学校には「教諭」や「講師」といった人たちがいますね。この2つはどちらも似た意味を持つ言葉ですが、「正確な違いがわからない」「あいまいに使ってしまっている」という人も少なくないと思う。今回はこの違いについて、言葉の使い方にこだわるビジネス文書熟練者の西風と一緒に解説していきます。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届けします。

「教諭」と「講師」の違いとは?

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ここでは「教諭」と「講師」の違いについて見ていきます。

「教諭」は正規雇用の先生

「教諭」に含まれる「教」は教えること、「諭」はわからないところや疑問をといて教えることやさとすという意味を持つ漢字です。「教諭」は生徒に教える先生を意味し、正規雇用された者を表します。

「講師」は非正規雇用の先生

「講師」に含まれる「講」は講義をすること、「師」は人を教え導く人や先生という意味を持つ漢字です。「講師」は「教諭」同様に生徒に教える先生を意味し、非正規雇用の者を表します。

「教諭」の意味と種類

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ここから「教諭」と「講師」の違いに着目してくわしく見ていきましょう。

「教諭」の意味

「教諭」を辞書でくわしく調べてみると、以下のような意味だとわかります。

1.教えさとすこと。
2.(教諭)教育職員免許法による普通免許状を有する、幼稚園、小・中・高等学校、中等教育学校、特別支援学校の正教員。旧制では、中等学校の正規の教員をいった。

出典:デジタル大辞泉

\次のページで「「教諭」の種類」を解説!/

辞書の意味からも「教諭」は教員免許を持ち、教員採用試験に合格して主に幼稚園や小学校・中学校・高等学校で正規雇用され働く者を表しています。

「教諭」の種類

大きく分けると公立学校の「教諭」と私立学校の「教諭」の2つです。公立学校の場合は都道府県や政令指定都市ごとに1年に1度行われる教員採用試験を受験し、合格することで正規雇用の公務員として採用され、学校へ赴任されます。

私立学校の場合は私立学校ごとの採用試験を受験し合格することで正規雇用されますが、公務員にはなりません。雇用された私立学校が経営する学校の中から赴任先が決まります。

「講師」の意味と種類

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「教諭」との違いに着目してくわしく見ていきましょう。

「講師」の意味

「講師」を辞書でくわしく調べると、以下のような意味だとわかります。

1.講演や講義をする人。
2.大学・高等専門学校で、教授・准教授に準じる職務に従事する者。専任で常勤の者と、非常勤の者とがある。
3.小・中・高校で、非常勤で教諭の職務を助ける者。
4.専門学校・予備校・塾などで、講座を受け持つ人。

出典:デジタル大辞泉

\次のページで「「講師」の種類」を解説!/

「教諭」と同様に教員免許をもって働く意味においては2・3が該当します。「教諭」との違いは、教員採用試験に合格しておらず雇用形態が異なる非正規雇用の職員であるということです。1・4は教員免許の有無は関係なく、幅広く講義をする人を意味しています。

「講師」の種類

「講師」には大きく分けると常勤講師と非常勤講師があります。「教諭」とほとんどかわらず毎日のように出勤し、「教諭」と同じ時間フルタイムで働くのが常勤講師です。常勤講師の場合、給与は若い頃は「教諭」とあまり変わらないようですが、昇給の伸びが違うなど待遇面での違いはあるようですね。

非常勤講師は必要な授業や教科のときだけスポットで登壇します。非常勤講師は先生としての働く時間は短いかもしれませんが、自分の生活にあわせて働き方を選択できるというメリットもあるようです。「講師」は非正規雇用ということもあり、基本的に毎年度の契約更新が求められます。

「教師」や「教員」との違い

ここからは似たような言葉である「教師」や「教員」についてくわしく見ていきます。

「教師」の意味と役割

「教師」を辞書でくわしく調べると、以下のような意味だとわかります。

\次のページで「「教員」の意味と役割」を解説!/

1.学校などで、学業・技芸を教える人。先生。教員。「数学の―」「家庭―」
2.宗教上の教化を行う人。

出典:デジタル大辞泉

辞書の1の意味に記載されている学校などという表現がポイントです。例文からも分かる通り学校に限定しておらず、家庭教師や塾が含まれます。「教諭」や「講師」以外の教員免許を持たない先生も含んでいるということですね。

「教員」の意味と役割

「教員」を辞書でくわしく調べてると、以下のような意味だとわかります。

学校で児童・生徒・学生を教育する職務についている人。教育職員。教師。

出典:デジタル大辞泉

学校で教育に携わる者を表すことから、「教諭」や「講師」・「教師」も含まれる言葉であるとわかります。ただし、学校での教育に携わらない「講師」や「教師」の一部は該当しないので注意しましょう。

雇用のされ方が違うと認識しよう

「教論」と「講師」の違いについてくわしく見てきました。2つとも学校の先生であることは同じですが、雇用のされ方が異なります。また、「教師」や「教員」は同じ先生という意味を持ちますが、示す範囲がそれぞれ異なることがわかりました。同じような言葉でもそれぞれ詳細な意味は異なる…くわしく調べるほどに日本語の面白さを感じずにはいられませんね。

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雑学

3分で簡単にわかる「教諭」と「講師」の違い!意味や種類・「教師」「教員」との違いもビジネス文書熟練者が解説!

学校には「教諭」や「講師」といった人たちがいますね。この2つはどちらも似た意味を持つ言葉ですが、「正確な違いがわからない」「あいまいに使ってしまっている」という人も少なくないと思う。今回はこの違いについて、言葉の使い方にこだわるビジネス文書熟練者の西風と一緒に解説していきます。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届けします。

「教諭」と「講師」の違いとは?

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ここでは「教諭」と「講師」の違いについて見ていきます。

「教諭」は正規雇用の先生

「教諭」に含まれる「教」は教えること、「諭」はわからないところや疑問をといて教えることやさとすという意味を持つ漢字です。「教諭」は生徒に教える先生を意味し、正規雇用された者を表します。

「講師」は非正規雇用の先生

「講師」に含まれる「講」は講義をすること、「師」は人を教え導く人や先生という意味を持つ漢字です。「講師」は「教諭」同様に生徒に教える先生を意味し、非正規雇用の者を表します。

「教諭」の意味と種類

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ここから「教諭」と「講師」の違いに着目してくわしく見ていきましょう。

「教諭」の意味

「教諭」を辞書でくわしく調べてみると、以下のような意味だとわかります。

1.教えさとすこと。
2.(教諭)教育職員免許法による普通免許状を有する、幼稚園、小・中・高等学校、中等教育学校、特別支援学校の正教員。旧制では、中等学校の正規の教員をいった。

出典:デジタル大辞泉

\次のページで「「教諭」の種類」を解説!/

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