この記事ではホッピーとビールの違いについてみていきます。どちらも居酒屋ではよく見かけるポピュラーな酒ですね。一見すると似たような見た目をしているが、原料や飲み方など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。今回は読めば飲んでみたくなるこの2つの違いを、定義から楽しみ方まで雑学マニアの田坂と一緒に解説していきます。

ライター/田坂バーシル

子供の頃から本の虫で、些細な事柄も調べずにはいられない性質。小説、漫画はもちろん、歴史、芸術、宗教、宇宙、アンダーグラウンドまで興味は尽きないようだ。今日も文字の大海原に驚きとときめきを求める雑学マニア。

ホッピーとビールの違いとは?

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皆さんはホッピーとビールの違いをいくつ知っていますか?ざっくりと説明すると、ビールはホップから作られたお酒。ホッピーは当時高価だったビールを安く飲めるように作られたいわばビールの代替品。しかしそれでは「ホッピーはただのビールの廉価版なのか」というとそんなことはありません

なかには「下町の飲み物」「おじさんの飲み物」といったイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、この記事を読めばホッピーの新たな魅力を発見できると思いますよ。それでは知っているようで知らないこの2つの違いを詳しく解説していきましょう。

ホッピーってどんなもの?

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ホッピービバレッジ(旧コクカ飲料株式会社)によって1948年に製造販売が開始され、半世紀以上に渡って愛されてきたロングセラー飲料です。ホッピービバレッジによると「ホッピーは元祖ビアテイスト清涼飲料水です」とのこと。

ホッピーには通常のホッピー(通称「白ホッピー」)と、ホッピーブラック(通称「黒ホッピー」)の2種類がメジャーです。55周年を記念した特別な55ホッピー(通称「赤ホッピー」)という商品もあるのですが、ここでは家庭や居酒屋でよく飲まれている白ホッピーと黒ホッピーを取り上げていきます。

オトナの清涼飲料水?

実はホッピーは表記上「アルコール飲料」ではなく「炭酸清涼飲料水」です。しかしこれは酒税法で「アルコール度数1%未満のものは清涼飲料水にあたる」と定められているためで、ホッピーには0.8%のアルコールが含まれているので正確には「微アルコール入りの飲料」となります。従って禁酒中の方や、お酒を全く飲めない体質の方は飲むことができませんので注意が必要ですね。

ホッピーは焼酎と割って飲むのが一般的ですが、冷やしてストレートで飲む飲み方も人気があります。

ホッピーは低カロリー・低糖質!

ホッピーのボトルを見ると、上部に大きく「低カロリー」「低糖質」「プリン体ゼロ」と書かれています。成分を見てみましょう。

・カロリー:(白)11kcal〜(黒)12kcal/100ml。焼酎(70ml)で割ってもビールの約3/4。
・糖質:(白)1.7g〜(黒)1.9g/100ml。
・プリン体:0g。

プリン体は甲類の焼酎にも含まれていませんので、高尿酸血症や通風の方には嬉しいポイントですね。またホッピーの酵母にはビタミンB1・B2、ニコチン酸、葉酸、必須アミノ酸、ミネラルなどが含まれていて、新陳代謝を促進する効果があるそうです。ホッピーは健康志向派の味方ともいえそうですね。

ビアテイストってどういうもの?

ビアテイスト、またはビールテイスト飲料とは味や香りをビールに似せた炭酸飲料のことです。アルコール分0.00%から1%未満のものがこれに該当します。日本のメーカーから発売されているノンアルコールビールはアルコール分0.00%のものが多いのですが、なかには微量のアルコールを含むものもありますの運転前や禁酒中の方は必ず表示を確認するようにしましょう。

ホッピーの原材料と製造法

カロリーと糖質が低く、プリン体ゼロのホッピーですが、何から作られているのでしょう。

・麦芽
・粉飴
・ぶどう糖
・スターチ
・ホップ
・炭酸
・酸味料
・調味料(アミノ酸)

麦芽とホップ、スターチはビールにも使われますが、それ以外はホッピー特有のものです。秩父山系の天然水を使用していて、麦芽・ホップ・酵母も天然ものにこだわって作られています。実は製造工程はビールと全く同じなのですが、アルコール度数が0.8%しかないのでノンアルコールビールに似ていると言えるかもしれません。

さらにホッピーと言えばちょっとレトロなラベルが印象的ですが、なんと個人でも24本からオリジナルラベルを制作してくれるサービスまであるそうです。製品のガラス瓶はリサイクルされており、環境への意識の高さも感じられますね。

ビールってどんなお酒?

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ビールの発祥はとても古く、メソポタミアで人類が農耕生活を始めた頃、放置してあった麦の粥に酵母が入り込み自然発酵したのが起源とされています。少なくとも5000年前には人の手によってビール作りが行われており、シュメール人がその様子を粘土板に残しているんだとか。

日本には江戸時代にオランダ王国からもたらされ、国内で作られるようになったのは1853年頃だといわれています。

ビールの定義

実は国内で「ビール」と呼ばれるためには守らなければならない決まりがあるのです。2020年10月の酒税法改正により、日本国内における酒税法上のビールの定義は以下のようになっています。

*麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの(アルコール分が20度未満のもの)
*麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもので、下記の条件を満たすもの(アルコール分が20度未満のもの)
*上記に掲げるビールにホップ又は政令で定める物品を加えて発酵させたもので、下記の条件を満たすもの(アルコール分が20度未満のもの)
(条件)麦芽比率が100分の50以上であること並びに使用した果実(乾燥したもの、煮詰めたもの又は濃縮した果汁を含む。)及び一定の香味料の重量が麦芽の重量の100分の5を超えない(使用していないものを含む。)こと

(出典:酒税法第3条第12号)

発泡酒や第3のビールとはどう違うの?

ビールと発泡酒は見た目も味もよく似ていて、比べて飲んでもわからないほど似ているものもありますよね。ですが酒税法でこれらははっきりと区別されています。

*麦芽又は麦を原料の一部とした酒類で発泡性を有するもの(アルコール分が20度未満のもの)

(出典:酒税法第3条第18号)

以上のことから、ビールと発泡酒の大きな違いは「麦芽使用率」「副原料の使用比率」だとわかりますね。また第3のビール(新ジャンル)と呼ばれるビールテイスト飲料は、法律上は「その他の発泡性酒類」に分類されています。こちらはそもそも麦芽を原料として一切使用していないものもあるため、現在ビールとは明確に区別されているのです。

なお2023年10月、2026年10月と段階的に酒税法は改正され、これらの区分は廃止される予定となっています。

\次のページで「ビールの原材料と製造法」を解説!/

ビールの原材料と製造法

主な国内産のビールの原材料は「麦芽、ホップ、米、コーン、スターチ」となっています。酒税法で定められていることから、原材料や比率は厳格に守られているんですね。製造工程は「製麦(麦芽作り)→仕込(糖化・麦汁)→発酵→貯酒→ろ過→パッケージング(瓶・缶・樽詰め)」となっていて、これはホッピーも同じです。

また成分についてはメーカーによって多少の違いがありますが、以下のようになっています。

・アルコール度数:約5〜6%。
・カロリー:約40〜47kcal/100ml。
・糖質:約3〜3.6g/100ml。
・プリン体:約5〜11g/100ml。

さらにビールに含まれている「イソα酸」という苦味成分が、脳の認知機能を高めてくれるという研究もあります。国内のものだけでも大変種類が多く、商品によっては糖質オフやゼロを謳っているものもあるので、選ぶ楽しみは多いと言えますね。

ホッピーとビールはどんな風に飲んだらいいの?

ここまででホッピーとビールは味にも成分にも違いがある、ということがおわかりいただけたと思います。それではそれぞれどんな時に飲むといいのでしょう。

ホッピーはこんな時に飲むのがおすすめ

ホッピーは麦芽発酵飲料というだけあって、豊かな麦の味わいとほどよい苦味があります。また、「自分で作るという“ひとてま”がホッピーのおいしさを完成させる」ということから、ホッピーは「手酌」を推奨するドリンクです。飲みきってから焼酎とホッピーを混ぜるというスタイルですので、飲み会などで次々にお酌に来られてしまって困る時など、「ホッピーだから」とさりげなくお酌を断る口実になるのでいいかもしれませんね。

もちろん低糖質で低カロリーであることから、健康志向の方やダイエット中の方にもおすすめできるでしょう。

ビールはこんな時に飲むのがおすすめ

飲み会などでは「とりあえずビール」というくらい1杯目によく飲まれるビール。ですが最近では様々なメーカーから多種類のビールが発売されおり、飲食店でも複数の銘柄を揃えているお店も珍しくありません。「とりあえず」ラガービールで喉の乾きを癒すのもよし、パブや自宅でゆったりとエールビールなどを傾けるのもこだわりを感じられていいですね。

ビール×トマトジュースビール×ジンジャーエールなど、手軽な飲み物で割るとまた違った美味しさになります。

ホッピーの楽しみ方

ホッピーは酒屋や量販店で購入することももちろんできますが、まずは居酒屋で頼んでみるのもよいでしょう。しかしホッピーの注文は初心者にはわかりにくい点も少しあるのでご紹介します。

ホッピーには白と黒がある?

白ホッピーはクセがなく、後味が爽やかで豊かなホップの香りがあります。一方の黒ホッピーにはカラメルのような苦味と香ばしさ、まろやかな甘みもあってこちらのほうが焼酎によく合うと感じる人もいるようです。どちらのホッピーも定番の割り材といえばキンミヤ焼酎ですが、もちろん他の焼酎を入れてクセを楽しむのもいいですね。

ホッピーの基本的な飲み方

居酒屋でホッピーセットを注文すると、白または黒のホッピーのボトルと冷えた焼酎の入ったジョッキが提供されるはずです。なかにはアイスペールとマドラー、ジョッキに氷を満たして提供してくれるお店もありますが、提供元のホッピービバレッジが氷を入れないことを推奨していることから、できれば初めて飲む時は氷を出さないお店で飲むのがよいでしょう。ジョッキにはすでに焼酎が入っていますので、あとはホッピーを勢いよく注ぐだけです。かき混ぜる必要はありません

この飲み方ですとホッピーが余りますので、焼酎をおかわりし2杯目を楽しみます。この時、ホッピーのことを「外(そと)」、焼酎のことを「中(なか)」と呼んで注文をすると、店員さんに「おっ、この人はホッピーを飲み慣れているな」と感心されるかもしれませんよ。

ではホッピービバレッジがおすすめする、オリジナルジョッキを用いたホッピーの楽しみ方をいくつかご紹介します。

ハーフ&ハーフ(アルコール度数 0.8%)

基本のスタイルは「3冷」。ホッピー・焼酎・ジョッキの三つをよく冷やしておくのが最も大切です。味も炭酸も薄まってしまうので、氷を入れるのは避けたほうがよいそう。ホッピー・焼酎をよく冷やし、オリジナルジョッキは冷凍庫で凍らせるのがおすすめです。

ハーフ&ハーフはよく冷やしたホッピーと黒ホッピーを名前の通り半分ずつ注げば出来上がり。和洋中、どんな料理とも相性ぴったりの低アルコールドリンクです。

ウルトラD(アルコール度数 7%)

アルコール度数25%の甲類焼酎とホッピーを合わせた、キレ味抜群のドリンク。醸造酒であるホッピーのコクと、蒸留酒である焼酎のスッキリした飲み口が絶妙で「ウルトラドライ」で「ウルトラD」と名付けられた飲み方です。

ホッピー・焼酎・ジョッキの三つをよく冷やした「3冷」で。焼酎はジョッキの2つめの★まで入れ(110cc)、ホッピーを勢いよく注げば出来上がり。(オリジナルジョッキがない場合は焼酎1:ホッピー3が目安ですが、薄めがお好みの方は1:5にするとアルコール度数4〜5%になります。)

プレミアムライト(アルコール度数 4.8%)

甲類焼酎20%と25%、二つの焼酎とホッピーを合わせた軽い口当たりのドリンク。25%の焼酎をよく冷やしておき、シャーベット状に凍らせた20%の焼酎をジョッキの1つめの★半分(35cc)まで入れます。そこによく冷やした甲類25%の焼酎を1つめの★上(35cc)まで入れ、あとはよく冷やしたホッピーを勢いよく注げば出来上がり。

20%の焼酎は薄めのペットボトルに移し替えて凍らせ、手で揉んでシャーベット状にすると注ぎやすくなりますよ。

ホッピーカクテル

自分だけの配合で好みのアルコール濃度で楽しめるのがホッピーの醍醐味です。ソフトドリンクなどノンアルコールの割材と組み合わせてもよいでしょう。少しおしゃれなホッピーカクテルもご紹介します。

クロウメP:ホッピーブラック(330ml)×梅酒(45ml)に梅を一粒落として。
赤坂リバティ:ホッピーブラック(330ml)×ラム(30ml)にシロップ漬けのチェリーを一粒落として。
ブラックダイヤモンド:ホッピーブラック(330ml)×コーヒーリキュール(30ml)。
ホッピー オン ザ スカイ:ホッピー(330ml)×ジン(30ml)にライムを一差しして。
ホッピーラブ:ホッピー(330ml)×カシスリキュール(30〜40ml)。
ロティ:ホッピーブラック(330ml)×アイスコーヒー(60ml)。低アルコールカクテル。

他にもホッピー×コーラや、ホッピー×トマトジュースの低アルコールカクテルも飲みやすくおすすめです。いずれもホッピーとグラス、リキュール類もよく冷やしておくのがポイントですよ。

販売元のホッピービバレッジに認定されたお店でしか提供されていない「生ホッピー」というものもあります。生ホッピーサーバーから注がれるため、温度や衛生管理が難しく限られたお店でしか飲めません。もしも見つけることができたらとてもラッキー!

ホッピーとビールにはそれぞれ特徴がある!

ホッピーとビール、調べてみるとどちらにも特徴があり、好みやシーンに合わせて選ぶ楽しみが広がりますね。

・ホッピー:低カロリー、低糖質、プリン体ゼロ。割るものや濃さを自分の好みで作れる。
・ビール:最近は種類が多いので体質やシーンに合うものをチョイスできる。

当たり前のことですが、ホッピーもビールも飲み過ぎると良くないのは言うまでもありません。ご自分に合った適量を守ってお酒をお楽しみください。最後になりますが、この記事で楽しいお酒ライフのお手伝いができたら幸いです。

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雑学

簡単でわかりやすい!ホッピーとビールの違いとは?ホッピーのカロリーやビールの定義も雑学マニアが詳しく解説

この記事ではホッピーとビールの違いについてみていきます。どちらも居酒屋ではよく見かけるポピュラーな酒ですね。一見すると似たような見た目をしているが、原料や飲み方など調べてみるといろいろ違いがあるみたいです。今回は読めば飲んでみたくなるこの2つの違いを、定義から楽しみ方まで雑学マニアの田坂と一緒に解説していきます。

ライター/田坂バーシル

子供の頃から本の虫で、些細な事柄も調べずにはいられない性質。小説、漫画はもちろん、歴史、芸術、宗教、宇宙、アンダーグラウンドまで興味は尽きないようだ。今日も文字の大海原に驚きとときめきを求める雑学マニア。

ホッピーとビールの違いとは?

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皆さんはホッピーとビールの違いをいくつ知っていますか?ざっくりと説明すると、ビールはホップから作られたお酒。ホッピーは当時高価だったビールを安く飲めるように作られたいわばビールの代替品。しかしそれでは「ホッピーはただのビールの廉価版なのか」というとそんなことはありません

なかには「下町の飲み物」「おじさんの飲み物」といったイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、この記事を読めばホッピーの新たな魅力を発見できると思いますよ。それでは知っているようで知らないこの2つの違いを詳しく解説していきましょう。

ホッピーってどんなもの?

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ホッピービバレッジ(旧コクカ飲料株式会社)によって1948年に製造販売が開始され、半世紀以上に渡って愛されてきたロングセラー飲料です。ホッピービバレッジによると「ホッピーは元祖ビアテイスト清涼飲料水です」とのこと。

ホッピーには通常のホッピー(通称「白ホッピー」)と、ホッピーブラック(通称「黒ホッピー」)の2種類がメジャーです。55周年を記念した特別な55ホッピー(通称「赤ホッピー」)という商品もあるのですが、ここでは家庭や居酒屋でよく飲まれている白ホッピーと黒ホッピーを取り上げていきます。

オトナの清涼飲料水?

実はホッピーは表記上「アルコール飲料」ではなく「炭酸清涼飲料水」です。しかしこれは酒税法で「アルコール度数1%未満のものは清涼飲料水にあたる」と定められているためで、ホッピーには0.8%のアルコールが含まれているので正確には「微アルコール入りの飲料」となります。従って禁酒中の方や、お酒を全く飲めない体質の方は飲むことができませんので注意が必要ですね。

ホッピーは焼酎と割って飲むのが一般的ですが、冷やしてストレートで飲む飲み方も人気があります。

ホッピーは低カロリー・低糖質!

ホッピーのボトルを見ると、上部に大きく「低カロリー」「低糖質」「プリン体ゼロ」と書かれています。成分を見てみましょう。

・カロリー:(白)11kcal〜(黒)12kcal/100ml。焼酎(70ml)で割ってもビールの約3/4。
・糖質:(白)1.7g〜(黒)1.9g/100ml。
・プリン体:0g。

プリン体は甲類の焼酎にも含まれていませんので、高尿酸血症や通風の方には嬉しいポイントですね。またホッピーの酵母にはビタミンB1・B2、ニコチン酸、葉酸、必須アミノ酸、ミネラルなどが含まれていて、新陳代謝を促進する効果があるそうです。ホッピーは健康志向派の味方ともいえそうですね。

ビアテイストってどういうもの?

ビアテイスト、またはビールテイスト飲料とは味や香りをビールに似せた炭酸飲料のことです。アルコール分0.00%から1%未満のものがこれに該当します。日本のメーカーから発売されているノンアルコールビールはアルコール分0.00%のものが多いのですが、なかには微量のアルコールを含むものもありますの運転前や禁酒中の方は必ず表示を確認するようにしましょう。

ホッピーの原材料と製造法

カロリーと糖質が低く、プリン体ゼロのホッピーですが、何から作られているのでしょう。

・麦芽
・粉飴
・ぶどう糖
・スターチ
・ホップ
・炭酸
・酸味料
・調味料(アミノ酸)

麦芽とホップ、スターチはビールにも使われますが、それ以外はホッピー特有のものです。秩父山系の天然水を使用していて、麦芽・ホップ・酵母も天然ものにこだわって作られています。実は製造工程はビールと全く同じなのですが、アルコール度数が0.8%しかないのでノンアルコールビールに似ていると言えるかもしれません。

さらにホッピーと言えばちょっとレトロなラベルが印象的ですが、なんと個人でも24本からオリジナルラベルを制作してくれるサービスまであるそうです。製品のガラス瓶はリサイクルされており、環境への意識の高さも感じられますね。

ビールってどんなお酒?

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ビールの発祥はとても古く、メソポタミアで人類が農耕生活を始めた頃、放置してあった麦の粥に酵母が入り込み自然発酵したのが起源とされています。少なくとも5000年前には人の手によってビール作りが行われており、シュメール人がその様子を粘土板に残しているんだとか。

日本には江戸時代にオランダ王国からもたらされ、国内で作られるようになったのは1853年頃だといわれています。

ビールの定義

実は国内で「ビール」と呼ばれるためには守らなければならない決まりがあるのです。2020年10月の酒税法改正により、日本国内における酒税法上のビールの定義は以下のようになっています。

*麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの(アルコール分が20度未満のもの)
*麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもので、下記の条件を満たすもの(アルコール分が20度未満のもの)
*上記に掲げるビールにホップ又は政令で定める物品を加えて発酵させたもので、下記の条件を満たすもの(アルコール分が20度未満のもの)
(条件)麦芽比率が100分の50以上であること並びに使用した果実(乾燥したもの、煮詰めたもの又は濃縮した果汁を含む。)及び一定の香味料の重量が麦芽の重量の100分の5を超えない(使用していないものを含む。)こと

(出典:酒税法第3条第12号)

発泡酒や第3のビールとはどう違うの?

ビールと発泡酒は見た目も味もよく似ていて、比べて飲んでもわからないほど似ているものもありますよね。ですが酒税法でこれらははっきりと区別されています。

*麦芽又は麦を原料の一部とした酒類で発泡性を有するもの(アルコール分が20度未満のもの)

(出典:酒税法第3条第18号)

以上のことから、ビールと発泡酒の大きな違いは「麦芽使用率」「副原料の使用比率」だとわかりますね。また第3のビール(新ジャンル)と呼ばれるビールテイスト飲料は、法律上は「その他の発泡性酒類」に分類されています。こちらはそもそも麦芽を原料として一切使用していないものもあるため、現在ビールとは明確に区別されているのです。

なお2023年10月、2026年10月と段階的に酒税法は改正され、これらの区分は廃止される予定となっています。

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