この記事では春菊の栄養などについてみていきます。春菊は独特な香りや風味が特徴で、すき焼きやナムルなどの料理によく使われているな。日常的に使用する人は少なそうですが、色々な栄養が豊富に含まれているようです。どのような効能があるのかも詳しく見ていこう。
今回は春菊の栄養や特徴について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。春菊などの少し苦みのある野菜がお気に入り。

春菊って何?

image by iStockphoto

春菊はお鍋やすき焼きなどで人気の野菜ですね。独特な香りとやや苦い味わいが特徴的ですが、好んで食べる方も多くいるようです。どのような植物なのか基本情報をみてみましょう。

シュンギクは、キク科シュンギク属に分類される植物。原産地は地中海沿岸。欧米では観賞用に栽培されるが、日本・韓国・中国など東アジア諸国では若い茎葉が食用にされる。日本では、葉に切れ込みの少ない大葉が四国・九州で、切れ込みのある中葉がそれ以東でそれぞれ栽培される。中葉はさらに、株立ち型と株張り型とに分かれる。香りと葉や花の形から、関西では菊菜とも呼ばれる。和名は他のキクが秋に花を咲かせるのとは異なり、春に黄色い花が咲き、キクに似た香りがすることに由来する。日本には室町時代に渡来したとされ、地方により切れ込みが深い葉をした中葉、切れ込みが浅い大葉がみられる。

出典:Wikipedia「シュンギク」

春菊は名前の通り、菊の一種であることが分かります。春菊の花を見る機会はなかなかないですが、一般的な菊の花と違って春に花が咲くことが、春菊の特徴であり名前の由来です。

春菊の栄養

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春菊はトマトやピーマンと同じ緑黄色野菜で、さまざまな栄養を含んでいます。多くの栄養をまんべんなく含んでいるのが特徴です。春菊に多く含まれている栄養についてみていきましょう。

1.「カルシウム」は牛乳より多い!

春菊100gに含まれるカルシウムの量は120mgです。牛乳100gに含まれるカルシウムが110gですので、単純に比べると牛乳よりも多くのカルシウムを含んでいることが分かります。骨や歯を作るのに必要な栄養素であるカルシウムは、日本人が不足しがちな栄養素です。野菜からも摂取できるのは嬉しいですね。

2.ビタミンAのもと「β‐カロテン」が豊富

春菊には、体の中でビタミンAに変わる栄養素のβ‐カロテンが豊富に含まれています。その量は野菜の中でもトップクラスです。ビタミンAは、目や皮膚、粘膜の健康を保つのに必要な栄養素で、脂溶性ビタミンとなっています。油と一緒に摂取すると吸収率が高いため、炒め物にしたり揚げたりオリーブオイルをかけたりすると効果的に摂取できるでしょう。

3.貧血予防になる「鉄分」も豊富

春菊は鉄分も豊富です。鉄分は血液を作る赤血球の材料となる栄養で、不足すると鉄欠乏性貧血になります。鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類がありますが、春菊は非ヘム鉄です。ビタミンCと一緒に摂取することで吸収力がアップします。春菊にもビタミンCが含まれていますが、より多く含んでいるパプリカやブロッコリー、じゃがいもなどと組み合わせることがおすすめです。日本人は鉄分が不足しがちですので、鉄分摂取を心がけた食生活を送ることが貧血予防のカギとなります。

また、春菊には鉄分以外のミネラルもまんべんなく含んでおり、健康のためにもおすすめしたい野菜の1つです。

4.血液凝固に必要な「ビタミンK」が豊富

春菊にはビタミンK豊富に含まれています。ビタミンKは、正常な血液凝固や骨の形成に必要な栄養素です。通常の食生活で不足することや取りすぎになることはほとんどありませんが、重要な働きをしています。

春菊の特徴と効能

春菊には様々な栄養が含まれていることが分かりました。続いて、春菊を食べることで得られる具体的な効果をみてみましょう。

その1.美肌やアンチエイジング効果に期待

春菊に含まれているカロテンやビタミンCは、抗酸化作用があります。肌の健康を保ち、シミやしわ予防などのアンチエイジング効果が期待できるでしょう。感染症などの風邪予防にも効果があり、積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCは水溶性ビタミンなので、お湯でゆでずに電子レンジ調理やスープごと食べられるレシピで使用することがおすすめとなります。

また、ナトリウム排出を促すカリウムも豊富で、むくみ改善や高血圧予防に効果的です。春菊には健康にも美容にも必要な栄養が含まれているのですね。

\次のページで「その2.骨粗しょう症対策に!」を解説!/

その2.骨粗しょう症対策に!

春菊には骨や歯を作るカルシウムが豊富に含まれています。骨を作るにはカルシウムだけでなく、ビタミンDやビタミンKも必要です。春菊にはビタミンKも豊富に含まれているので、春菊を食べるだけで骨を強くする栄養素を多く摂取することができます。

春菊に含まれていないビタミンDは、日光浴をするだけでも身体で生成することが可能です。日中の通勤や買い物で骨を鍛えつつビタミンDの生成ができるなら健康的ですね。日光浴をする気機会が少ない方は、春菊と一緒にビタミンDを多く含む魚類や干ししいたけなどを食べると、カルシウムの働きが期待できるでしょう。

その3.春菊の香りでリラックス効果

春菊の独特な香りは、α‐ピネンやぺリルアルデヒドなどの成分からなっています。この香りが春菊の好みが分かれる点になっていますが、副交感神経を優位にしてリラックス効果がある香りとなっているのです。

α‐ピネンはヒノキなどの木の香り成分で、ぺリルアルデヒドは抗菌・防腐作用があります。食事をしながらリラックス効果も得られるのは、嬉しい効果ですね。

春菊を食べるときの注意点は?

春菊には大きな注意点はありませんが、食べるときのポイントを押さえておきましょう。

春菊を食べるのは1日に半束程度まで

春菊を食べる量は、1日に半束の100g程までが良いでしょう。食べすぎると食物繊維の摂りすぎで便秘になる可能性もゼロではありません。とはいえ、春菊はかさのある野菜で食感もしっかりしていて量が多いです。1束食べるのもやっとではないでしょうか。食べすぎになることはほとんどないと思います。

また、いくら栄養の良い春菊でも、同じ野菜ばかりではなく様々な野菜を食べることを心がけるのが健康のためにも大切です。どんなに春菊が好きでも1束までにしましょう。

春菊は生でも食べられる!

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春菊は生のままサラダのように食べることもできます。鍋やすき焼きなど加熱するイメージの強い春菊ですが、生でもシンプルでおいしいです。生で食べれば、水に溶けだしてしまう水溶性食物繊維やビタミンCなども逃さず摂取することができます。加熱しない分、簡単にできて時間短縮にもなりますね。加熱して食べるよりも苦みと食感が強めです。

春菊を生で食べる場合は、さっと洗ってから使用しましょう。

栄養豊富な春菊を食べて健康でくつろぎの食事をしよう

春菊の栄養などについてご紹介してきました。さまざまな身体に嬉しい栄養が豊富に含まれている春菊。その健康や美容効果も色々と期待できることが分かりましたね。和食や中華、冬野菜たっぷりのお鍋や簡単な副菜など、さっそく今晩の食事に春菊を使ってみてはいかがですか。

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家庭科

簡単でわかりやすい!春菊の栄養と効能とは?健康や美容に期待!リラックス効果もある?管理栄養士が詳しく解説

この記事では春菊の栄養などについてみていきます。春菊は独特な香りや風味が特徴で、すき焼きやナムルなどの料理によく使われているな。日常的に使用する人は少なそうですが、色々な栄養が豊富に含まれているようです。どのような効能があるのかも詳しく見ていこう。
今回は春菊の栄養や特徴について管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。春菊などの少し苦みのある野菜がお気に入り。

春菊って何?

image by iStockphoto

春菊はお鍋やすき焼きなどで人気の野菜ですね。独特な香りとやや苦い味わいが特徴的ですが、好んで食べる方も多くいるようです。どのような植物なのか基本情報をみてみましょう。

シュンギクは、キク科シュンギク属に分類される植物。原産地は地中海沿岸。欧米では観賞用に栽培されるが、日本・韓国・中国など東アジア諸国では若い茎葉が食用にされる。日本では、葉に切れ込みの少ない大葉が四国・九州で、切れ込みのある中葉がそれ以東でそれぞれ栽培される。中葉はさらに、株立ち型と株張り型とに分かれる。香りと葉や花の形から、関西では菊菜とも呼ばれる。和名は他のキクが秋に花を咲かせるのとは異なり、春に黄色い花が咲き、キクに似た香りがすることに由来する。日本には室町時代に渡来したとされ、地方により切れ込みが深い葉をした中葉、切れ込みが浅い大葉がみられる。

出典:Wikipedia「シュンギク」

春菊は名前の通り、菊の一種であることが分かります。春菊の花を見る機会はなかなかないですが、一般的な菊の花と違って春に花が咲くことが、春菊の特徴であり名前の由来です。

春菊の栄養

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春菊はトマトやピーマンと同じ緑黄色野菜で、さまざまな栄養を含んでいます。多くの栄養をまんべんなく含んでいるのが特徴です。春菊に多く含まれている栄養についてみていきましょう。

1.「カルシウム」は牛乳より多い!

春菊100gに含まれるカルシウムの量は120mgです。牛乳100gに含まれるカルシウムが110gですので、単純に比べると牛乳よりも多くのカルシウムを含んでいることが分かります。骨や歯を作るのに必要な栄養素であるカルシウムは、日本人が不足しがちな栄養素です。野菜からも摂取できるのは嬉しいですね。

2.ビタミンAのもと「β‐カロテン」が豊富

春菊には、体の中でビタミンAに変わる栄養素のβ‐カロテンが豊富に含まれています。その量は野菜の中でもトップクラスです。ビタミンAは、目や皮膚、粘膜の健康を保つのに必要な栄養素で、脂溶性ビタミンとなっています。油と一緒に摂取すると吸収率が高いため、炒め物にしたり揚げたりオリーブオイルをかけたりすると効果的に摂取できるでしょう。

3.貧血予防になる「鉄分」も豊富

春菊は鉄分も豊富です。鉄分は血液を作る赤血球の材料となる栄養で、不足すると鉄欠乏性貧血になります。鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類がありますが、春菊は非ヘム鉄です。ビタミンCと一緒に摂取することで吸収力がアップします。春菊にもビタミンCが含まれていますが、より多く含んでいるパプリカやブロッコリー、じゃがいもなどと組み合わせることがおすすめです。日本人は鉄分が不足しがちですので、鉄分摂取を心がけた食生活を送ることが貧血予防のカギとなります。

また、春菊には鉄分以外のミネラルもまんべんなく含んでおり、健康のためにもおすすめしたい野菜の1つです。

4.血液凝固に必要な「ビタミンK」が豊富

春菊にはビタミンK豊富に含まれています。ビタミンKは、正常な血液凝固や骨の形成に必要な栄養素です。通常の食生活で不足することや取りすぎになることはほとんどありませんが、重要な働きをしています。

春菊の特徴と効能

春菊には様々な栄養が含まれていることが分かりました。続いて、春菊を食べることで得られる具体的な効果をみてみましょう。

その1.美肌やアンチエイジング効果に期待

春菊に含まれているカロテンやビタミンCは、抗酸化作用があります。肌の健康を保ち、シミやしわ予防などのアンチエイジング効果が期待できるでしょう。感染症などの風邪予防にも効果があり、積極的に摂取したい栄養素です。ビタミンCは水溶性ビタミンなので、お湯でゆでずに電子レンジ調理やスープごと食べられるレシピで使用することがおすすめとなります。

また、ナトリウム排出を促すカリウムも豊富で、むくみ改善や高血圧予防に効果的です。春菊には健康にも美容にも必要な栄養が含まれているのですね。

\次のページで「その2.骨粗しょう症対策に!」を解説!/

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