と紫芋の違いについてみていきます。紅芋と紫芋、名前は聞いたことがありますが、よく知らないという人も少なくないでしょう。どちらもさつまいものような見た目をしているが、どのような違いがあるのでしょうか。今回はそんな紅芋と紫芋の違いやそれぞれの特徴について、芋好きライターaoと一緒に解説していきます。

ライター/ao

実家から送られてくるさつまいもをせっせと消費しているライター。味噌汁などの汁物に入れて食べるのがブーム。

紅芋と紫芋の違いとは?

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紅芋と紫芋。お菓子の商品名などで名前を聞いたことがあるけれど、芋自体は見たことがなかったり、食べたことのない人も多いかと思います。2つの芋の違いがどこにあるのかみていきましょう。

紅芋とは

紅芋とは沖縄県などで収穫されるヤムイモの一種です。ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれていることで中身は鮮やかな紫紅色をしており、「ダイジョ、ダイショ」とも呼ばれてます。甘味が強いのが特徴です。10月~11月頃に収穫されます。

紫芋とは

紫芋は、鹿児島県や茨城県、宮崎県などで生産されているさつまいもの一種で、アントシアニンが含まれており中身が紫色をしている品種のことを指します。収穫のピークは9月~11月頃。通常のさつまいもと比べると甘味が少なくあっさりとした味わいが特徴です。紫芋は色味を活かして、お菓子に加工されたり、生地の色付けとして多く使用されています。

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