簡単でわかりやすい!「答える」と「応える」の違いとは?「堪える」との違いや使い分けも雑学マニアが詳しく解説
今回は使用頻度の高いこの2つの言葉を「堪える」との違いも含めて、雑学マニアの田坂と一緒に解説していきます。
ライター/田坂バーシル
子供の頃から本の虫で、些細な事柄も調べずにはいられない性質。小説、漫画はもちろん、歴史、芸術、宗教、宇宙、アンダーグラウンドまで興味は尽きないようだ。今日も文字の大海原に驚きとときめきを求める雑学マニア。
「答える」と「応える」の意味の違い
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「答える」と「応える」のように異なる漢字で同じ訓を持つものを同訓異字といいます。日本語の「こたえる」には多くの表記があり、手紙やメールなど文書を書く際に正しい表記がわからず迷ってしまうこともありますよね。
そこで今回は「答える」「応える」「堪える」の3つのニュアンスの違いについて、それぞれの意味と例文・言い換え表現についてもわかりやすく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
「答える」:相手の言葉に返事をする
「答える」という言葉には「返事をする」「回答する」という意味があります。他人の呼びかけや問いかけに対し言葉を返す場合には「答える」を使用するとよいでしょう。「答」という漢字を辞書で引いてみると、以下のように記載されています。
「竹+合」で、竹の器にぴたりとふたをかぶせること。みと、ふたとがあうことから応答の意となった。
出典:漢字源
文字の成り立ちからも「答える」とは、相手の行為に対してそれに見合った返答を返すことだとわかりますね。
「応える」:相手からの要望に応じる
「応える」という言葉には主に2つの意味があります。
1.相手に対して十分な反応をする。報いる。
2.刺激を身にしみて感じる。影響を受ける。
他人の働きかけに反応を返す場合や、他からの刺激に苦しみを感じている状態を表したい場合も「応える」を使用しましょう。「応」の旧字である「應」という漢字を辞書で引いてみると、以下のように記載されています。
「應」の上部は「广(おおい)+人+隹(とり)」から成り、人が胸に鳥を受け止めたさま。應はそれを音符とし、心を加えた字で、心でしっかりと受け止めることで、先方から来るものを受け止める意を含む。
出典:漢字源
漢字の意義から「応える」とは相手の思いを受けとめることだとわかりますね。そして、こちらの反応を態度で示すということです。
「堪える」とはどう違う?
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一方の「堪える」という言葉には「こらえる」「忍ぶ」「我慢する」といった意味があります。「答える」「応える」とは明確な違いがありますね。
・大型車両の通行に堪える設計案を検討する。
・周囲の状況を鑑みて必死に笑いを堪える。
このことから「堪える」+「出来ない」と否定の形で用いると、本来であれば「我慢できない」という意味になります。しかし、現代では「仕事後の一杯は堪えられない」のように「この上なく素晴らしい」というポジティブな意味で用いることが多いので注意しましょう。
また「堪える」を他の動詞の連用形に付け、「保つ」という意味で用いるパターンもよく見られます。
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