
簡単でわかりやすい!DCモーターとACモーターの違いとは?構造やメリット・デメリットも元科学少年が詳しく解説


解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/2sc
理系の大学院に通うかたわら、ライターとして活動している。電子工作や自動車など技術系の記事執筆を得意とする、生粋の科学青年。電気自動車や電化製品に欠かせない「モーター」について、わかりやすく解説していく。
DCモーターとACモーターの違いは?

image by iStockphoto
モーターは、電気自動車や扇風機など電気の力で運動する機械に欠かせない部品。ここではモーターと呼ばれる部品の定義を大まかに解説していきます。
どちらも『電動機』
広義の「モーター」とは「動力(を生み出す装置)」のこと。電気の力で動くものに限定されません。「モーターサイクル」や「ロケットモーター」のように、燃料で動く装置を指す場合も存在します。その中でも一般に「モーター」と呼ばれるのは、電気の力で動く電動機です。この電動機は、動力源となる電気の種類によって、DCモーターとACモーターに分けられます。
このDCモーター/ACモーターの間には、用いる電気の違いを含めて3つの大きな違いが存在。両者の違いを知っておくと、電子工作がよりはかどるでしょう。また電化製品にはACモーター/DCモーターの両方が用いられており、モーターの種類によって強みが変わります。そのためモーターの知識は、家電選びの役に立つこと間違いなし!以下、それぞれの違いについて解説していきます。
こちらの記事もおすすめ

磁界と電流から回転を生み出す「モーターの仕組み」を理系ライターが解説 – Study-Z ドラゴン桜と学ぶWebマガジン

一般的なモーター(電動機)は電気の力で回転運動を生み出すぞ。だが例外もある。「リニアモーターカー」 に用いられるリニアモーターは、電気の力で直線運動を生み出す装置なんだ。
違いその1.電流・電圧

image by iStockphoto
モーター(電動機)は用いる電流・電圧の種類によって、DCモーターまたはACモーターという2種類に分けられます。種類が違うと、用いる電源も変化。バッテリー/コンセントのどちらで動くかの違いに繋がります。以下みていきましょう。
こちらの記事もおすすめ

電流、電圧、抵抗とは?それぞれの関係は?理系ライターが解説! – Study-Z ドラゴン桜と学ぶWebマガジン
DCモーター:直流を使用
DCモーターのDCとは、直流(Direct Current)を指します。直流電流は流れる方向がつねに一定。その電源もプラス/マイナスの極性をもちます。スマートフォンのバッテリーや乾電池、車の鉛蓄電池などが直流電源に該当。小学校の工作やミニ四駆などで用いるモーターは、こちらのDCモーターです。
こちらの記事もおすすめ
ACモーター:交流を使用
一方ACとは、交流(Alternating Current)のこと。電流の大きさ・向きが時間経過にともない、周期的に変化します。家庭に備え付けられたコンセントの電気はこの交流。コンセントを指す向きに指定がないことからもわかるように、交流電源には極性がありません。
こちらの記事もおすすめ

直流はインバーターによって交流に変換できる。鉛バッテリーからコンセント電源を生み出す、車載インバーターなどが代表的だ。一方交流はコンバーター(整流器)によって直流に変換できる。ノートPCのACアダプタなどがコンバーターに該当するぞ。
\次のページで「違いその2.構造」を解説!/