この記事では春菊の種類や選び方についてみていきます。春菊って何種類もあるイメージはなかったが、葉や茎などの特徴が違うものや、生で食べやすいものなどいくつかの種類があるみたいです。また、春菊は購入してからすぐに食べることがおいしく食べるコツみたいです。おいしい春菊を選ぶときのポイントも確認しておこう。
今回は春菊の旬や産地の情報をおさえつつ、種類や選び方について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。春菊などの少し苦みのある野菜がお気に入り。

春菊の旬は冬

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春菊の旬は、11月から2月頃で冬野菜です。春菊、という名前からなんとなく春の野菜のようなイメージを持つ方もいるかと思いますが、春に花が咲くことから春菊と名付けられています。花に栄養が取られてしまい私たちが食べている葉や茎の部分は固くなり風味が落ちてしまうため、2月頃までが旬、というわけなのです。旬である冬に、副菜やお鍋としてレシピに登場することが多いですよね。関西地方では、春菊ではなく菊菜と呼ばれる場合もあります。

春菊は寒さや暑さに比較的強くハウス栽培も盛んなため、一年中見かけることも多いでしょう。

春菊の歴史

春菊の原産はヨーロッパなどの地中海沿岸で、観賞用として扱われていました。中国に伝わり、食用として食べられるようになり、その後日本には室町時代に伝わったと言われています。

江戸時代頃からは日本でも春菊の栽培がされるようになり、庶民の間にも広まっていったようです。風邪薬や漢方としても使われていました。現在も栄養価の高さから、健康に良い野菜として注目されることが多いです。

春菊の産地

春菊の生産量は大阪・千葉・茨城・群馬・福岡などが多く、東北から九州まで幅広い地域で栽培されています。寒さと暑さに比較的強いことから家庭菜園でも栽培しやすく、様々な地域で栽培されているようです。

日本だけでなく東アジアの国で食べられており、日本以外の国でも栽培されています。和食はもちろん中華料理にも使用されているようです。中国からの輸入もあるので、産地が気になる方はしっかりチェックして購入してください。

春菊は大きく分けて3種類

春菊の種類は大きく分けて大葉種・中葉種・小葉(こば)種の3つです。その中でもいくつかの品種に分けられます。詳しく見ていきましょう。

1.西日本に多い「大葉種」

大葉種は、葉に切れ込みが少なく大きな丸い葉の形をしています。アクが少なく柔らかく、他の種類に比べると苦みが少なめです。根元からカットして収穫されます。春菊の独特な苦みや風味が苦手な方は、大葉種なら食べやすいかもしれません。

お鍋やすき焼きなど加熱して食べるのはもちろん、アクや苦みの少ない特徴からもサラダや主菜の色どりとして生で食べるのも簡単でおすすめです。春菊の大葉種は、西日本で多く栽培されています。

大葉種で大補油的な品種は、「おたふく春菊」や「ふくすけ春菊」、生でも食べやすく品種改良した「サラダ春菊」などです。

\次のページで「2.東日本で多い「中葉種」」を解説!/

2.東日本で多い「中葉種」

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中葉種は、葉がギザギザで切れ込みが深いのが特徴です。中葉の中でも「株立ち中葉」と「株張り中葉」の2種類に分けられます。株立ち中葉は葉だけ摘み取り、その後も葉が成長するので長く収穫できるのが特徴です。株張り中葉は根付や根元から切り取って収穫します。

春菊特有の苦みや風味、あと味が特徴的で、てんぷらやかき揚げ、すき焼きや炒め物、ナムルなど、加熱して苦みを楽しみながら食べるのが一般的です。関東はじめ東日本で多く栽培されており、春菊の種類の中で一番ポピュラーな品種となっています。

「たつなみ春菊」や「さとゆたか」など多くの品種があるので、色々試してみてください。

3.あまり栽培されていない「小葉種」

小葉種は、葉の切れ込みが深くて葉や茎が細いのが特徴です。苦みが少なく柔らかいので食べやすい特徴もあります。しかし、収穫量が大葉や中葉と比べて少ないことからも、現在はほとんど栽培と出荷がされていません。春菊としての販売はじめ、種もなかなか手に入らないので、もしも見かけたら購入してみてはいかがでしょうか。

春菊をおいしく食べるポイント

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おいしい春菊を選ぶ方法やポイント3選をみていきましょう。

1.スーパーでのおいしい春菊の選び方

スーパーで春菊を買うときに注目する所は、茎と葉先です。茎の根元は太すぎると固く繊維っぽく感じてしまうことが多いので、細めでハリのあるものを選びましょう葉先は緑が濃くて鮮やかなものが新鮮です。黄ばんでいたり緑がくすんでいたりすると、収穫されてから時間がたっている可能性があります。

また、葉が茎の下のほうから生えているものも、おいしい春菊を選ぶポイントです。香りが強い物を選ぶのも新鮮な春菊の見分け方となります。

\次のページで「2.春菊のおいしさと栄養を逃さないコツ」を解説!/

2.春菊のおいしさと栄養を逃さないコツ

春菊は、収穫後素早く食べることがおいしさと栄養を逃さないコツです。春菊は収穫から3~4日過ぎると、栄養が一気に減っていきます。うまく保存すれば冷蔵庫で1週間保存はできますが、春菊の栄養を取りこぼさず食べるには新鮮な春菊を選ぶことと購入後すぐに食べることが大切です。家庭菜園で育てる場合は食べる直前に収穫すると、栄養を逃さず食べられるでしょう。

また、時間をかけて洗ったりゆでたりするほど水溶性の栄養が水に流れ出てしまいます。調理ではサッと洗いサッとゆでる作り方が栄養を逃さないコツです。

3.苦手な人でも食べやすい春菊

春菊の苦みや香りが苦手な方には「サラダ春菊」がおすすめです。春菊は独特な香りと苦みが特徴でそれが春菊の人気な点ですが、好みが分かれてしまうのも事実。しかし、栄養豊富な春菊を食べられるようになりたい!という方もいるでしょう。

実際、春菊は緑黄色野菜の中でもトップクラスの栄養を含んでいますので、ぜひ食べてほしい野菜でもあります。苦みや香りをおさえて改良されたサラダ春菊を試してみてはいかがでしょうか。茎の部分には葉が付かない食べやすく開発された「スティック春菊」という品種もあります。

「サラダ春菊」というくらいなので生で食べるのがおすすめですが、沸騰したお湯でさっとゆでて冷水にとるとさらに食べやすくなるでしょう。

おいしい春菊を選んで活用しよう!

春菊は冬が旬の野菜で、その種類や選び方のポイントなどが分かりました。和食や中華などによく合い、醤油やみりん、ごま油や鶏ガラなどさまざまな調味料との相性が良い春菊。春菊の種類の特徴を知り、新鮮な春菊を選ぶことで、よりおいしく食卓で活用できるようになります。おいしい春菊を選んでおいしく食べてほしいです。

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家庭科

簡単な春菊の選び方を知っておいしく食べよう!種類や食べる際のポイントも管理栄養士がわかりやすく解説

この記事では春菊の種類や選び方についてみていきます。春菊って何種類もあるイメージはなかったが、葉や茎などの特徴が違うものや、生で食べやすいものなどいくつかの種類があるみたいです。また、春菊は購入してからすぐに食べることがおいしく食べるコツみたいです。おいしい春菊を選ぶときのポイントも確認しておこう。
今回は春菊の旬や産地の情報をおさえつつ、種類や選び方について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。春菊などの少し苦みのある野菜がお気に入り。

春菊の旬は冬

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春菊の旬は、11月から2月頃で冬野菜です。春菊、という名前からなんとなく春の野菜のようなイメージを持つ方もいるかと思いますが、春に花が咲くことから春菊と名付けられています。花に栄養が取られてしまい私たちが食べている葉や茎の部分は固くなり風味が落ちてしまうため、2月頃までが旬、というわけなのです。旬である冬に、副菜やお鍋としてレシピに登場することが多いですよね。関西地方では、春菊ではなく菊菜と呼ばれる場合もあります。

春菊は寒さや暑さに比較的強くハウス栽培も盛んなため、一年中見かけることも多いでしょう。

春菊の歴史

春菊の原産はヨーロッパなどの地中海沿岸で、観賞用として扱われていました。中国に伝わり、食用として食べられるようになり、その後日本には室町時代に伝わったと言われています。

江戸時代頃からは日本でも春菊の栽培がされるようになり、庶民の間にも広まっていったようです。風邪薬や漢方としても使われていました。現在も栄養価の高さから、健康に良い野菜として注目されることが多いです。

春菊の産地

春菊の生産量は大阪・千葉・茨城・群馬・福岡などが多く、東北から九州まで幅広い地域で栽培されています。寒さと暑さに比較的強いことから家庭菜園でも栽培しやすく、様々な地域で栽培されているようです。

日本だけでなく東アジアの国で食べられており、日本以外の国でも栽培されています。和食はもちろん中華料理にも使用されているようです。中国からの輸入もあるので、産地が気になる方はしっかりチェックして購入してください。

春菊は大きく分けて3種類

春菊の種類は大きく分けて大葉種・中葉種・小葉(こば)種の3つです。その中でもいくつかの品種に分けられます。詳しく見ていきましょう。

1.西日本に多い「大葉種」

大葉種は、葉に切れ込みが少なく大きな丸い葉の形をしています。アクが少なく柔らかく、他の種類に比べると苦みが少なめです。根元からカットして収穫されます。春菊の独特な苦みや風味が苦手な方は、大葉種なら食べやすいかもしれません。

お鍋やすき焼きなど加熱して食べるのはもちろん、アクや苦みの少ない特徴からもサラダや主菜の色どりとして生で食べるのも簡単でおすすめです。春菊の大葉種は、西日本で多く栽培されています。

大葉種で大補油的な品種は、「おたふく春菊」や「ふくすけ春菊」、生でも食べやすく品種改良した「サラダ春菊」などです。

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