
簡単にわかる水晶とガラスの違い!成分や特性、見分け方を工学系院卒ライターがわかりやすく解説!

この記事では「水晶」と「ガラス」の違いについてつまびらかにしていくぞ。どちらも二酸化ケイ素が主成分の無色透明の素材で、一見見分けがつかないが、各々の構造や特性を比べてみると、まるで違うことが分かる。今回はそんな似て非なる2つについて、学生時代、固体物理学を学んでいたライターthrough-timeと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/through-time
工学修士で、言葉や文学も大好きな雑食系雑学好きWebライター。一時期アメシストを集めるのにはまっていました。
水晶とは

image by iStockphoto
まずは水晶について解説しましょう。二酸化ケイ素の結晶である石英(quartz)が六角柱状に大きく成長したもののうち、特に透明度の高いものを水晶といいます。英語ではrock crystalまたは単にcrystalです。石英自体はごくありふれた鉱物で、地球上の多くの岩石を構成する造岩鉱物でもあり、砂場などを探すとキラキラ輝く無色透明ないし白い粒を見つけることができます。
水晶は世界各国に産出されており、日本ではかつて山梨県が一大産地でした。現在では商業的な採掘はしていませんが、水晶研磨技術から発展した宝石加工産業が現在でも盛んで、宝飾品の加工や流通に携わる企業が数多くあります。
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二酸化ケイ素(SiO2)はケイ素Siの酸化物で、シリカや無水ケイ酸とも呼ばれます。自然界では石英として存在していることが一般的です。二酸化ケイ素はさまざまな用途があり、乾燥剤のシリカゲルのほか、化粧品や薬、食品添加物などに使われています。
結晶について
結晶は原子や分子、イオンなどの粒子が三次元的に規則正しく配列している固体のことです。身近なところでは、塩の結晶や雪の結晶などがあります。鉱物も、一部例外(水銀や琥珀、オパールなど)を除いてほとんどが結晶です。
結晶は立方体や直方体、六角柱など、基本的な形で周期的に並んでいますが、その形はわずか7つ(もしくは6つ)しかありません。基本的な形によって分類されるグループを晶系といい、結晶が成長する形や電気的・光学的性質などに大きく影響します。水晶(石英)は三方晶系という、六角柱に近い形の晶系に属するため、六角柱状に成長するのです。
水晶の種類
水晶はほかの物質と混ざらない特性があるため、ほとんどが無色透明か白色です。しかし、水晶が成長する過程で不純物が混入したり、天然の放射線の影響を受けたりすることで、色がつくことがあります。代表的なものをいくつか紹介しましょう。
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