
3分で簡単にわかる!「収める」と「納める」の違いとは?「修める」や「治める」との使い分けも主婦ライターが詳しくわかりやすく解説

ライター/えぬとも
文学好きな主婦ライター。大学時代は日本文学を専攻しつつ、日本語学や日本美術史など幅広く学ぶ。今回は、その知識を生かして、2つの言葉の違いをわかりやすく解説していく。
「収める」と「納める」の違いは?
「収める」と「納める」のように、訓読みが同じでありながら異なる漢字を使うものを異字同訓と呼びます。どちらも「きちんとあるべきところに入れる」という似たような意味で使われる言葉なので、いざ書こうとしたときに使い分けに迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。
ざっくりというと、「収める」は「中に入れる、手に入れる、良い結果を得る」、「納める」は「あるべきところに落ち着く、終わりにする」という意味で使われます。意味を覚えておくことも大切ですが、熟語で考えることで使い分けがしやすくなる場合も多いこれらの言葉。それでは、1つずつ詳しく確認していきましょう。
1.一定の範囲の中にきちんと入れる。収納する。きまった所にしまう。
2.金や物などを受け取って自分のものとする。手に入れる。受納する。獲得する。
3.乱れているものを、落ち着いて穏やかな状態にする。争いや動揺をしずめる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「おさめる【収める】」
「収める」の使い方
「収める」は「一定の範囲内にきちんと入れる」という意味で使います。物をあるものの中に収納するという意味で使うときは、主にこちらの「収める」。また、「勝利を収める」のように良い結果を得るという意味や、「争いを収める」のように落ち着いた状態にするという意味もあります。
使い分けに迷った場合は、「収容」「収得」「収束」などの熟語に置き換えてみましょう。次に例文を挙げます。
服をクローゼットに収める。
彼は試行錯誤の末成功を収めた。
話し合いによってその場を丸く収めた。
1.渡すべき金や物を受け取る側に渡す。納入する。
2.物事をそれで終わりにする。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「おさめる【納める】」
「納める」の使い方
「納める」も「収める」と同様、「あるべきところに物を入れる」という意味で使われます。ただし、「収める」と違う点は、「納める」は主に決められた金品を入れるときに使うことが多いこと。また、「仕事納め」のように物事をそれで終わりにするという意味もあります。
「物を入れる」という意味で使うときに「収める」との使い分けに迷うことが多いと思うので、その場合は「納入」という熟語に置き換えて考えてみましょう。
ピアノ教室に今月分の月謝を納める。
取引先に指定された品を納める。
この旅行で見た景色を胸に納めておこう。
今日でこの曲は歌い納めにする。
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