この記事ではアーモンドプードルとアーモンドパウダーの違いについて見ていきます。どちらも「アーモンド」と名のつくお菓子作りの材料ですが、レシピや売り場を見てなにが違うのか疑問に思ったことはないか?皮付きと皮なしの差や詳しい使い方など、調べてみるとなかなか奥の深い世界のようです。
今回は2つの違いや使うメリットについて、お菓子作り大好きライターのかみかわかなえと一緒に解説していきます。

ライター/かみかわかなえ

お菓子作り大好きライター。幼少期から母と共にお菓子作りをし、現在でもイベントごとや記念日には必ず手作りのお菓子を用意する。

アーモンドプードルとアーモンドパウダーに違いはあるの?

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アーモンドプードルとアーモンドパウダーはお菓子作り、とくに焼き菓子に使われることの多い材料です。お菓子作りが好きな方なら耳にする機会も多いと思いますが、何が違うのか疑問に感じたことはありませんか?

レシピには「アーモンドパウダー」と書いてあるけど、お店や家には「アーモンドプードル」しかない…なんて困っている方もいらっしゃるかもしれません。そんな2つの違いについて、わかりやすく解説していきます。

どちらも「アーモンドの粉」

アーモンドプードルとアーモンドパウダーは、どちらもアーモンドを細かく砕いて粉末状にしたものです。焼き菓子に使用すると、風味やコクが増してリッチな味わいに。クッキーならサクサク・ケーキならしっとりとした食感を生みだしてくれる優れモノです。皮付き・皮なしといった種類の違い、代用品、自家製パウダーの作り方など詳しいことについては後ほどご紹介します。

「パウダー」は英語、「プードル」はフランス語

アーモンドプードルとアーモンドパウダーの違いですが、じつは2つとも同じもの。名前が違うだけですので、「プードル」が使われるお菓子を「パウダー」で作ってもなんの問題もありません。もちろん逆も大丈夫です!

パウダーは英語、プードルはフランス語で、どちらも「粉」という意味のことばです。音で聞いたりカタカナにしたりするとあまり似ていませんが、アルファベットにすると近い雰囲気をもっていることがおわかりいただけるかと思います。

・powder:パウダー(英語)
・poudre:プードル(フランス語)

アーモンドプードルは日本独自のことば

アーモンドプードルとアーモンドパウダー、どちらにも共通している「アーモンド(almond)」は英語です。つまり、アーモンドプードルは英語の「アーモンド」とフランス語の「プードル」を合体させたことばなんですね。これは外国語をもとに日本で独自に作られたことば、いわゆる和製外来語というものです。

ちなみに、フランス語でアーモンドは「アマンド(amande)」、アーモンドパウダーは「アマンド アン プードル(amandes en poudre)」もしくは「 プードルダマンド(poudre d'amandes)」というそうですよ。

アーモンドフラワーとの違いは?

アーモンドフラワーというものを聞いたことがありますか?こちらもアーモンドを砕いた粉なのですが、アーモンドプードル・アーモンドパウダーとは別物です。

大きな違いは使い方。アーモンドプードル・アーモンドパウダーは小麦粉の一部を置きかえて生地にねりこむのに対し、アーモンドフラワーはそれ自体を小麦粉の代替品として使用します。つまり、小麦粉を使わずにすべてアーモンドフラワーで置きかえることが可能です。

\次のページで「アーモンドプードルとアーモンドパウダーについて詳しく知りたい!」を解説!/

アーモンドフラワーを使うメリット
・小麦粉を使うよりも低糖質
・小麦粉を使わないためグルテンフリーのお菓子を作れる
・アーモンドの栄養素をとれる(ビタミンE、タンパク質、食物繊維など)
・アーモンドプードル・アーモンドパウダーより粒子が大きく、ふっくらとした焼きあがりになる

アーモンドプードルとアーモンドパウダーについて詳しく知りたい!

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アーモンドプードル・アーモンドパウダーを加えると、クッキーならサクサク・ケーキならしっとり…まったく違う2つの食感になるのがふしぎではありませんか?

異なる食感を生みだせる理由、皮付きと皮なしの差など、奥が深いアーモンドプードル・アーモンドパウダーの世界。さらに詳しく知っておいしいお菓子作りに役立てましょう。

疑問その1.何のために入れるの?

アーモンドプードル・アーモンドパウダーをお菓子作りに使う理由は、冒頭で説明した通りお菓子の風味や食感をよりよいものにするためです。

クッキーがガチガチと固くなってしまう原因は、小麦粉に含まれているグルテンにあります。そして、アーモンドプードル・アーモンドパウダーにグルテンは含まれていません。アーモンドプードル・アーモンドパウダーは小麦粉の一部を置きかえて使うため、必然的にグルテンの量が減り、サクサクでほろっとした食感のクッキーができるというわけです。

また、アーモンドプードル・アーモンドパウダーには油分が含まれているため、ケーキもしっとりと仕上がります。

\次のページで「疑問その2.皮付きと皮なしはどう違う?」を解説!/

疑問その2.皮付きと皮なしはどう違う?

アーモンドプードル・アーモンドパウダーには皮付きのものと皮なしのものがあります。アーモンドを皮ごと砕くか、皮をむいてから砕くかの差ですね。詳しい違いについて確認していきましょう。

・皮付き…アーモンドの風味やコクが強く、栄養素もまるごととれる。できあがったお菓子に茶色い皮の粒が見えたり、色がついたりする。タルトやフィナンシェ、アーモンドクリームなどにおすすめ。
・皮なし…アーモンドの風味が穏やかで主張しすぎない。お菓子の見た目や色に影響がでにくいため幅広く使える。抹茶やココアなどほかの材料の風味・色を生かしたい場合や、マカロンなどにおすすめ。

疑問その3.どこで買えるの?

アーモンドプードル・アーモンドパウダーはスーパーや製菓材料店、インターネットなどから購入できます。とくに皮付きタイプや大容量のものは、スーパーだと見つけられないかもしれません。製菓材料店やインターネットで探してみてください。市販品の中にはアーモンド以外にコーンスターチなどが含まれているものもありますので、アーモンド100%のものがほしい方は注意してくださいね。

また、フードプロセッサーをお持ちの場合は自家製アーモンドプードル・アーモンドパウダーを作ることもできます。

自家製アーモンドプードル・アーモンドパウダーの作り方

・皮付きの場合
1.フードプロセッサーにお好みの量のアーモンドを入れ砕く

・皮なしの場合
1.アーモンドを熱湯に3分間ひたすorゆでる
2.アーモンドの皮をむく(やけどに注意!)
3.フードプロセッサーにアーモンドを入れ砕く
4.フライパンに入れて熱し水分をとばす
※水分をとばす過程で砕いたアーモンドに色がつき、お菓子の見た目に影響する場合があります

☆注意点
・おつまみ用アーモンドなど塩味や油がついているものは避けましょう
・長い時間フードプロセッサーにかけているとペースト状になってしまうため気をつけましょう

疑問その4.買いに行く時間がない…代用品はある?

「レシピに書いてあるけど、買いに行く時間がない…」「アーモンドプードルもアーモンドパウダーもないけど、どうしてもこのレシピで作りたい!」というときもありますよね。おうちにあるもので代用品として使えるものをご紹介します。

\次のページで「アーモンドプードルとアーモンドパウダーの使い方」を解説!/

・アーモンド以外のナッツ粉…ヘーゼルナッツ、カシューナッツ、クルミなど
・きなこ…吸水性が高いため、様子を見ながら水分を足す。大豆の香りがでて和風な味わいに。ケーキよりもクッキーがおすすめ
・すりごま…油分を含むためコクがでる。風味もつよいため、きなこと同じくクッキーがおすすめ
・片栗粉orコーンスターチ…風味はでないがサクッとした食感になる
・薄力粉…食感や風味はだせない。片栗粉とまぜて食感を足すのもありだが、はじめから薄力粉だけのレシピに変えることも検討の価値あり

レシピによってどの材料で代用するべきかは変わります。そしてこういってはなんですが、レシピ通りにアーモンドプードル・アーモンドパウダーを使うことが1番おいしく仕上げる方法なのは間違いありません。

「アーモンドプードル・アーモンドパウダーは高いから…」と迷われている方は、思いきって容量の多いものを買ってみるのも手かもしれませんね。同じ分量で比較したとき、少量のものよりお得な場合が多いです。お菓子だけでなくおかずにも使えますし、冷凍保存も可能ですよ。詳しい保存方法は後ほどご紹介します。

アーモンドプードルとアーモンドパウダーの使い方

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ここまで読んでくださった方は、アーモンドプードル・アーモンドパウダーについてかなり詳しくなっているはず。最後に具体的な使い方と保存方法をご紹介します。

レシピ通りor小麦粉を置きかえる

アーモンドプードル・アーモンドパウダーの基本的な使い方は、レシピに記載があればもちろんその通りに。記載がないときは、小麦粉などの粉類のうち10%から30%を置きかえるだけです。アーモンドプードル・アーモンドパウダーを入れると生地がやわらかくなるため、成型したい場合は入れすぎに注意しましょう。

常温はNG!適切な保存方法

アーモンドプードル・アーモンドパウダーの常温保存はNGです。油分を含むため、酸化して風味が落ちたり、環境によってはカビが生えてしまうこともあります。

すぐに使う予定がある場合は冷蔵庫に入れて保管しましょう。しばらく使わない場合は冷凍庫に入れるとよいです。なるべく空気を抜き、冷凍用のフリーザーバックを使用してください。ただし、冷凍焼けのおそれがあるため長期間の保存は避けてくださいね。

アーモンドプードル・アーモンドパウダーを使ってワンランク上のお菓子作りを楽しもう!

今回はアーモンドプードルとアーモンドパウダーについて詳しく掘り下げていきました。2つは呼び方が違うだけでまったく同じもの。売り場や自宅に片方しかない!と困っていた方は、安心してそちらを使ってくださいね。

風味や食感を引きたて、おいしいお菓子作りを助けてくれるアーモンドプードル・アーモンドパウダー。ワンランク上の味わいで、お菓子作りがさらに楽しくなりますよ!

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簡単でわかりやすい!アーモンドプードルとアーモンドパウダーの違いとは?どちらも同じもの?代用品や保存方法もお菓子作り大好きライターが詳しく解説

この記事ではアーモンドプードルとアーモンドパウダーの違いについて見ていきます。どちらも「アーモンド」と名のつくお菓子作りの材料ですが、レシピや売り場を見てなにが違うのか疑問に思ったことはないか?皮付きと皮なしの差や詳しい使い方など、調べてみるとなかなか奥の深い世界のようです。
今回は2つの違いや使うメリットについて、お菓子作り大好きライターのかみかわかなえと一緒に解説していきます。

ライター/かみかわかなえ

お菓子作り大好きライター。幼少期から母と共にお菓子作りをし、現在でもイベントごとや記念日には必ず手作りのお菓子を用意する。

アーモンドプードルとアーモンドパウダーに違いはあるの?

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アーモンドプードルとアーモンドパウダーはお菓子作り、とくに焼き菓子に使われることの多い材料です。お菓子作りが好きな方なら耳にする機会も多いと思いますが、何が違うのか疑問に感じたことはありませんか?

レシピには「アーモンドパウダー」と書いてあるけど、お店や家には「アーモンドプードル」しかない…なんて困っている方もいらっしゃるかもしれません。そんな2つの違いについて、わかりやすく解説していきます。

どちらも「アーモンドの粉」

アーモンドプードルとアーモンドパウダーは、どちらもアーモンドを細かく砕いて粉末状にしたものです。焼き菓子に使用すると、風味やコクが増してリッチな味わいに。クッキーならサクサク・ケーキならしっとりとした食感を生みだしてくれる優れモノです。皮付き・皮なしといった種類の違い、代用品、自家製パウダーの作り方など詳しいことについては後ほどご紹介します。

「パウダー」は英語、「プードル」はフランス語

アーモンドプードルとアーモンドパウダーの違いですが、じつは2つとも同じもの。名前が違うだけですので、「プードル」が使われるお菓子を「パウダー」で作ってもなんの問題もありません。もちろん逆も大丈夫です!

パウダーは英語、プードルはフランス語で、どちらも「粉」という意味のことばです。音で聞いたりカタカナにしたりするとあまり似ていませんが、アルファベットにすると近い雰囲気をもっていることがおわかりいただけるかと思います。

・powder:パウダー(英語)
・poudre:プードル(フランス語)

アーモンドプードルは日本独自のことば

アーモンドプードルとアーモンドパウダー、どちらにも共通している「アーモンド(almond)」は英語です。つまり、アーモンドプードルは英語の「アーモンド」とフランス語の「プードル」を合体させたことばなんですね。これは外国語をもとに日本で独自に作られたことば、いわゆる和製外来語というものです。

ちなみに、フランス語でアーモンドは「アマンド(amande)」、アーモンドパウダーは「アマンド アン プードル(amandes en poudre)」もしくは「 プードルダマンド(poudre d’amandes)」というそうですよ。

アーモンドフラワーとの違いは?

アーモンドフラワーというものを聞いたことがありますか?こちらもアーモンドを砕いた粉なのですが、アーモンドプードル・アーモンドパウダーとは別物です。

大きな違いは使い方。アーモンドプードル・アーモンドパウダーは小麦粉の一部を置きかえて生地にねりこむのに対し、アーモンドフラワーはそれ自体を小麦粉の代替品として使用します。つまり、小麦粉を使わずにすべてアーモンドフラワーで置きかえることが可能です。

\次のページで「アーモンドプードルとアーモンドパウダーについて詳しく知りたい!」を解説!/

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