この記事では「分かる」「解る」「判る」の3つの違いについてみていきます。「わかる」「わかった」などと非常によく使われる表現です。本を読んでいても様々な表記のされ方をしていて、どれが正解なのかと疑問に思ったことがあるんじゃないか?そこで今回は使用頻度の高いこの3つの言葉を、雑学マニアの田坂と一緒にわかりやすく解説していきます。

ライター/田坂バーシル

子供の頃から本の虫で、些細な事柄も調べずにはいられない性質。小説、漫画はもちろん、歴史、芸術、宗教、宇宙、アンダーグラウンドまで興味は尽きないようだ。今日も文字の大海原に驚きとときめきを求める雑学マニア。

「分かる」「解る」「判る」の意味の違い

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手紙やメールなど文書を書く際に「わかる」と漢字で書きたいのにどう書いたらいいのかわからない、なんてことはありませんか?「分かる」「解る」「判る」のように異なる漢字で同じ訓を持つものを同訓異字といいます。日本語の「わかる」には多くの表記があり、迷ってしまうこともありますよね。

そこで今回は「分かる」「解る」「判る」の3つのニュアンスの違いについて、それぞれの意味と例文・言い換え表現についてもわかりやすく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

「分かる」:一般的な表記

最も多く目にするのは、この「分かる」ではないでしょうか。それは教科書や公用文書などで用いられているのがこの「分かる」だからです。「わかる」には以下のようにいくつかの意味がありますが、すべての場合に使えるのがこの「分かる」となります。

1.ことの筋道がはっきりする。了解される。合点がゆく。
2.事実が明らかになる。区別がつくようになる。
2.人情・世情に通じていて頑固なことを言わない。

次に、文字の成り立ちをみてみましょう。

「八印(左右にわける)+刀」で、二つに切りわける意を示す。払(フツ)(左右にわけてはらいのける)は、その入音(つまり音)に当たる。また、半・班(わける)・判(わける)・八(二分できる数)・別とも縁が近い。

(出典:漢字源)

成り立ちからは、混沌とした物事がきちんと分け離されると明確になる、ということがわかりますね。

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「解る」:物事の筋道がはっきりする

「解る」は、公用文書や公共性が高い場合以外に用いられる常用外漢字(表外漢字)です。「理論が明らかになる」という意味があります。漢字の成り立ちをみてみましょう。

「角+刀+牛」で、刀で牛のからだやつのをばらばらに分解することを示す。

(出典:漢字源)

このことから、からまった物事をときほぐすと単純になる、ということがわかりますね。

「判る」:事実や真相がはっきりする

「判る」は、公用文書や公共性が高い場合以外に用いられる常用外漢字(表外漢字)です。「物事がそれと明らかになる」という意味があります。こちらも文字の成り立ちをみてみましょう。

半は「牛+八印(わける)」の会意文字で、牛のからだを両方にきりわける意を示す。判は「刀+(音符)半」で、半の後出の字。もと、刀で両分することを示すが、のち可否や白黒を区別し見分ける意に用いる。

(出典:漢字源)

上記にあるように、物事を切り分けるとはっきりけじめがつく、ということがわかりますね。

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「分かる」「解る」「判る」の具体的な使い方

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「なんとなく意味はわかったけれど具体的にどうやって使ったらいいの?」という方のために、例文とわかりやすく言い換える表現をご紹介します。

「分かる」の例文

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「分かる」という表記では「解る」「判る」のどちらの意味も網羅しているので、幅広い使い方ができます。

・同じ経験があるから辛い気持ちはよく分かる。
・あの程度で怒り出すなんて冗談が分からない奴だ。
・「これを片付けておいてって今朝も言ったよね?」「分かった分かった」
・あの人はもっと話の分かる人だとばかり思っていた。

「解る」の例文・言い換え表現

次に「解る」の例文をみていきましょう。「判る」との違いは「理論が明確になる」場合によく使われる、ということです。

・芸術の解る人たちが集まる。
・先生の言っていることがやっと解った。
・解りにくい説明書で組み立てに苦戦する。
・英語とフランス語なら少しは解ります。

また、「解る」は「理解」「解明」などで言い換えることができます。

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・大人になってようやく意味が理解できるようになった。
・古代文明の謎が最新科学によって解明された。
・複数の専門家によって古文書が解読された。
・挙手によって了解を求める。

「判る」の例文・言い換え表現

最後に「判る」の例文をご紹介します。「解る」との違いは「事実がはっきりする」場合によく使われる、ということです。

・家出人の身元が判った。
・ラスト直前まで真犯人が判らない。
・あの台詞だけでは敵なのか味方なのかすら判らない。
・超音波検査でお腹の子の性別が判った。

また、「判る」は「判明」「判別」などで言い換えることができます。

・事件の真相が判明するにはかなりの時間がかかった。
・お揃いの服を着ていると双子の姉がどちらなのか判別できない。
・論旨が判然としないまま書きすすめてしまった。
・最後には世論が判断を下すだろう。

「分かる」「解る」「判る」を適切に使い分けよう

このように「分かる」「解る」「判る」は、「何がわかるのか」によって使い分けられます。厳密に意味を踏まえて書き分けたい場合は「解る」「判る」の漢字を当て、公的な場面や使い分けが難しい場合は「分かる」を使いましょう。最後になりますが、この記事で日本語を理解するお手伝いができたら幸いです。

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簡単でわかりやすい!「分かる」「解る」「判る」の違いとは?例文や使い分けも雑学マニアが詳しく解説

この記事では「分かる」「解る」「判る」の3つの違いについてみていきます。「わかる」「わかった」などと非常によく使われる表現です。本を読んでいても様々な表記のされ方をしていて、どれが正解なのかと疑問に思ったことがあるんじゃないか?そこで今回は使用頻度の高いこの3つの言葉を、雑学マニアの田坂と一緒にわかりやすく解説していきます。

ライター/田坂バーシル

子供の頃から本の虫で、些細な事柄も調べずにはいられない性質。小説、漫画はもちろん、歴史、芸術、宗教、宇宙、アンダーグラウンドまで興味は尽きないようだ。今日も文字の大海原に驚きとときめきを求める雑学マニア。

「分かる」「解る」「判る」の意味の違い

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手紙やメールなど文書を書く際に「わかる」と漢字で書きたいのにどう書いたらいいのかわからない、なんてことはありませんか?「分かる」「解る」「判る」のように異なる漢字で同じ訓を持つものを同訓異字といいます。日本語の「わかる」には多くの表記があり、迷ってしまうこともありますよね。

そこで今回は「分かる」「解る」「判る」の3つのニュアンスの違いについて、それぞれの意味と例文・言い換え表現についてもわかりやすく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

「分かる」:一般的な表記

最も多く目にするのは、この「分かる」ではないでしょうか。それは教科書や公用文書などで用いられているのがこの「分かる」だからです。「わかる」には以下のようにいくつかの意味がありますが、すべての場合に使えるのがこの「分かる」となります。

1.ことの筋道がはっきりする。了解される。合点がゆく。
2.事実が明らかになる。区別がつくようになる。
2.人情・世情に通じていて頑固なことを言わない。

次に、文字の成り立ちをみてみましょう。

「八印(左右にわける)+刀」で、二つに切りわける意を示す。払(フツ)(左右にわけてはらいのける)は、その入音(つまり音)に当たる。また、半・班(わける)・判(わける)・八(二分できる数)・別とも縁が近い。

(出典:漢字源)

成り立ちからは、混沌とした物事がきちんと分け離されると明確になる、ということがわかりますね。

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