英訳英語言葉雑学

3分で簡単にわかる”these”と”those”の違い!意味の分かれ目は「距離」?例文や使い分けも言語オタクがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。この記事では”these”と”those”の違いについて見ていくぞ。この2語は”this”と”that”の複数形で、大まかには日本語でいうところの「あの」、「あそこの」という意味で使われる代名詞だ。この2語は意味を混同することも多いが、辞書を調べると「距離」が重要なキーワードになるらしい。英語の授業や例文でも登場する言葉について、言語オタクのライターアオイと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/Aoi93

言語オタクを自称する駆け出しライター。言語の中でも好きなのは発音で、辞書や文法書を発音記号目当てに購入することも。家には積読の洋書や文法書がいくつかあるが、最近お気に入りの発音はフランス語の鼻母音。

“these”と”those”の違いとは?

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英語の文法に関する内容で必ず出てくる”these”と”those”ですが、“these”は”this”、”those”は”that”の複数形という違いがあります。綴りや意味が似通っており、言葉としての共通点もあるため混同することもありますが、辞書をつぶさに読んでみると似ているところとそうでないところの違いが見られて大変興味深いです。

どのようなところが似ているのか、違うのか。辞書や文法書、例文を読みながら勉強していきましょう。

2つとも品詞は代名詞

“these”と”those”は代名詞の中でも指定代名詞というカテゴリに分類されます。指定代名詞とは、特定の事物や文中の語句を指し示すために用いられる言葉です。また、後ろに名詞をともなって形容詞的に用いられることもあり、辞書で調べると形容詞としての意味も併記されています。

元の言葉の”this”、”that”との違いですが、通常の名詞の複数形と区別に大きな差はありません。では、この2つの意味を分けるポイントは一体何なのでしょうか。

意味の分かれ目は「距離」

“these”と”those”は、話し手から見たもの・こととの「距離」によってどちらを使うか決まります。これは、物理的な距離でも気持ちの面のそれでも同じようです。大まかに、近いものは”these”、遠いものは”those”と最初は覚えても良いでしょう。

“these”は比較的くだけた表現が可能な一方、”those”の例文は硬い表現が多く見受けられます。日本語における敬語とため口の使い分けと一緒とまではいきませんが、近いものは感じられますね。

“this/these”と”that/those”の使い分けは距離の遠近が判断基準としては優先されますが、近いものを示す”this/those”は「受容・興味」、遠いものを示す”that/those”が「嫌悪・拒否」の暗示として使われることもあるようです。頭の片隅に置けば、英語の物語文を今まで以上に深く読めるでしょう。

出典:『ウィズダム英和辞典 第3版(2014、井上・赤野編)』三省堂より一部引用、改変。

“these”と”those”の用例を辞書でチェック!

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ここまで、”these”と”those”が分類される品詞や、意味の分れ目が「距離」であることを説明しました。ここからは、実際の例文を読みながら”these”と”those”の意味の違いや用法を確認していきましょう。使用される場所自体は”this”、”that”と大きな差はありませんが、慣れれば単数形では届かない範囲の表現も可能になります。

では、辞書でどのような例文や使い方があるのか確認してみましょう。

\次のページで「身近に感じているものは”these”」を解説!/

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