この記事では低脂肪乳の栄養と効能などについてみていきます。低脂肪牛乳って牛乳よりカロリーが低そうなイメージがあるけど、牛乳より優れた点がたくさんあるみたいです。また、牛乳とどのような違いがあるのかいまいちわからない部分が多いが、明確にしていこう。今回は低脂肪牛乳とは何なのかという基本情報からどのような利点があるのかについて管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。低脂肪牛乳は常に家にあり、必需品。コーヒーや紅茶に入れたり料理にも使用したりしている。

低脂肪牛乳とは?

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低脂肪牛乳とは、どのような規定があるのか確認してみましょう。

「牛乳」という文言は、生乳100%を使用した製品にのみ使用できます。低脂肪牛乳は生乳100%を原料とし、乳脂肪の一部を除いて1.5%以下にしたものです。他のものは、一切使用していませんので牛乳の表示ができます。

出典:一般社団法人日本乳業協会HP「乳と乳製品のQ&A」

低脂肪牛乳は牛乳に比べるとさっぱりしていますが、薄めていることもなく100%生乳からできています。「低脂肪’牛乳’」と牛乳の表記があるのも、生乳100%ならではだったのですね。乳脂肪の一部を除いているだけなので、牛乳と大きな成分の違いはありません。

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低脂肪牛乳と低脂肪乳は別物!

低脂肪牛乳と低脂肪乳はとても似ている名前ですが、区別して使われています。「牛乳」という表記がないものは乳製品が加えられている加工乳や乳飲料です。

加工乳は、牛乳や脱脂粉乳に他の乳製品を加えて作られています。乳飲料は、牛乳をベースに乳製品以外のビタミンやミネラルなどが加えられたものです。低脂肪乳は、加工乳や乳飲料に該当するので、100%生乳から作られる低脂肪牛乳とは別物となっています。

牛乳の目印「パックのくぼみ」は低脂肪牛乳にはあるの?

低脂肪牛乳にはパックのくぼみはありません。牛乳パックについているくぼみのことを「切欠き(きりかき)」と言います。牛乳パックの開け口の反対側にくぼみをつけることが決まっていますが、任意表示ですので必ずしもやらなくてはいけないものではありません。しかし、スーパーの牛乳コーナーをみてみると、ほとんどのメーカーで切欠きが採用されていました。

パックの切欠きは、種類別名称が「牛乳」のみに使用できる決まりです。低脂肪牛乳は牛乳の表記はありますが、種類別名称は「低脂肪牛乳」となっています。したがって、低脂肪牛乳はじめ乳飲料には切欠きはついていません。

切欠きの有無で、牛乳なのかどうかを判別する目安にもなりますね。

なぜ低脂肪牛乳が生産されるの?

バターや生クリームなど生乳の脂肪分を多く使う乳製品を製造すると、同時に低脂肪牛乳も製造できます。低脂肪牛乳は健康に良いからとあえて製造しているわけではなく、高価な乳製品を作るときに余ってしまった部分だったのです。そのため、牛乳に比べて加工の手間がかかる低脂肪牛乳ですが比較的安価になっており、加工乳などの低脂肪乳のほうがさらに安価となっています。

低脂肪牛乳の栄養

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低脂肪牛乳には、どのような栄養の特徴があるのか見ていきましょう。

1.脂肪分が少なく低カロリーの低脂肪牛乳

低脂肪牛乳の一番のポイントが、低脂肪で低カロリーであるところです。コップ1杯の牛乳と低脂肪牛乳で比較すると、カロリーは牛乳が約140kcal、低脂肪牛乳は約90kcal。脂質は牛乳が約8g、低脂肪牛乳は約2gとなっています。低脂肪牛乳のカロリーは牛乳の65%脂質は25%とかなり低いことが分かりますね。

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2.歯や骨をつくるカルシウムが豊富

低脂肪牛乳には、カルシウムが豊富に含まれています。カルシウムは歯や骨を作るのに大切な栄養で、日本人が不足しがちな栄養の1つです。

カルシウムが不足すると歯や骨がもろくなって骨粗しょう症の原因になったり、子供の場合は発育障害の原因になったりします。特に閉経後の女性はカルシウムが不足しがちです。男女とも若いうちからカルシウムをしっかり摂取して丈夫な歯や骨を作っておくことが、年齢を重ねたときにも健康に過ごすポイントになります。

また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを一緒に摂取することも大切です。ビタミンDは魚や卵、きのこ類などに含まれているので積極的に取り入れる他、日光を浴びると体内で生成することができます。

3.実はビタミンB群も豊富!

低脂肪牛乳には意外にもビタミンB群が多く、特にビタミンB₂・B₁₂が豊富です。ビタミンB₂は代謝にかかわる栄養素で、皮膚や粘膜などを作るのに役立ちます。ビタミンB₁₂は貧血予防や疲労回復に役立つ栄養素です。牛乳はカルシウムだけでなく、そのほかの栄養も摂取できる優れた食品となっています。

低脂肪牛乳を飲むメリットは?

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低脂肪牛乳を選ぶメリットは価格が安いことの他に2つ挙げられます。

1.脂質やカロリーが低い為ダイエット効果あり!

牛乳の代わりに低脂肪牛乳を使うだけで、脂質やカロリー摂取を減らすことができ、ダイエットに効果的です。

コーヒー・紅茶・ココアや、ポタージュ・シチュー・ホワイトソースなどのさまざまな飲み物や料理に牛乳は欠かせない存在となっています。使用する牛乳をそのまま低脂肪牛乳に変えれば、同じような食生活を送っていてもダイエット効果が得られるでしょう。

また、胆石症などの消化器官の病気やコレステロール値を低下させたい方などにも低脂肪牛乳はおすすめです。乳製品を取らないように注意している方でも低脂肪牛乳なら、制限やストレスなく食べられるでしょう。通院中の方は担当の医師に確認してみてください。

2.加工乳より牛乳っぽくておいしい

低脂肪牛乳は生乳100%ででてきているため、低脂肪乳などの加工乳より牛乳のうまみが感じられ、飲みやすいでしょう。牛乳は濃厚すぎて飲みにくいという方は低脂肪牛乳ほうが飲みやすいこともあるので、牛乳に苦手意識のある方も低脂肪乳を試してみてほしいです。

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低脂肪牛乳にデメリットはあるの?

牛乳よりさっぱりしていて飲みやすく、カロリーも低くて、安い低脂肪牛乳ですが、デメリットはあるのでしょうか。

1.牛乳でないとできない調理もある?

牛乳を使用するように指定されている自宅で作るヨーグルトメーカーやデザートはうまくできない可能性があります。牛乳で作るのに比べて低脂肪牛乳だとゆるめに出来上がってしまうことも多いようです。加工乳に比べて失敗は少ないですが、固めの出来上がりを望んでいると違うものができてしまうかもしれません。通常の料理では問題なく使用できるでしょう。

2.低脂肪牛乳が危険はデマ!

低脂肪牛乳が危険、とインターネット検索に表示されることがありますが危険ではありません。低脂肪牛乳も牛乳と同じ生乳100%です。もし低脂肪牛乳が危険なら牛乳も同じように危険、ということになってしまいます。牛乳も低脂肪牛乳も健康に良い食品ですので、安心してください。

注意すべき点としては、乳アレルギーや乳糖不耐症です。乳アレルギーの方は牛乳はじめ乳製品は控えてください。

また、乳糖不耐症は日本人には多い症状です。牛乳などに含まれる乳糖をうまく消化できず、下痢や腹痛になる方が一定数います。このような方は無理に摂取せずに、乳糖不耐症の方向けのミルクや別の製品からカルシウムなどの補給を心がけてください。

ローカロリーな低脂肪牛乳を健康に役立てよう

低脂肪牛乳の栄養や効能について分かりました。低脂肪牛乳と低脂肪乳は似ている名前ですが違うものでしたね。また、ダイエットや脂質制限に効果的な低脂肪乳は、牛乳と同じようにさまざまな料理に使用することができます。低カロリーで安価なのに牛乳と同じような栄養で飲みやすいです。飲み物や料理に使用して、健康な生活に役立ててほしいと思います。

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家庭科

低脂肪牛乳はカロリーが低くて低脂質!置き換えるだけで簡単ダイエット!栄養や効能も管理栄養士がわかりやすく解説

この記事では低脂肪乳の栄養と効能などについてみていきます。低脂肪牛乳って牛乳よりカロリーが低そうなイメージがあるけど、牛乳より優れた点がたくさんあるみたいです。また、牛乳とどのような違いがあるのかいまいちわからない部分が多いが、明確にしていこう。今回は低脂肪牛乳とは何なのかという基本情報からどのような利点があるのかについて管理栄養士のミサキと一緒に解説していきます。

ライター/ミサキ

給食施設で働く現役管理栄養士。おいしい食事とおやつを食べることが生きがい。低脂肪牛乳は常に家にあり、必需品。コーヒーや紅茶に入れたり料理にも使用したりしている。

低脂肪牛乳とは?

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低脂肪牛乳とは、どのような規定があるのか確認してみましょう。

「牛乳」という文言は、生乳100%を使用した製品にのみ使用できます。低脂肪牛乳は生乳100%を原料とし、乳脂肪の一部を除いて1.5%以下にしたものです。他のものは、一切使用していませんので牛乳の表示ができます。

出典:一般社団法人日本乳業協会HP「乳と乳製品のQ&A」

低脂肪牛乳は牛乳に比べるとさっぱりしていますが、薄めていることもなく100%生乳からできています。「低脂肪’牛乳’」と牛乳の表記があるのも、生乳100%ならではだったのですね。乳脂肪の一部を除いているだけなので、牛乳と大きな成分の違いはありません。

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