この記事では「総菜」と「惣菜」の違いについてみていきます。2つともスーパーなどのおかずコーナーで見ることがあるよな。どちらも意味は似ているが、それぞれの言葉ができた成り立ちは違うみたいです。
今回はおかずを購入する上では欠かせないこの2つの言葉を「そうざい」との違いも含めて、言葉の意味や由来に詳しいビジネス文書作成の熟練ライター西風と一緒に解説していきます。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方・由来にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届けします。

「総菜」と「惣菜」の違いとは?

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「総菜」と「惣菜」のように、違う漢字で表現されていても同じ読み方がされるものを同訓異字と呼びます。この2つは家庭でつくられたりスーパーなどで販売されていたりする、そのまま食べることができるおかずという意味は同様です。しかし、その違いが分からない、使い分けられないという人も多いのではないでしょうか。その違いについて、詳しくみていきましょう。

「総菜」は常用漢字

「総菜」に含まれる“総”という漢字は常用漢字です。常用漢字とは1923年に設定された一般の社会生活で使用する目安として定められた漢字で、最新では2010年に改定されています。教科書や公文書には常用漢字が使われているため、漢字を用いる場合、少なくとも教科書や新聞では「総菜」を使うのが一般的です。

「惣菜」は常用外漢字

一方、「惣菜」に含まれる“惣”という漢字は常用外漢字です。常用外漢字とは表外漢字とも呼ばれ、常用漢字ではない漢字全般を指します。一般的には使用しない漢字を意味しているので、教科書や新聞には基本的に用いられることはありません

「総菜」と「惣菜」の意味

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ここからは「総菜」と「惣菜」の違いに着目しながら、その意味についてくわしく見ていきましょう。

「総菜」の意味

「総菜」を辞書で詳しく調べると、以下のような意味だとわかります。

\次のページで「「惣菜」の意味」を解説!/

日常のおかず。副食物。

出典:デジタル大辞泉

「総菜」の”総”はすべてのものという意味、”菜”は葉・茎・根などの食用にする草という意味の他におかずや副菜、料理という意味です。つまり「総菜」はすべてのおかずや副菜を表しています

「惣菜」の意味

「惣菜」を辞書で詳しく調べると、以下のような意味だとわかります。

日常のおかず。副食物。

出典:デジタル大辞泉

辞書で調べた結果より、「総菜」と「惣菜」はまったく一緒の意味であることがわかります。また、「惣」の”惣”もすべてのものという意味です。漢字の意味から見ても、「総菜」と「惣菜」は同じ意味ということですね。

「総菜」と「惣菜」の成り立ち

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「総菜」と「惣菜」は同じ意味だということがわかりました。しかしそれぞれの言葉の成り立ちは異なりますので、くわしく見ていきましょう。

\次のページで「「惣菜」の成り立ち」を解説!/

「惣菜」の成り立ち

「惣菜」は日常のおかずを意味しており、元々は家庭で調理される手作りのものを指していたようです。しかし第二次世界大戦後の日本では、女性の社会進出も進み、家事の効率化も図られるようになったことから、市販されたおかずも惣菜として認識されるようになっていきました。なお、調理されたおかずを行商や屋台で販売する「煮売屋」という業態自体は江戸時代からあったようです。

「総菜」の成り立ち

「総菜」も「総菜」という意味では由来は一緒です。しかし”総”の漢字が使われ始めたのには理由があります。

1946年に常用漢字が設定された際、”惣”の文字はそこに含まれませんでした。そして1956年に国語審議会が「同音の漢字による書きかえ」という資料を発表し、”惣”の漢字を常用漢字である”総”に代えるように指示しているのです。そこから新聞などでは「総菜」が使われることになりました。

「そうざい」との違いとは?

「そうざい」も「総菜」や「惣菜」と意味は全く同じです。常用漢字で表現された「総菜」があり、常用外漢字ではあるものの一般的に使用されることの多い「惣菜」があって、その両者に板挟みになるように「そうざい」が使われ始めています。ひらがなであれば漢字使用の判断は必要なく、わかりやすいですね。

\次のページで「どれも同じ意味で成り立ちだけが異なると認識しよう」を解説!/

どれも同じ意味で成り立ちだけが異なると認識しよう

「総菜」と「総菜」についてくわしく見てきました。2つとも持つ意味はまったく同じですが、使われる漢字によって成り立ちが異なることがわかります。また「そうざい」のように漢字区別の判断がなくてわかりやすいひらがな表記がされることもあるとわかりました。同じ読み方でも表記の違いにより成り立ちが異なる…このように意味を調べてみると、日本語の楽しさ・奥深さを感じずにはいられませんね。

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雑学

3分で簡単にわかる「総菜」と「惣菜」の違い!意味や成り立ち・「そうざい」との使いわけもビジネス文書熟練者がわかりやすく解説!

この記事では「総菜」と「惣菜」の違いについてみていきます。2つともスーパーなどのおかずコーナーで見ることがあるよな。どちらも意味は似ているが、それぞれの言葉ができた成り立ちは違うみたいです。
今回はおかずを購入する上では欠かせないこの2つの言葉を「そうざい」との違いも含めて、言葉の意味や由来に詳しいビジネス文書作成の熟練ライター西風と一緒に解説していきます。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方・由来にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届けします。

「総菜」と「惣菜」の違いとは?

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「総菜」と「惣菜」のように、違う漢字で表現されていても同じ読み方がされるものを同訓異字と呼びます。この2つは家庭でつくられたりスーパーなどで販売されていたりする、そのまま食べることができるおかずという意味は同様です。しかし、その違いが分からない、使い分けられないという人も多いのではないでしょうか。その違いについて、詳しくみていきましょう。

「総菜」は常用漢字

「総菜」に含まれる“総”という漢字は常用漢字です。常用漢字とは1923年に設定された一般の社会生活で使用する目安として定められた漢字で、最新では2010年に改定されています。教科書や公文書には常用漢字が使われているため、漢字を用いる場合、少なくとも教科書や新聞では「総菜」を使うのが一般的です。

「惣菜」は常用外漢字

一方、「惣菜」に含まれる“惣”という漢字は常用外漢字です。常用外漢字とは表外漢字とも呼ばれ、常用漢字ではない漢字全般を指します。一般的には使用しない漢字を意味しているので、教科書や新聞には基本的に用いられることはありません

「総菜」と「惣菜」の意味

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ここからは「総菜」と「惣菜」の違いに着目しながら、その意味についてくわしく見ていきましょう。

「総菜」の意味

「総菜」を辞書で詳しく調べると、以下のような意味だとわかります。

\次のページで「「惣菜」の意味」を解説!/

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